girocard と Maestro の変更についての最新情報 (概要)

  1. はじめに
  2. girocard、デビットカード、クレジットカードの違いとは
  3. Maestro が廃止された理由
  4. Maestro の機能が付いた girocard の有効期間とは
  5. Maestro 廃止の影響
  6. girocard の今後の展開

girocard は、いわゆる「EC カード」と呼ばれるカードで、50 年にわたって使用されてきました。ドイツの銀行では通常、利用者が当座預金口座を開設すると自動的に girocard が発行されるため、現在ドイツ全土で 1 億枚以上の girocard が使用されています。

2023 年 7 月 1 日、カードネットワークの Mastercard が Maestro 決済システムを廃止したことで、状況が大きく変化しました。今後、girocard では Maestro の機能を使用できません。この記事では、今後の動向、および特に海外で利用できる代替の支払い方法についてご説明します。

本記事の内容

  • girocard、デビットカード、クレジットカードの違いとは
  • Maestro が廃止された理由
  • Maestro の機能が付いた girocard の有効期間とは
  • Maestro 廃止の影響
  • girocard の今後の展開

girocard、デビットカード、クレジットカードの違いとは

デビットカードは、一般的なタイプの支払いカードです。girocard は特別なタイプのデビットカードで、ドイツで主流のデビットカードです。ドイツ市場を対象とし、高度なセキュリティ、データ保護、信頼性の確保を実現しています。利用者が girocard またはデビットカードを使用して買い物をすると、本人の当座預金口座からすぐに購入額が引き落とされ、各取引はオンラインバンキングのプラットフォームに表示されます。

海外旅行の際には、ホテルやレンタカーの予約など、クレジットカードを使用した購入が必要になることがよくあります。クレジットカードには、「支払いカード」と「プリペイドカード」の 2 種類があります。 支払いカードの場合、取引はクレジットカードの口座に請求され、利用者は毎月 1 回クレジットカード決済を行う必要があります。カードには、あらかじめクレジット利用限度額が設定されています。プリペイドカードの場合、利用者は買い物をする前にカードにお金を「チャージ」しておく必要があります。最も有名なクレジットカードネットワークは、Mastercard と Visa です。

デビットカード、クレジットカード、およびその他の支払い方法のメリットについては、こちらを参照してください。

Maestro が廃止された理由

girocard では、Maestro の機能を使用した決済を 30 年も行ってきましたが、2023 年 7 月 1 日より、新たに発行された girocard には Maestro の機能が付かなくなりました。海外での買い物や現金の引き出しは、他の支払い方法でのみ可能になります。girocard は、ドイツ国内でのみ制限なく使用できます。

Mastercard は、Maestro の支払いシステムはオンラインコマース用に設計されておらず、コストが高すぎるとして、Maestro の廃止を正当化しています。今後、Mastercard の利用者は、口座引き落としで支払う代わりに、Mastercard のクレジットカードまたはデビットカードを使用して買い物ができます。ただし、この仕組みではオンライン小売業者が Mastercard に手数料を払わなければなりません。また、銀行が girocard の代わりに Visa デビットカードなどの他のカード使い始めているため、ドイツ市場においてはデビットカードとクレジットカードのシェアが増加する可能性があります。

Maestro の機能が付いた girocard の有効期間とは

今までは、Maestro のロゴが付いた girocard を海外で使用し、その支払いを Mastercard で処理することが可能でした。2023 年 7 月 1 日以降、Maestro のロゴが付いた girocard は発行されません。ただし、以前のカードはそれぞれの有効期限が切れるまで、遅くとも 2027 年末までは有効です。Maestro の機能がなくなると、利用者は海外での買い物やお金の引き出しの際に、他の方法を使用する必要があります。

Maestro 廃止の影響

一部の銀行では、girocard の代わりのカードとして別のカードを提供しています。専門家の間では、girocard のカード発行会社として、Visa のもう 1 つの一般的な提携会社である V Pay の利用が増えていくと予想されています。ただし、V Pay は主にヨーロッパ市場を対象としています。以前はほとんどの銀行が、Mastercard や Visa と提携している girocard を提供していました。ただし、これはカード発行会社に二重の手数料、つまり最初は girocard へ、次に Mastercard または Visa へ手数料を払わなければならないことを意味します。利用者は、ドイツ国内で使用するための girocard と、海外で使用するための別のデビットカードまたはクレジットカードの 2 枚のカードを使用して海外で支払うことも可能です。

貴社で顧客や従業員のためにカードプログラムを作成・管理したい場合は、Stripe Issuingをご利用いただけます。Issuing は、利用限度額やカードのデザインをすべて管理することが可能で、カードは経費管理から注文処理まで、さまざまな用途に使用できます。

girocard の今後の展開

ドイツ銀行と貯蓄銀行の合弁事業である EURO Kartensysteme によると、顧客が前から提携機能付きの girocard を持っていた場合、ほとんどの銀行は引き続き同じカードを発行したいと考えています。代わりの提携会社 (V Pay など) を使用すると、ドイツの利用者は海外でも支払いができます。これは、girocard に記載されているロゴが変わるだけであることを意味しています。考えられるもう 1つのシナリオは、銀行がデビット機能付きの girocard (girocard とクレジットカードの組み合わせ) を発行することです。

ただし、口座開設やカードの切り替えの際には銀行によって方法が異なるため、利用者は、追加費用が発生する可能性があるかを問い合わせる必要があります。たとえば、銀行によっては、クレジットカードの年会費の他に、少額の引き出しや欧州外のショッピングに追加の手数料が必要になります。また、残金が支払われるまで利息を課す銀行もあります。

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