即時電信送金は、銀行間の遅延を排除し、いつでも 10 秒以内に送金を完了できる決済手段です。フランスでは、2025 年 1 月 9 日からこのスピーディーで便利なサービスを無料で利用できるようになります。しかし、なぜ今になって即時電信送金が無料化されたのでしょうか?また皆さんは、即時電信送金の送金限度額や、利点・リスクはご存知でしょうか?本記事では、この種の取引にまつわるよくある質問について取り上げ、解説していきます。
この記事の内容
- 即時電信送金とは?
- 即時電信送金の無料化開始日
- 即時電信送金を無料にする目的
- 即時電信送金の上限額
- 即時電信送金の利点
- 即時電信送金のリスク
即時電信送金とは?
即時電信送金 (即時決済) を使用すると、すべての EU 加盟国に加え、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタイン、スイス、イギリス、バチカン市国、アンドラ、モナコ、サンマリノを含む単一ユーロ決済圏 (SEPA) 地域の銀行口座間でリアルタイムの送金が可能となります。
即時電信送金の処理時間はほとんどかからず、受取人は 10 秒以内に支払いを受け取ることができます。送金は、コンピューター、タブレット、またはスマートフォンを使用して、週末や祝日、昼夜を問わずいつでも行うことが可能です。最近まで即時電信送金には手数料がかかり、銀行は通常、送金ごとに約 €1 を請求していました。
即時電信送金の無料化開始日
2025 年 1 月 9 日以降、フランスの従来の銀行は即時電信送金を無料で提供しています。これは、即時送金手数料を通常の送金手数料よりも高く設定することを禁ずるという欧州議会と欧州理事会の規制に基づくもので、フランスでは、すでにほとんどの銀行がオンラインで即時送金を無料で提供しています。
この規制に準拠するために、銀行と決済代行業者は、即時送金による支払いを無料で行うオプションを消費者に提供する必要があります。
即時電信送金を無料にする目的
即時電信送金の手数料を無料にする理由として、以下の目的が挙げられます。
- 電信送金を使いやすくすることで、すべての人に利用を促進する
- Visa や Mastercard などのアメリカの決済ネットワークへの依存を減らし、ヨーロッパの経済・金融システムの独立性を高める
- 欧州経済領域 (EEA) 内でのユーロ送金を容易にする
即時電信送金の上限額
欧州中央銀行 (ECB) は、即時電信送金の利用に €100,000 の上限額を設定していますが、一部の銀行ではこれより低い限度額を設けている場合があります。即時送金の限度額を確認するには、銀行口座の利用規約をご覧になるか、ご利用の銀行にお問い合わせください。限度額以上の送金は、正常に完了しない可能性があります。
即時電信送金の利点
即時電信送金は、ヨーロッパの顧客にとって次のような利点があります。
- 無料サービス
- 使いやすさ
- 資金の安全な送金
- 送金人と受取人の両方に即時の受け渡しを保証
即時電信送金のリスク
高速送金には、特にセキュリティ面でのリスクがつきものです。
不正利用のリスクが高い
即時電信送金のような送金タイプは即座に完了する性質上、銀行が取引の正当性や受取人の身元を確認できないというデメリットがあります。送金を行う前には注意を心がけ、国際銀行口座番号 (IBAN) や受取人の情報 (名前など)、送金額を慎重に確認する必要があります。
IBAN の確認方法をご覧になり、情報入力ミスと不正利用のリスクの軽減にお役立てください。
不可逆的な取引
即時電信送金は、取引をやり直すことができません。いったん送金が開始されると、操作がキャンセルできなくなります。送金人が不正利用を疑ったり、送金情報に何らかのミスがあったりした場合でも、資金は取り戻すことができません。これは、資金を受け取る前にキャンセルできる標準的な送金とは対照的な仕様です。そのため、即時電信送金の使用は家族や友人に限定し、多額の送金や見知らぬ人への支払いには標準的な送金を行うのが最善の組み合わせです。
必要に応じて、オールインワンの決済サービスである Stripe Payments もご利用いただけます。高度な AI アルゴリズムが搭載された Payments は、購入完了率の改善、不正利用の軽減に貢献します。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。