支払い拒否の誤判定について: それが起きる理由と事業者にとっての防止策

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  1. はじめに
  2. 支払い拒否の誤判定とは
  3. 支払い拒否の誤判定が起きる理由
  4. 支払い拒否の誤判定を防ぐ方法
  5. Stripe が拒否の誤判定を防ぐ方法

オンライン取引量が増えるにつれ、誤って拒否される正当な購入の数も増えてきます。収益の損失のために受ける財務的な打撃に加え、これらの「支払い拒否の誤判定」によって利用者の信頼を失い、ブランドロイヤルティを低下させる可能性があります。不満を募らせた利用者はショッピングカートに商品を入れたままサイトを離れ、競争他社のサイトに向かう傾向があるからです。

事業者はバランスよく、不正防止の戦術を実装し、処理が速く直感的で便利なショッピング体験を利用者に提供する必要があります。しかしまず、支払い拒否の誤判定を減らすための戦略を実践する前に、それが生じる理由を理解しておく必要があります。

ここで、支払い拒否の誤判定とは何か、生じる理由、その原因といった支払い拒否の誤判定に関する重要な側面について振り返ります。利用者にとってのシンプルで安全な取引体験を損なうことなく、そのような誤判定を防ぐベストプラクティスについても考慮します。知っておくべきことをご紹介します。

この記事の内容

  • 支払い拒否の誤判定とは
  • 支払い拒否の誤判定が起きる理由
  • 支払い拒否の誤判定を防ぐ方法
  • Stripe が拒否の誤判定を防ぐ方法

支払い拒否の誤判定とは

支払い拒否の誤判定 (「誤検出」とも呼ばれます) は、正当な取引が銀行や決済代行業者によって誤って却下または拒否されることです。

支払い拒否の誤判定が起きる理由

不正行為の検出と防止を行うシステムやアルゴリズムが原因で、支払い拒否の誤判定が発生します。これらのシステムは利用者と金融機関の両方を守るように設計されていますが、用心し過ぎてしまったり、有効な取引を拒否してしまう不正確な情報が含まれたりすることがあります。

支払い拒否の誤判定の理由を理解することは、利用者と事業者が予防策を講じ、これらが発生しないように効果的に管理するのに役立ちます。支払い拒否の誤判定が起きてしまう一般的な理由を次に示します。

  • 通常と異なる支出パターン
    銀行やクレジットカード会社では通常、購入者の支出パターンを監視します。取引がそれまでの支出行動と一致しない場合 (いつも以上に大量に購入する、短時間に何度も取引するなど)、これらの監視システムが不正利用の可能性としてフラグを立てます。この方法で不正利用を防ぐことができますが、正当な取引にも不正利用としてフラグを立ててしまいます。

  • 技術的なエラー
    取引の処理には、複雑なシステムとネットワークが関わります。技術的なミス、ネットワークの遅延、異なるシステム間の通信エラーによって、取引が拒否されてしまうことがあります。これらは、取引に疑わしい点や通常と異なる点がなかった場合でも、発生することがあります。

  • 限度額の超過
    金融機関の多くは、不正利用による損害の可能性を低くするため、1 日当たりの限度額を設定したり、取引に関する制限を課したりします。購入者がそれらの事前に設定された制限を超えて購入しようとすると、取引が拒否されてしまう可能性があります。このような制限は不正防止の方法として役立ちますが、大量の正当な買い物をしようとする購入者にとって、不満の原因となることがあります。

  • 情報に誤りがある
    取引中、購入者の情報 (請求先住所、カードのセキュリティコード、有効期限など) を確認する必要があります。この情報と銀行に登録されている内容に不一致があると、取引は拒否されてしまう可能性があります。これは、取引を行っている人が正当なカード保有者であることを確かめる一般的なセキュリティ対策です。

  • 古い承認技術
    一部の決済代行業者が古い不正検知アルゴリズムを使用していることがあります。不正利用の手段も進化しているため、アルゴリズムもそれらを検出するように設計する必要があります。古いシステムでは、正当な買い物と不正行為の違いを見分けることができず、より多くの支払い拒否の誤判定をしてしまう可能性があります。

  • 厳格過ぎる不正検知アルゴリズム
    一部の不正検知アルゴリズムは慎重になり過ぎてしまい、不正利用パターンに少し似ている正当な取引にもフラグを立ててしまうことがあります。

  • 地理的トリガー
    購入者の家や地域から遠い地理的な場所や、一般に不正行為を連想させる地域から取引が行われると、疑わしい取引と見なされることがあります。たとえば、あまり海外旅行をしない、あるいはまったくしたことのないアメリカ在住の人物が突然異なる国で買い物をすると、セキュリティフラグがトリガーされることがあります。

  • 有効期限切れクレジットカードまたは口座
    有効期限切れクレジットカードまたは閉鎖された口座を使用することも、取引が拒否される原因となります。購入者がカードの有効期限が切れていること、または口座状況が変更されたことに気付いていないことがあり、それが原因で正当な買い物をしようとしているのに、拒否されてしまうことがあります。

大きな買い物や外国での買い物をする前に銀行に通知しておくことなど、購入者が支払い拒否の誤判定を回避するために行えることがあります。事業者は高度な適応型の不正検知アルゴリズムを使用している決済代行業者と提携することで、支払い拒否の誤判定の発生件数を減らすことができます。以下では、正当な取引を妨げるのを最低限に抑えつつ、感度の高い不正検知システムを事業者が設計する方法について詳しく説明します。

支払い拒否の誤判定を防ぐ方法

支払い拒否の誤判定の発生を減らすには、不正防止とスムーズな顧客体験との間でバランスを取る必要があります。以下では、事業者が支払い拒否の誤判定を減らすために採用できる戦略と戦術について説明します。

  • 高度な不正検知ツールを使用する
    機械学習と AI を使った最新式の不正検知システムを有効にします。これらのシステムでは、膨大な量のデータをリアルタイムで分析することができ、不要な支払い拒否の誤判定を引き起こすことなく、正当な取引と不正取引を見事に区別します。

  • 不正検知設定をカスタマイズする
    多くの決済代行業者は、事業者が不正検知ツールの設定をカスタマイズできるようにしています。これらの設定を緩和することによって、または事業者の顧客基盤や取引パターンをもっと反映させることによって、事業者は支払い拒否の誤判定を減らすことができます。

  • 多要素認証 (MFA) を実装する
    事業者は無条件で取引を拒否する代わりに、疑わしいとフラグが立てられた取引に対して追加の確認を要求することができます。たとえば、1 回限りのパスワードを購入者の登録されている携帯番号やメールアドレスに送信することで、取引が即座に拒否されることなく、セキュリティレベルを高めることができます。

  • 顧客データを定期的に更新する
    住所や電話番号といった顧客データを最新の状態に保ちます。そうすることで、取引中に確認に使用される情報が現時点のものとなり、情報の不一致によって拒否される可能性を減らせます。

  • アカウント制限について利用者に知らせる
    1 日当たりの限度額やアカウントに課されている何らかの制限について利用者に通知し、必要に応じてそれらの制限を変更する方法について知らせます。そうすることで、正当な取引が事前に設定された制限を超えたために拒否されることを回避できます。

  • 信頼できる利用者の許可リストを作成する
    正当な取引の履歴を持つリピート客がいる場合、それらの利用者を許可リストに追加します。つまり、それらの利用者が行う取引は少し緩やかなチェックが実施されるようにし、支払い拒否の誤判定が起こる可能性を低めます。

  • データを分析する
    取引データを分析することで、パターンや傾向を見極めることができ、どういった取引が支払い拒否の誤判定と見なされるか理解できます。これらの情報は、不正検知システムを微調整するために使用できます。

  • 利用者のフィードバックを求める
    利用者が支払い拒否の誤判定を経験した場合に、フィードバックを提供するように依頼します。このフィードバックは、支払い拒否の誤判定が生じる理由を理解し、不正検知システムに必要な調整を加えるうえで大きな助けになります。

  • 拒否された取引の監視と見直しを行う
    支払い拒否の誤判定の中にあるパターンや共通点を見つけるために、拒否された取引を定期的に見直します。これは、不正利用の検出手段を適宜調整するのに役立ちます。

これらの戦術すべてにとって、適切な決済処理プロバイダーを選ぶことは重要です。決済代行業者が支払い拒否の誤判定を扱う方法によって、それらのプロセスが楽にも面倒にもなります。

Stripe が拒否の誤判定を防ぐ方法

不正利用を検出と防止に向けた Stripe の考え抜かれたアプローチは、機械学習とデータ分析を組み合わせた方法で、支払い拒否の誤判定の数を減らします。支払い拒否の誤判定を最大限抑制する Stripe の決済システムがどのように設計されているかを以下に示します。

  • 大規模なデータセット
    毎年、Stripe は数十億ドルもの取引を処理しています。そのため、機械学習のアルゴリズムがパターンや傾向をより効率的に識別するために使用できる膨大なデータセットが生み出されています。Stripe のアルゴリズムでは、これらのデータを分析して、通常の取引と不正利用の見分け方を改善しています。

  • リアルタイムの学習と適応
    Stripe の機械学習モデルは、リアルタイムで学習させることができます。取引を処理しながら、結果を継続的に分析し、それに応じて適応します。このようにリアルタイムで適応することによって、正当な取引の承認率を損なうことなく、モデルを最新の状態に保ち、最新の不正利用パターンに対応することができます。

  • 多様な事業者に対応するカスタマイズ
    Stripe では、多種多様な企業が存在しており、企業によっては特定の取引を通常のものとも、そうではないものとも認識できることを理解しています。そのため、Stripe の機械学習モデルでは、個々の事業者の特定の取引パターンに適応します。このカスタマイズによって、業界固有の基準に従うことによって、正当な取引を誤って不正利用としてフラグを立ててしまう可能性を減らせます。

  • リスクスコアリング
    Stripe は、取引が不正利用である確率を示すリスクスコアを各取引に付けます。事業者は、取引を自動的に拒否する場合や、手動レビューのためにフラグを立てる場合の独自のしきい値を設定するために、これらのリスクスコアを利用できます。このスコアにより、不正防止の管理を行う際に、より細かく制御し、より柔軟に対応することができます。

  • Stripe Radar
    Stripe Radar では、機械学習を活用し、不正利用について取引を評価します。Radar では、各取引に関して数百ものシグナルが考慮され、不正利用を検出し、防止するために Stripe ネットワーク全体から寄せられるデータが使用されます。一方で、移り変わる不正利用のパターンにも自動で適応していきます。事業者はカスタムルールを設定して、独自の要件に合わせることもできます。

  • 認証ツール
    Stripe は、カード支払いの認証レイヤーを追加する認証ツールである 3D セキュアをサポートしています。取引に潜在的な危険があるとフラグが立てられたとしても、購入者は追加の本人確認を行うことによって、購入を完了することができます。これにより、支払い拒否の誤判定の可能性を低くすることができます。

これらの要素を不正利用の検出と防止の手段に組み込むことによって、Stripe では不正取引に対して強力な防御を維持しつつ、支払い拒否の誤判定の数を減らしています。詳細を確認し、Stripe の利用を開始するには、こちらからお問い合わせください。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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