舞台裏: ElevenLabs が Stripe を活用して AI 音声分野で 30 億ドル企業へと成長を遂げた軌跡

ElevenLabs は、AI 音声研究と技術の分野で世界的なリーダーであり、企業、開発者、クリエイター向けに最先端の AI 音声ツールを提供しています。同社のプラットフォームは、数百万人の個人ユーザーと数千社の企業が利用しており、その中には Fortune 500 企業で働く社員の 72% 以上も含まれています。ユーザーは高品質な音声ナレーションを迅速かつ低コストで大量に作成したり、30 以上の言語でインタラクティブな AI 音声エージェントを展開したりすることができます。

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2000 年代初頭にポーランドで育った Mati Staniszewski 氏と Piotr Dabkowski 氏は、粗末な吹き替え映画にうんざりしていました。外国映画をポーランド語に吹き替えるための予算は限られていたため、ほとんどの映画では 1 人の話者が、深みやニュアンス、感情をほとんど込めずに、すべての登場人物のせりふを読み上げていました。

そのような子どもの頃の経験は、2 人がテクノロジー業界でキャリアを積む間も心に残り、やがてひとつのアイデアを生み出しました。それは、リアルで感情豊か、かつ文脈を理解する合成音声を作れば、あのひどい吹き替え問題や他の多くの問題も解決できるのではないか、というものでした。

そのアイデアが、2022 年の ElevenLabs の立ち上げにつながりました。同社は AI とディープラーニングの進歩を活用し、人間のような話し方 (さらには笑い声まで) を生み出せる人工音声を構築した初の企業となりました。この画期的な技術により、このスタートアップは音声 AI 技術の最前線に躍り出ました。現在、ElevenLabs は、音声コンテンツや動画コンテンツ向けのテキスト読み上げエンジン、キャラクター開発向けの音声デザインツール、翻訳と吹き替えのスタジオ、顧客と対話できる会話型 AI チャットボット向けのツールキットなどを含む、拡大を続ける製品スイートを提供しています。

事業の拡大に伴ってそれらの製品を収益化するには、それに見合う先進的な決済パートナーが必要でした。ロンドンとニューヨークを拠点とする ElevenLabs は 2023 年、同社の音声 AI ツール向けに定額制サブスクリプションを開始するため、Stripe を利用しました。それ以来、ElevenLabs は Stripe 製品の幅広い機能を活用して、エンタープライズ向けサービスへと事業を広げ、急速に進化するビジネスモデルを支えてきました。たとえば同社は、声優が自分の声を商用利用向けにライセンス提供できるマーケットプレイスのような主要施策を構築する中で、Stripe を活用してきました。

1 人の請求担当エンジニアでサブスクリプション、入金、エージェント型ワークフローを支援

ElevenLabs は、人間のような 11 種類の AI 音声からスタートしました。従来の機械的な AI 音声とは異なり、ElevenLabs のテクノロジーは、年齢、アクセント、性別、イントネーションなど、人の声をそれぞれ固有のものにする繊細な違いを再現します。このリアリティーに加え、テキストの手がかりから感情を読み取るプラットフォームの機能によって、ElevenLabs のテキスト読み上げエンジンは、動画の台本、ポッドキャスト、ニュース報道、オーディオブックなど、ほぼあらゆる音声・動画コンテンツに声を付けたいクリエイターの間で大きな支持を集めました。

ElevenLabs は、簡単に始められ、すばやく改善を重ねながら、コンテンツクリエイターや出版社向けの音声テキスト変換ツールのサブスクサービスをシームレスに拡大できるようにするため、Stripe Billing を選びました。Stripe API と SDK の使いやすさにより、チームは、この作業にエンジニアリングの工数をほとんど割かずに、複数の料金プランを迅速に構築できるという確信を持てました。また Billing の柔軟性により、同社は、本格的な音声制作スタジオや吹き替えサービスといったエンタープライズ向け製品を展開する中で、より大規模な顧客にも対応できるようサブスクリプション提供を拡大できました。

Stripe のグローバルな展開力により、ElevenLabs は世界中のサブスクライバーから即座に受け付けられるようになり、同社は Stripe 決済ソリューション 使って、グローバルな利用者向けにシンプルで効果的なサブスクリプション登録ページを設計しました。たとえば、同社は事前構築済みの Checkout フォームをページに埋め込み、追加のコーディングなしで Apple Pay、Google Pay、Revolut Pay などのデジタルウォレットや国内主要決済手段を簡単に提供できるようにしました。ElevenLabs はさらに、Stripe の高速決済ソリューションである Link も追加し、顧客が Link ネットワーク上のあらゆる場所で保存済みの決済情報を自動入力できるようにしました。Stripe 決済ソリューションのユーザーは購入率の向上というメリットを得ており、Link の簡単でスピーディーなチェックアウト体験は現在、ElevenLabs の決済の 20% を占めています。Stripe を AWS 上で運用することで、ElevenLabs は組み込みの AI ツールの支援を受け、顧客向けの購入体験のローカライズ、パーソナライズ、最適化を進めています。

AI 企業として、ElevenLabs は、Stripe の AI がサブスクライバーの利用体験に大きな影響を与える可能性を見出していました。固定的なルールに頼るのではなく、Stripe 決済ソリューションに組み込まれた AI モデルが、各決済でどの決済手段をどの順序で表示するかを動的に判断し、ElevenLabs がよりパーソナライズされたユーザー体験を提供できるよう支援しています。

Stripe の製品により、ElevenLabs は、入金の管理やアカウント登録プロセスの簡素化など、さまざまな請求や決済に関する業務も効率的に行えるようになりました。実際、ElevenLabs は Stripe との連携を完了し、さまざまな請求および決済ワークフローをわずか 1 人のエンジニアで運用しています。

ElevenLabs は高度な音声クローン技術を開発した際、プロの声優コミュニティーを支援し、自社のビジネスモデルに新たな層を加える機会を見出しました。Stripe Connect を使って、ElevenLabs はマーケットプレイスを構築し、声優が商用プロジェクト向けに自分の声を複製し、規約を設定し、ElevenLabs のユーザーがプロジェクト用にその声を選択するたびに入金を受け取れるようにしました。Connect は、国際的な入金への対応や顧客本人確認 (KYC) 要件のような規制上のハードルの管理を含め、声優のアカウント登録に対応するためのすぐに使えるケイパビリティを提供しました。たとえば、KYC ルールへの準拠は、プラットフォームにとってアカウント登録プロセス全体を通じて大きな障壁となる場合があります。Stripe の機能により、ElevenLabs は再び開発時間とリソースを節約し、それらを中核である音声 AI プロジェクトに充てることができました。

ElevenLabs は、多くの企業が自社のテキスト読み上げ文字起こしのモデルを使って AI エージェントを構築していることを確認しました。そうした企業は本番環境へ移行するまでに数ヵ月を要することが多く、同じ基盤スタックを何度も作り直していました。そこで ElevenLabs は、顧客がより迅速に本番環境へ移行でき、インフラではなくエージェントのビジネスロジック構築に集中できるよう、Conversational AI voice を作成する独自のプラットフォームを立ち上げました。Stripe のエージェントツールキット により、ElevenLabs のエージェントプラットフォームでは、エージェントがカスタマーサービスや営業のワークフローを完了できるようになりました。たとえば、ある企業の AI エージェントは Stripe アカウントにアクセスして返金を実行したり、チェックアウトリンクを送信して取引を完了したりできます。「会話型 AI エージェントにおける最大の変化は、単なる質問応答から、自律的に特定のアクションを実行する方向へ進むことです」と Harries 氏は述べています。

ElevenLabs を競合他社に先んじさせるパートナー

最初の 11 種類の音声を基盤に、ElevenLabs のプラットフォームでは現在 5,000 を超える音声が利用可能になっており、その一部は高度なマーケットプレイスによって支えられています。このプラットフォームは声優に対して 400 万ドル超を支払っており、トップクラスの収益者の中には月に 1 万ドル超を稼ぐ人もいます。

すでにユーザーはこのプラットフォーム上で 55 万を超える AI エージェントを作成しており、真に会話可能なボットやエージェント型ワークフローによって実現されるユースケースの数を考えれば、これはまだ始まりにすぎません。ElevenLabs はテキスト読み上げと吹き替えのケイパビリティにも対応言語を継続的に追加しており、現在では英語、フランス語、スペイン語から、クロアチア語やタミル語のような新規追加言語まで、33 言語をサポートしています。

Harries 氏は、音声 AI 分野の競争をフォーミュラ 1 になぞらえています。あらゆる企業が、先頭に立つ原動力となる次の技術的な進化や画期的な製品を追い求めている世界だというのです。そのため、ElevenLabs でイノベーションのペースが近いうちに鈍化することはないと同氏は見ています。また、そのイノベーションを継続していくうえで Stripe は重要なパートナーだと考えています。

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます。