メキシコ赤十字社が Stripe と提携、オンラインとモバイルの決済を強化

メキシコ赤十字社は、人道・医療援助組織の国際赤十字の支部であり、メキシコ全土で緊急医療を提供しています。オンライン決済を導入し、非営利組織で従来から行われてきた募金の収集方法を変革するために、Stripe を利用しています。

使用製品

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北アメリカ
大企業

課題

1910 年創立のメキシコ赤十字社は、メキシコ全土で緊急医療サービスや人道支援活動を展開しています。過去 1 世紀にわたり、自然災害、武力衝突、疫病の流行など、多くの重要局面で支援を行ってきました。現在は、救急車サービス、救急救命士と看護師の養成学校運営など、日常的なサービスも提供し、立場の弱い人々を支えています。

独立非営利組織であるメキシコ赤十字社は、数十年にわたって主に対面での募金活動を通じて寄付金を集めてきました。しかし、2024 年、寄付者の習慣が変化していることに伴い、これまでのように現金の寄付に固執した場合、募金活動に支障をきたすことを認識。より多くの寄付を集めるには募金方法の刷新が必要であると考えました。

メキシコ赤十字社のビジネス戦略・イノベーション担当ディレクターの Diego Luisillo 氏は次のように述べています。「簡単な方法で寄付できるように一連のツールを用意することで、より多くの人々に寄付を促すことが可能になるため、寄付のデジタル化は当組織に非常に大きな変化をもたします」

メキシコ赤十字社の幹部たちは、新しい技術を採用してオンラインの決済機能を導入すれば、資金調達の新たな機会が格段に向上すると判断しました。そこで、同組織が探したのは、便利で安全なオンラインとモバイルの寄付を実現するだけでなく、取引データを明確に把握し、透明性の向上と会計作業の負担軽減を可能にする決済ソリューションでした。さらに、プロジェクトに充てるスタッフと技術リソースが限られているため、簡単に実装できることも条件でした。

解決策

メキシコ赤十字社は、実装が簡単で、決済機能を変革できるソリューションとして、Stripe の採用を決めました。オンラインとモバイルの決済をサポートし、さまざまな決済手段と通貨に対応するために、Stripe Payments を導入しました。この決済インフラがあれば、世界中から簡単かつ効率的に寄付を収集することができます。スタッフやボランティアが寄付箱を持って街頭で寄付を募る必要はなくなります。

「Stripe は赤十字にとって非常に重要な技術パートナーとなりました。Stripe のおかげで、困っている人たちにサービスや支援を提供するといった、赤十字が本来行うべき活動に集中できるようになったのです。Stripe のソリューションを利用することで、自動的に支払いを処理し、人的資源を社会の保護と支援に集中させることが可能になりました」(Luisillo 氏)

メキシコ赤十字社は、オンライン寄付を処理するために Payments を、さらに、救急救命士・看護師養成学校での授業料などの継続支払いに対応するために Stripe Billing を導入しました。このほか、Payment Links など決済フローを最適化するプロダクトを実装。ウェブサイト、電子メール、ソーシャルメディアなど、どこにでも埋め込んだり共有したりできる決済用リンクを備えた、使いやすい支払いページを作成しました。

利用者にスピーディーかつ簡単な決済機能を提供するために、Link も導入しました。寄付者の支払い情報や住所などが自動入力されるため、短期間で支払いを済ませることができます。さらに、すでに導入済みの Apple Pay に加え、今後は別のデジタルウォレットである Google Pay と、OXXO や SPEI などの現地の決済手段も追加する予定です。決済フローを最適化するプロダクトを利用して動的な決済手段を導入できるため、追加の開発作業なしで、複数の決済手段を簡単に追加することが可能です。

Stripe の導入によって Stripe ダッシュボードにもアクセスできるようになりました。ダッシュボードでは成功した支払いが自動的に記録されるため、明確で詳細なデータをリアルタイムで追跡できます。こうした機能一式を活用することで、メキシコ赤十字社は現金によるアナログ式の寄付プロセスを最新の効率的な決済システムに変革することができました。

結果

オンラインとモバイルの決済を 2 週間で導入

Stripe の導入はコーディングなしで、わずか 2 週間で完了しました。しかも、作業を行ったのは、ソフトエンジニアでも開発者でもない、少人数のチームです。メヒコ州メキシコ赤十字社のジェネラルコーディネーターであり、メキシコシティの赤十字中央病院の院長でもある César Chávez García 氏は次のように述べています。「テクノロジーとは無縁の組織で、短期間にこのような技術を導入できたことに大変驚いています。スピーディーかつシンプルに、何よりも、実質的に投資なしで実現できたのです」

オンラインとモバイルの決済機能を追加することで、支援の手を広げ、被災地からの距離に関係なく多くの人たちの意識を高め、寄付を募ることが可能になりました。さらに、時間、場所、人員に制限されることなく、寄付者が必要性を感じ、オンラインで寄付をしたいと思ったときに、その瞬間をとらえ、寄付を集められるようになりました。Payment Links を利用すると、WhatsApp などの人気のあるソーシャルメディアプラットフォームで寄付リンクを投稿・共有できるため、同組織では 2,080 万人の潜在的な寄付者にリーチできると予想。一連の新機能が資金調達拡大につながる大きな機会を生み出すと期待しています。

広く普及している多種多様な決済手段に対応することで、寄付者はこれまでにないほど簡単に寄付ができるようになりました。立ち上げから 6 カ月以内で、同組織のオンライン支払いの 5% が Apple Pay を使用して行われました。

Stripe ダッシュボードの使用でリアルタイムの追跡が可能になり、データの透明性も向上

Stripe アカウントの開設により、メキシコ赤十字社は自動かつリアルタイムの支払い追跡機能を利用できるようになりました。この機能を使用すると、所在地に関係なく、どのチームも簡単にデータにアクセスできるため、会計処理が効率化し、チームが組織全体のデータをより細かく把握して、意思決定を改善できると期待しています。

500 以上の地方支部を 1 つの決済プラットフォームに統合

過去数十年にわたって技術刷新をほぼ実行していなかったメキシコ赤十字社にとって、Stripe の実装は画期的な出来事でした。Stripe の導入後、さらに Stripe Connect を実装し、500 を超える地方支部にオンライン決済機能を提供しました。

Stripe の専門分野パートナーである Pai は Connect の導入に際してメキシコ赤十字社と連携し、Connect と Billing を使用して、同組織がさまざまな場所での寄付金収集プロセスを自動化・改善できるようにカスタムソリューションを設計しました。Connect の使用により、各寄付金は寄付者が選択したメキシコの赤十字支部に自動的に分配されるため、手動で資金を分配する手間が軽減され、資金管理に伴う時間とコストが大幅に削減されます。Pai は計画通りに導入が成功するよう、実装の全工程で技術的なサポートと指導を行いました。

García 氏は次のように述べています。「私たちは 54 年間、技術刷新を一切行ってきませんでした。今回、その取り組みを 2 つの州に限定して実行しましたが、全国本部はこれを全国に拡大する意向です」

Pai について

メキシコに拠点を置く Pai は、ビジネスの決済システムの改善を支援しています。カスタム開発と技術コンサルティングを通じて、クライアントがデジタル決済の受け付け率を改善し、取引成功を最適化して顧客体験を向上できるようにサポートしています。Pai は Stripe のサービス実装および Stripe Billing の専門パートナーです。Pai の詳細については、こちらをご覧ください。

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます