Carousell: Stripe を使用して広範な不正防止プロセスを作成

Carousell Group の一員である Carousell は、東南アジアで中古品を取り扱う大手マルチカテゴリープラットフォームです。個人間での売買を簡単にすることで、世界中で中古品が販売され、中古品が最初の選択肢になるように世界に影響を与えることを使命としています。製品ポートフォリオの拡大に伴い、Carousell はプラットフォーム上の決済機能を Stripe Connect に統合してきました。

使用製品

    Radar
    Payments
    Connect
アジア太平洋
プラットフォーム

課題

Carousell は、チャットや写真撮影と同じくらい簡単に売買ができる、多分野のクラシファイドおよび Re コマースのオンラインマーケットプレイスです。対面での現金払いも根強い支持を受けていますが、デジタルの普及に伴ってオンライン取引へのニーズも高まっています。しかしながら、デジタルリテラシーの低さやオンラインフィッシング詐欺の増加により、顧客が不正利用に巻き込まれる可能性が増えています。こうした危険性から顧客を守るために、Carousell は自社のプラットフォームで、安全かつスピーディーに、利便性の高い取引を可能にする決済ソリューションを構築しました。2023 年には Stripe Connect を採用した決済ソリューションを強化するため、購入ボタン機能の提供を開始し、安全な決済、配送との連携、買い手の保護を実現しています。

Stripe の実装後、Carousell で信頼と安全を担当するチームは、最もよく発生する不正利用の攻撃ベクトルに関するデータを数カ月かけて収集しました。次に、Stripe プロフェッショナルサービスチームの協力のもと、同社のビジネスモデルに特化した不正利用の脅威への対抗戦略を練り上げました。これにより、応答時間の短縮と顧客体験の向上が可能となり、今後のさらなるグローバル展開にも備えられるようになりました。

解決策

Stripe プロフェッショナルサービスは Carousell と提携し、10 週間にわたって不正利用に対する戦略的アドバイスを提供し、信頼性と安全性に関するプロセスを構築・改善しました。Carousell は信頼できる地域コミュニティーの形成に重点を置いており、両チームは誤検出の削減と脅威モデルの絞り込みに向けて、ユーザーのペルソナを作成するところから始めました。

ファーストパーティーによる不正利用への対処

両チームはまずフレンドリー詐欺とも呼ばれる、ファーストパーティーによる不正利用のペルソナ作成に専念しました。これには顧客が商品を受け取っていないと訴えるケースが当てはまります。こうしたケースでは、ユーザーの主張が一見正当に思えるため、機械学習モデルを使った検出が困難です。一方で、こうしたケースが単独で起きることは稀であり、多くの場合は詐欺組織と結びついています。

ファーストパーティーによる不正利用で重要なのは、組織間の関係に焦点を当てる「エンティティ解決」プロセスを採用し、詐欺組織の活動を拡大させないことです。(Stripe の Enhanced Issuer Network を通して) カード発行会社や法執行機関がこの種の不正利用を認識し、対策が講じられるよう、チャージバック (不審請求の申請) に対して明確な反証資料を提示し、対応することが大切です。

決済体験の向上

両チームはまた、利用期間中の不正利用シグナルが比較的少ない新規顧客の決済体験改善にも注力しました。マーケットプレイスでは、新規顧客がさまざまな点にストレスを感じることから、解約につながることがよくあります。中古品のマーケットプレイスとして、Carousell はあらゆる技術面で良質な顧客体験を提供したいと考えていました。この目標を達成するため、Stripe と Carousell は協力して、「オニオンリング」リスクモデルとしても知られるディープディフェンスを構築するために、一定の介入策を適応するアプローチを取りました。このモデルでは、顧客のユーザー体験に沿って介入策が選択されるため、さまざまなシグナルが考慮されます。

加盟店詐欺への対処

リスクモデルはその範囲内でのみ効果を発揮します。マーケットプレイスでは、加盟店詐欺の可能性を考慮して、売り手もリスクモデルの範囲内に含める必要があります。両チームはユーザーのペルソナを設計する際に、売り手と商品の両方を総合的に検討しました。その結果、加盟店詐欺、ファーストパーティーによる不正利用、売り手と買い手の共謀といったさまざまな可能性をまとめたリスク評価マトリックスが完成しました。このマトリックスに基づいて、Carousell で信頼と安全を担当するチームは複数の介入度を含む不正防止プロセスを構築しました。

結果

Carousell は Stripe プロフェッショナルサービスと共にユーザーのペルソナを設計し、顧客体験を犠牲にすることなく、最も重大な脅威、リスクレベル、リスク軽減の機会を特定しました。結果、Carousell は新たな不正防止プロセスを実装し、検知と応答にかかる時間を短縮しています。Stripe プロフェッショナルサービスの業務終了後も、不正利用の発生を低いレベルに抑えています。新しいプロセスの導入により、カード発行会社のオーソリ率は 10% 増加して、3D セキュア (3DS) の介入は 15% 減少し、誤検出は 75% 減り、さらに早期の決済ブロックは著しく減少しました。

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます