課題

KINTO は、普段使いのマグカップや趣のある花びんなど、暮らしのひとときを美しい一品で彩るための雑貨を 50 年以上にわたって作り続け、人々に届けています。日本を拠点とするこのブランドは、2019 年にアメリカ子会社を設立しました。新たに同社のグループ企業となった KINTO USA は、業務支援のためのソフトウェアソリューションを採用しましたが、ここに含まれていたのが、決済の処理に利用するエンタープライズリソースプラニングプラットフォーム (ERP) と Stripe でした。

KINTO USA がそれまで利用していた ERP が別の組織に買収されたことを契機として、チームの業務の一部を自動化するため、同社は Stripe との連携性が優れているソリューションを検討しました。KINTO USA が導入したのは、グループの他の地域で利用されている ERP の NetSuite でした。次に着手したのは、両プラットフォームを接続して、決済の処理とログへの記録という手作業を削減することです。KINTO USA の最高戦略責任者である Denis Dumas-Meseguer 氏は次のように述べています。「当初、当社のペイメントゲートウェイは NetSuite と連携していませんでした。このため、すべての支払いを発注書や請求書と照合しなければならず、その作業に何時間も費やしていました」

Stripe での支払いの 80% 以上を、NetSuite の対応する請求書に手作業で関連付けて、支払い済みとマークする必要がありました。同社が求めていたのは、2 つのシステムをスピーディーに接続して、プラットフォーム間を絶えず行き来する作業を解消するための方法でした。このプロセスを自動化すれば、顧客と社内チームに対するサポートの質を高め、アメリカ国内の事業拡大を加速できることがわかっていました。

解決策

このような変更を短期間で実施するために KINTO USA が目を向けたのが、PayPack です。Stripe Payments と Stripe Elements を導入したところ、自社ブランドの決済ページを簡単に作成できるようになり、顧客は、各自の希望するさまざまな決済オプションで支払うことが可能になりました。さらに、Stripe Link を使用して顧客の詳細を自動で入力しているため、リピート顧客の決済プロセスがスピーディーになりました。KINTO が PayPack を選択した理由は、SuiteApp ソリューションがノーコードであり、Stripe を NetSuite と短期間で接続して、取引や同期レコードなどをスムーズに処理できるためです。

この接続によって、KINTO は決済フローを改善できるようになり、たとえば、担当チームが支払い情報の収集に利用していたウェブフォームを置き換えました。Rodriguez 氏は次のように述べています。「お客様から、自分の情報が保護されているのか確かめてほしいと要請されることがありました。実際に保護されていましたが、Stripe を NetSuite と併用できるようになったことで、両者の体験の統一感を高め、KINTO ブランドらしい体験をお客様に提供できるようになりました」

結果

Stripe と NetSuite の連携環境を 1 週間足らずで構築

PayPack の使用により、Stripe を NetSuite と接続する作業はわずか数日で完了しました。KINTO USA で東海岸担当の営業コーディネーターを務める Sydney Rodriguez 氏は、次のように述べています。「導入はすぐに完了し、手順もわかりやすいものでした。PayPack の担当者と電話で少し話して基本事項をおさらいした後、すぐに運用を開始できました」

導入プロセスの管理を担ったのは PayPack であり、KINTO は、業務を通常どおり滞りなく進めることができました。連携が完了すると、同社のチームはそのまま NetSuite から Stripe を利用できるようになり、新しいワークフローについて学ぶ必要は一切生じませんでした。INTO USA の注文管理スペシャリストである Maximilien Espinosa 氏は、次のように述べています。「決済代行業者を決めた後は、NetSuite からすぐに Stripe を直接使えるようになりました」

手作業での決済処理業務を解消して 1 日あたり 6 時間以上を節減

2 つのプラットフォームが接続され、8 つのステップからなる KINTO の照合プロセスは全面的に自動化されました。Rodriguez 氏は次のように述べています。「それまでは、取引ごとに情報を整理するのに 6、7 分かかっていましたが、PayPack の利用によってすべてが接続されたため、現在ではおそらく 30 秒ほどに減りました」

決済処理の自動化によって 1 日あたり 6 時間を超える業務時間が節減されたため、顧客重視の業務に集中できるようになりました。Espinosa 氏は次のように述べています。「時間を節約できたのは素晴らしいことですが、それだけではありません。情報の不一致も 99.9% 解消されました。すべてがシンプルになり、お客様の安心感も高まりました。今では、決済の管理ではなくお客様への対応に意識を向けられるようになりました」当社の少数精鋭のチームは、1 日あたりの作業量が減少したことで、これまでよりも多くの時間を顧客基盤のサポートと拡大に充てています。

ソリューションの費用と運用時間の短縮による節約額を監視して計算した結果、PayPack との連携による投資収益率は 91% を上回っていることが判明しました。

注文処理のスピードアップと安全性の強化で顧客満足度が向上

PayPack の導入により、支払い情報を送信するための直接リンクを使用して、自社固有の安全な決済ページを顧客に提供できるようになりました。このリンクは Stripe に接続されているため、リピート顧客のフォームに情報が事前入力されるので、フロントエンドでは決済中の顧客のストレスが軽減され、バックエンドでは注文の処理が高速になります。Espinosa 氏は次のように述べています。「お客様が氏名、注文品の発送先、発注元を単一のページで確認できるので、お問い合わせの電話件数が減っています。お客様が当社のプロセスを信頼していることがわかります」

KINTO の注文の大半は事前決済が条件であり、PayPack が導入されている同社の環境では、事前決済の手数料を NetSuite から直接設定できます。事前決済の手数料をカスタムに設定できるため、より柔軟な決済オプションを顧客に提供し、そのオプションに合わせて請求できるようになりました」

自動化によって地域の決済手段への対応が拡大

新たに創業した企業や KINTO USA のような新設の子会社において、市場の需要に対応できるか否かを大きく左右するのは効率です。物品を販売する企業の場合、効率とは、注文される商品の陳列、販売、再注文への対応のスピードを引き上げることを意味します。Dumas-Meseguer 氏は次のように述べています。「当社は事前決済制であるため、注文された商品は必ず決済が完了してから発送しています。PayPack を導入したことで、決済リンクを送信して支払い額を受領する処理の効率が飛躍的に向上しました。決済の処理速度が上がるほど、商品の出荷、新たな再注文の受け付け、事業の拡大のスピードもアップします」

KINTO は、PayPack を活用して地域固有の決済手段に対応しながら今後世界で事業を拡大するための方策を、すでに複数見出しています。Dumas-Meseguer 氏は次のように述べています。「将来を見据えたうえで、次の段階の成長に向けて何が必要であるのかを捉え、先手を打つのが私の務めです。たとえば、PayPack 経由で ACH 支払いの受け付けを開始することになりました。海外販売の拡大に伴い、他の通貨を使用する機会が生じることは認識しています。PayPack は新たなソリューションの開発に取り組んでいるので、長期にわたって関係を継続できると確信しています」

PayPack について

Nova Module によって設計された PayPack は、Stripe を利用した SuiteApp アプリの 1 つであり、特定の業種やビジネスニーズ向けに NetSuite を拡張し、NetSuite ユーザーに統合型の決済処理ソリューションを提供します。ユーザーは、NetSuite を離れることなく Stripe から取引を処理して、決済レコードを同期し、支払い情報を管理できます。PayPack について、詳細はこちらをご覧ください。