リボ払いは、毎月の支払額を一定に抑えることができるため、日本では近年、利用者が増加しています。しかし、リボ払いは消費者の資金繰りを助ける一方で、手数料の高さから長期的な負担増につながることも少なくありません。事業者にとっても、顧客の支払い遅延はキャッシュフローに影響を及ぼし、経営に影響を与える可能性があるため、軽視することはできないトピックです。顧客が適切な決済手段を選択できるようにサポートすることは、事業者にとっても重要な課題と言えるでしょう。
本記事では、リボ払いの手数料を安く抑える方法のひとつであるリボ払いの一括返済について詳しく解説します。
目次
- リボ払いを一括返済するメリット
- リボ払いの一括返済のやり方
- リボ払いの一括返済の支払い方法
- リボ払いを一括返済するときの注意点
- リボ払いの手数料が安くなる一括返済以外の方法
- リボ払いの一括返済についてよくある質問
- 無理のない支払い環境を整える
リボ払いを一括返済するメリット
リボ払いは手数料率が高く、利用残高が増えると完済までに長期間かかりやすいことが難点です。一括返済を行えば、支払いの負担をリセットし、余計な手数料の発生を抑えることができます。リボ払いを一括返済するメリットには、次のようなものがあります。
手数料を減らせる
リボ払いは利用残高が少ないうちは、それほど気にならないかもしれませんが、利用回数が多くなり残高が増えてくると、支払いがなかなか進まず、多くの手数料を払っているような状況に陥ってしまいます。リボ払いを一括返済することで手数料を大幅に節約することができます。
利用可能枠を増やせる
リボ払いを一括返済することで、クレジットカードのショッピング利用枠に余裕ができます。それにより予期せぬ出費に対応することが可能になり、余裕を持って生活することができます。
信用情報として登録される
リボ払いを一括返済した場合、リボ払いを利用した事実と返済履歴が信用情報に登録されます。適切に一括返済を利用することで、それ以降のクレジットの審査に通りやすくなりますj。
支払いのストレスがなくなる
リボ払いを一括返済すれば利息の負担や毎月の支払い額がなくなり、支払いに関する不安から解消されます。
リボ払いの一括返済のやり方
リボ払いを一括返済に変更するやり方は、金融会社により少しずつ異なりますが、一般的に次の手順を目安にしてリボ払いの一括返済を行うと良いでしょう。
- リボ払いの残高を確認する
- カード会社に一括返済したい旨を連絡する
- 指定された方法 (ATM、引き落とし、口座振込など) で一括で払う
- リボ払いの設定を解除し、通常払いに変更する
リボ払いの一括返済の支払い方法
代表的なクレジットカード会社の一括返済の支払い方法をそれぞれ見ていきましょう。
クレジットカード |
一括返済の方法 |
---|---|
三井住友カード |
|
三菱 UFJ カード |
|
JCB カード |
|
楽天カード |
|
イオンカード |
|
アメリカン・エキスプレス |
|
d カード |
|
エポスカード |
|
セゾンカード |
|
PayPay カード |
|
ATM 支払い
カード会社によりクレジットカード会社提携またはコンビニの ATMから一括返済ができる場合があります。あらかじめカード会社のウェブサイトやカスタマーサポートで ATM からの一括返済が可能か、手数料や利用できる時間帯などに制限があるかなどを確認しましょう。
口座引き落とし
リボ払いの一括返済を口座引き落としで行いたい場合は、事前に手続きが必要です。申し込み期限までに手続きを行なうと、次回の支払日に自動で引き落とされるようになります。残高不足だと一括返済が実行されず通常のリボ払いが継続される場合があるため、口座残高を十分に用意しておきましょう。
口座振込
口座振込で対応したい場合も、事前に手続きが必要です。一括返済の申し込み後、指定された銀行口座へ振り込みます。
リボ払いを一括返済するときの注意点
手数料を節約するためにリボ払いの一括返済は有効な手段であることがわかりましたが、利用する際には、いくつか注意する点もあります。
一括返済しても当月の手数料は発生する
リボ払いの手数料は日割りで計算されるため、一括返済を選択しても、当月分のリボ払いの手数料はなくなりません。一括返済の際には、手数料を含めて、支払い総額がいくらになるか確認しましょう。
その場しのぎのカードローンへの借り換え
リボ払いの手数料率よりもカードローンの手数料率が低い場合、カードローンへ借り換えをしてリボ払いを一括返済するというテクニックを使うことができます。手数料が節約でき、返済期限を早めることができれば、この選択肢は悪くないと考えられます。ただし、カードローンも結局はお金を借りるという点ではリボ払いと同様です。その場しのぎでカードローンへ借り換えを行なうのではなく、その後の返済をしっかりと計画的に行なうようにしましょう。
リボ払いの手数料が安くなる一括返済以外の方法
一括返済には一度にまとまった金額を用意しなければならず、場合によっては家計を圧迫する可能性があります。中には一括返済をするお金はあるけれども、あえてしない選択をする人もいるのではないでしょうか。ここではリボ払いの一括返済はできない、またはやりたくない人向けに、一括返済以外でリボ払いの手数料を節約する方法を見ていきます。
繰上返済する
少しまとまったお金が入った時におすすめな方法が繰上返済です。リボ払いの利息は毎日の残高に対して日割りで発生します。手数料を減らすためにはできるだけ早いタイミングで返済するのがおすすめです。リボ払いが元金充当型を採用している場合、繰上返済の支払額は元金に当てられるため効果的に手数料を減らすことができます。
支払額を増やす
月々のリボ払いの返済額を増やすことで、手数料額を抑えて支払い期間を短縮することができます。
リボ払いの一括返済についてよくある質問
リボ払いを 1 回払いに変更できますか?
一度リボ払いに設定したものを1回払いに変更することはできません。手数料を抑えたい場合は、一括返済や繰上返済などの早期返済を利用することになります。
50 万円のリボ払いを返済するには何年かかりますか?
借入金額、手数料率、支払方式により結果は異なります。
- 借入金額 - 50 万円
- 手数料率 (年利) - 15%
- 月々の支払額 - 1 万円
という条件で、JCCA リボ de お買い物 (元金定額コース) を使って計算した場合の結果はこちらです。
- 支払い回数 - 50 回
- 支払い総額 - 653,191 円
- 手数料 - 153,191 円
この場合、4 年 2ヶ月かかることになります。
100 万円のリボ払いを返済するには何年かかりますか?
50 万円の時と手数料率と月々の支払額を同じにした以下の条件で、同様に JCCA リボ de お買い物 (元金定額コース) を使用し計算します。
- 借入金額 - 100 万円
- 手数料率 (年利) - 15%
- 月々の支払額 (手数料は除く) - 1 万円
結果はこちらです。
- 支払い回数 - 100 回
- 支払い総額 - 1,618,881 円
- 手数料 (手数料は除く) - 618,881 円
この場合、返済までの期間は 8 年 4 ヶ月です。借り入れた金額は 50 万円と 100 万円と 2 倍の違いですが、実際に支払う金額は 2 倍以上になることに注意が必要です。
無理のない支払い環境を整える
リボ払いは便利な決済方法ですが、手数料の負担が大きくなりやすいのが難点です。一括返済を活用すれば、全体的なコストを抑え、支払い期間を短縮することができます。
事業者にとってもリボ払いを利用する顧客の行動パターンを分析し、健全な支払い計画をサポートすることが、長期的な取引関係の安定につながります。顧客が無理なく支払いを続けられる環境を整え、柔軟な支払いプランを提案することができるように、事業者も一括返済の方法や、その他の手数料を抑えられる返済方法を理解しておきましょう。
Stripe では、日本市場におけるクレジットカードの分割払い、リボ払い、ボーナス払いの 3 つの支払い方法に対応できるように準備中です。現在、ベータ版をお試しいただくことが可能ですので、ご興味のある事業者様はお問い合わせください。
この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。