店舗内外での注文・決済を可能にするモバイルオーダーは、顧客満足度の向上や売上増を期待できるシステムとして、飲食店や小売店などの店舗運営に変革をもたらしています。
この記事では、近年増加しているモバイルオーダーの導入のメリットとデメリットを解説します。
目次
- モバイルオーダーとは?
- モバイルオーダーを導入する理由
- モバイルオーダーを導入するメリットとデメリット
- モバイルオーダーシステムの種類
モバイルオーダーとは?
モバイルオーダーとは、スマートフォンやタブレットを使って小売店や飲食店などでの注文を可能にするサービスです。
モバイルオーダーでは、店舗内または店舗外でアプリを使用したり、QR コードを読み込んだりして注文・支払いを完了できるため、顧客体験はもちろんのこと、従業員の業務効率を一変させる可能性を秘めています。
以前から存在していたモバイルオーダーですが、コロナ禍を経て注目を集め、利用者や導入する企業が増えています。
モバイルオーダーを導入する理由
企業がモバイルオーダーを導入する理由はいくつかあります。
店舗運営の効率化
飲食店や小売店がモバイルオーダーを導入する理由のひとつには、導入することで、注文を取ったり、レジ会計を行ったりといった従業員の負担を軽減できる点が挙げられます。レストランなどで利用者が注文する際には、接客担当者を呼んで、待つ時間がなくなるため、顧客サービスや回転率の向上にもつながります。また、お持ち帰りやデリバリーにも簡単に対応できるようになります。
衛生面への配慮
衛生面への配慮も企業がモバイルオーダーに注目する理由のひとつです。コロナ禍により、感染予防の観点から「非接触」サービスへの関心が高まりました。モバイルオーダーを導入することで、利用客は従業員との距離を保ちながら注文・支払いを済ませることができます。
キャッシュレス決済への対応
キャッシュレス決済の浸透も、モバイルオーダーの利用数の増加を後押ししている理由のひとつです。
モバイルオーダーでは通常、クレジットカードや QR コード決済などのキャッシュレス決済で支払いが行われます。経済産業省が発表した 2022 年のデータによると、日本におけるキャッシュレス決済比率は 36% で、同省ではこの割合を 2025 年までに 4 割程度に引き上げることを目標に掲げています。モバイルオーダーを導入することで、さらなる拡大が予想されるキャッシュレス決済への対応も可能となります。
モバイルオーダー導入のメリットとデメリット
モバイルオーダーを利用する企業が増える一方、自社にとって最適であるかどうかを懸念している経営者もいます。導入の際には、メリットとデメリットの両方を理解することが重要です。
メリット
モバイルオーダーのメリットは、上記の「導入する理由」で紹介した「店舗運営の効率化」「衛生面への配慮」「キャッシュレス決済への対応」などが店側のメリットとして挙げられますが、利用者側のメリットもあります。
利用者の利便性
モバイルオーダーでは、注文・支払いがスマートフォンなどで完結することから、利用者が小売店で行うことは「商品の受け取り」に絞られることになります。そのため、利用者の店舗での待ち時間が大幅に削減されます。
飲食店においても、利用客は接客担当者を待たなくとも注文でき、好きなときに支払えるなど、利便性が高まります。
デメリット
モバイルオーダーは店舗にとっても利用者にとっても多くのメリットを得られる機能ですが、導入や店舗運営の妨げになりかねない要素もあります。
モバイルオーダーの初期費用
モバイルオーダーでは、店舗運営の効率化によって人件費を抑えることができる一方、別のコストも発生します。導入時には初期費用がかさむ場合があり、運用にあたっては利用手数料などのコストが発生します。利用するシステムによって費用やサービス内容は異なるため、しっかり検討した上で判断することが重要です。
従業員向けの研修
モバイルオーダーを導入する場合、既存の店舗オペレーションからの大きな変化を余儀なくされる可能性があります。新たな店舗オペレーションを従業員ひとりひとりが把握し、スムーズな運営ができるよう研修を実施する必要があります。また、モバイルオーダーに慣れていない利用者からの質問にもわかりやすく答えられるよう準備を整えておくことも求められます。
モバイルオーダーシステムの種類
モバイルオーダーシステムには、大きく分けて「店内型」と「店外型」の 2 種類があります。
店内型
モバイルオーダーの種類のひとつは、店内での注文および支払いを可能にする「店内型」のシステムです。利用者はレジに行ったり従業員を呼んだりしなくても、QR コードまたは端末を使用して注文および支払いを行うことができます。
店外型
「店外型」のシステムでは、利用者は店舗にいなくても注文することできます。これは、主にテイクアウト (お持ち帰り) で利用されるものです。利用者は事前に注文・支払いを済ませて受取時間になったら店に出向いて商品を受け取ります。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。