Arc: Stripe、Fifth Third Bank とともに次世代のキャッシュマネジメントサービスを構築

金融テクノロジープラットフォームの Arc は、成長段階の未上場企業に対してキャッシュマネジメントおよび資本市場サービスを提供しています。Stripe との提携により、Arc は先端テクノロジーを応用した金融口座サービスを開始しました。このサービスは、アメリカ国内有数の金融機関である Fifth Third Bank により裏付けされているため、企業は「信頼できる銀行の安定性」と「直感的で使いやすいユーザーインターフェイス / ユーザー体験」のどちらかを選ぶ必要がなくなりました。Arc のプラットフォームを通じてその両方を手にすることができるからです。

使用製品

    Treasury
    Issuing
北アメリカ
スタートアップ

課題

これまで、デットファイナンス (負債による資金調達) などの一部の商業銀行サービスは大企業向けに限定されてきました。多くの場合、初期段階のスタートアップ企業は、先端テクノロジーの機能を活用するために、まずネオバンク (ネット銀行) で口座を開設します。その後、会社の規模が十分に大きくなった段階で、従来型の銀行に資金を移管することになります。従来型の銀行はより多くのサービスを提供していますが、往々にして効率が悪く、テクノロジー対応も進んでいません。

Arc の創業者である Nick Lombardo 氏と Don Muir 氏は、未上場企業のニーズに応えるため、設立から IPO (新規株式公開) までを支援できるプラットフォームを作りたいと考えていました。特に主なターゲット顧客と考えたのは、シリコンバレーのテック系スタートアップです。この構想のカギとなったのは、ネオバンクの利便性や先端的な機能と、全米トップクラスの金融機関の安定性を組み合わせることでした。

信頼されて、長く使い続けてもらえるプラットフォームを実現するためには、信頼できる安定したフィンテック企業で、豊富な機能を備えた埋め込み型金融サービス商品を提供しているパートナーが必要でした。Lombardo 氏は次のように述べています。「特に数年前の地方銀行の危機以降、この分野ではブランドの安全性と安定性が極めて重要なのです。テクノロジー、金融、法令遵守のすべての面で、確固たる評判を持つパートナーが必要でした」

Arc の計画では、自社プラットフォームを時間をかけて拡張・強化していく予定です。そのため、同じ考えを持ち、埋め込み型金融分野でのイノベーションと継続的な改善に取り組んでいるパートナーを必要としていました。

解決策

Arc は、その理想のパートナーを Stripe の中に見出しました。Y Combinator の支援を受けたスタートアップである Arc は、もともと Stripe をよく知っていて、同社が求めていた「安定性」「先進的なテクノロジー」「法令遵守へのしっかりとした取り組み」を兼ね備えていることも認識していました。

Lombardo 氏は次のように述べています。「Stripe は API ドキュメントに関して非常に優れた実績があり、強力なプロダクト開発文化を持っています。Stripe は市場で信頼されているブランドであり、当社のブランドをも高めてくれると確信していました。それに、Stripe は埋め込み型金融サービスにも深くかかわっていて、当社が成長していく中で、イノベーションと支援を続けてくれると信じていました」

Arc は Stripe Treasury の導入を決定しました。この API を使用すると、埋め込み型金融サービスをプラットフォームに導入できます。たった一度の導入で、Arc はプラットフォーム利用者に対し、Stripe 提携銀行によって裏付けされた当座預金口座を基盤にした、最新式の金融およびキャッシュフロー管理機能を提供することができました。

2024 年 7 月に、Stripe の Treasury プロダクトを支える銀行ネットワークに新しいパートナーとして Fifth Third Bank が加入。Fifth Third Bank は、アメリカ国内で最も大きな金融機関の 1 つです。Arc はこの機会を利用して、顧客の口座を Fifth Third に移管することを決定しました。優れた顧客体験を提供するとともに、B2B フィンテック業界の企業の中で、全米の上位 20 行 にランク付けされた銀行に資金を保管している唯一の企業として差別化を図ることを目指しました。

Arc はすでに Treasury を導入していたため、移管は直接連携を行うよりもずっと簡単で、リソースもあまり必要としません。Lombardo 氏は次のように述べています。「すでに Stripe と提携していたので、移管に際してインフラを再構築する必要はありませんでした。システム内部で新しい提携銀行を追加するだけです」

結果

Fifth Third への移管を 8 週間で完了

Arc が直接連携を通じて提携銀行を変更しなければならなかったとしたら、移管には 1 年かかった可能性があると、Lombardo 氏は見ています。Stripe を利用することで、実際にはわずか 8 週間で済みました。Lombardo 氏は次のように述べています。「Stripe との関係を通じてこの銀行に切り替えたため、移管は非常にスピーディーでした。しかも、実際の資金移動はほぼ瞬時に完了したのです」

スムーズな移管の結果、離れた顧客はゼロ

Arc は Stripe との提携を通じて Fifth Third を利用できるようになったため、直接連携の場合と比べて顧客の負担は大幅に軽減されました。Lombardo 氏は次のように述べています。「お客様に対して新たにユーザー登録や契約、本人確認プロセスをお願いする必要はありませんでした。移管がスムーズで、お客様に明確にお伝えすることができたため、離れていったお客様もいませんでした」

移管後、資金移動のタイムラインが加速し、資金の流入が増加

Stripe を通じて Fifth Third に切り替えたことにより、顧客エンゲージメントが促進されたと Lombardo 氏は考えています。この新しい提携関係についての情報が広まった後、Arc の顧客のユーザー登録と資金移動のタイムラインが大幅に加速したことが確認されています。顧客が Arc に登録してから口座に資金を移すまでの平均時間は半分に短縮されました。

移管後の 3 カ月間で、Arc は預金の流入と利用率の拡大が特に促進されているのを確認しました。この期間中、運用資産は 40% 以上も増加しました。

ある顧客は、Arc のプラットフォームの価値を次のように話しています。「銀行との対応に時間を取られずに、会社の成長に集中したいので、Arc を利用しています。Arc は、高機能でありながら、シンプルなユーザーインターフェイスという、フィンテックに期待される特性をうまく組み合わせています。しかも、その基盤となっているのは、私たちが高く評価し、信頼している提携銀行なのです」

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます。