国内ユーザーの希望に応え、コンビニ決済・銀行振込を開始

Daniel Heffernan Product, Japan

Stripe が 5 年前に日本でのサービスを開始して以来、国内外のユーザーから、日本の顧客と親密かつ健全な関係を築きたいという声が寄せられていました。こうした要望を背景に、ユーザーが経済のより大きな領域にアクセスできるよう、日本の Stripe エンジニアリングチームが開発した、コンビニ決済と銀行振込という日本市場に即した決済手段の提供を開始しました。

銀行振込: 日本企業をつなぐ

経済が刻む日々のリズムは、企業間決済に合わせて変化しています。経済産業省の推計では日本の国内 B2B 市場の規模は、年間 335 兆円 (2 兆 9000 億ドル) にのぼり、その中でも銀行振込が圧倒的に多く、96% のシェア* を占めると言われています。Stripe 製品を通じて銀行振込を利用できるようになったことで、企業各社は日本の取引先とこれまで以上にスムーズに事業ができるようになりました。

Japanese Payment Methods JP

*出典:経済産業省および Global Data

開発にあたり、Stripe では送金側と受取側の両者の体験を改善できるよう努めました。すべての顧客が同一の法人口座に振り込むのではなく、バーチャル銀行口座を自動的に発行できるようにしました。これにより、請求書の迅速かつ自動的な処理が可能となり、月末に経理チームが未払い請求書と入金額の消し込み作業に追われることがなくなります。

一方、銀行と企業側のシステムの連携がうまく取れない場合、会計からカスタマーサービスまで、日々の業務が無駄に煩雑になり、リスクやエラーが発生してしまいます。Stripe では、銀行振込を企業側のシステムにも組み込みやすいよう工夫し、その上でビジネスを構築できるようにしました。例えば、銀行振込の返金はもともと、カード決済のような返金方法には対応していません。そこで私たちは、ダッシュボードと API の両方で一部返金や全額返金ができるようにしました。これにより、振込金額に過不足があった場合、カスタマーサービスチームは、銀行口座の入出金明細を確認することなく、誤送金による支払いの調整をすることができます。

マーケットプレイスやプラットフォーム事業を展開する企業にとっては、Stripe が提供する銀行振込でさらに充実したサービスが提供できるようになります。Stripe Connect を使用することで、マーケットプレイスは出店者の銀行情報を公開することなく、出店者に代わって支払いを受け付けることができます。また、SaaS プラットフォームは、自ら提供するサービスと顧客企業から受け取る代金とを直接結びつけることができるようになります。これにより、新たな収益機会がもたらされ、ROI の妥当性を顧客に簡単に示し、ビジネスユーザーに対するより豊かなエクスペリエンスの構築が可能になります。

また、銀行振込を Stripe Billing に完全に組み込みました。使い勝手の良い見やすい請求書、請求書の手動および自動消し込み機能、サブスクリプション機能、オプションとしてホスト型サブスクリプションとカスタマーポータル UI など、多くの機能が搭載され、国内展開するビジネスが支払いを受けるために必要なすべてを備えています。スタートアップ企業の最初の請求書送付から、世界の最優良企業の運営サポートまで、幅広く対応しており、日本の大手通信会社のグループ企業である KDDI ウェブコミュニケーションズも、ビデオ会議機能「Video 会議室 for Garoon」の請求管理に利用しています。

コンビニ決済: デジタルとリアルをつなぐ

Stripe では、3月に全国 3 万 4,000 店舗以上のコンビニエンスストアでの支払いを可能にする「コンビニ決済」の提供も開始しました。これにより、カードを持たない人や現金払いを好む購入者が、オンラインショッピングの代金を近くのコンビニで支払えるようになります。利便性の高いコンビニ決済は、日本の e-コマースにおいてカードに次いで 2 番目に利用率の高い決済手段で、およそ 20 兆円 (1,670 億ドル) にのぼる B2C オンライン決済額の 18% を占めています (経済産業省より)。

コンビニ決済は日本全国のビジネスとその顧客をつなぐ大きな役割を果たしています。コンビニ決済を取り巻く環境として、これまでは個別の交渉や登録、導入コストが足枷となり、大企業のみが提供していましたが、Stripe のコンビニ決済の提供開始により、初めて小規模事業者でも利用が可能になりました。カード決済と同様に簡単で、Stripe では手数料 3.6% (1 件あたり 120 円から) でコンビニ決済を利用できます。

また、消費者側の体験も大幅に改善しました。導入企業は、コンビニチェーン特有の支払い手順を購入者に示さなければ取引が完了しない場合もあります。Stripe では、購入者が最寄りの店舗を選択し、必要に応じて臨機応変に変更できるようなホスト型エクスペリエンスを開発し、正確で最新の手順を利用者が使用している言語で共有できるようにしました。Stripe がこのような継続的な取り組みを行うことで、何十万もの日本のユーザー企業が自ら手順を更新する手間を省けます。さらに、業界初の試みとして、コンビニ決済の返金を自動で簡単に行えるようになりました。

Konbini JP

日本を熟知した国内のチームによる開発

日本のエンジニアリングチームは、Stripe のグローバルに展開するエンジニアリングの取り組みを先導して、これらの新しい決済手段の提供を開始し、Billing や Checkout、その他のプラットフォームへの完全な組み込みを実現しました。インターネットを活用することによって、世界的な取り組みをローカルな文脈に落とし込むことができた画期的な一例です。

日本のエンジニアリング界が抱える人材層の厚さは、目を見張るものがあります。技術や製造において日本は世界にその名を轟かせており、世界中の Stripe エンジニアたちも、IT業界に入った理由としてそのことを指摘しています。それらの才能を活かし、全世界に影響を与える課題や、グローバルに広がるインターネット経済における日本企業の可能性を向上させるという課題に取り組めることを、私たちは嬉しく思っています。

大阪で創業した老舗のフォント開発・販売企業、モリサワから、クラウド名刺管理サービスなどの働き方を変えるDXサービスを提供する Sansan まで、私たちはこの 5 年間、日本企業をサポートしてきました。Stripe が協働する日本のユーザーは、将来を明るく捉えており、彼らが世界各地の顧客に品質と喜びを提供できるようサポートすることに、私たちは熱意をもって取り組んでいます。

Like this post? Join our team.

Stripe builds financial tools and economic infrastructure for the internet.

Have any feedback or questions?

We’d love to hear from you.