Stripe、決済コンバージョン率を向上させるための Delegated Authentication の提供をヨーロッパで開始
Delegated Authentication 機能を使用すると、購入者が銀行取引アプリにリダイレクトされたり、ワンタイムパスコードを入力したりすることなく、SCA に準拠した取引が可能になります。
Wise はカード発行会社として初めて、Stripe の Delegated Authentication を導入しました。
TikTok、Nando's、Deliveroo などの Stripe ユーザーは、Delegated Authentication を使用することで、Wise カードでの決済コンバージョン率が急上昇しました。
ダブリン — 企業向け金融インフラストラクチャープラットフォームの Stripe は本日、ヨーロッパ地域において、決済コンバージョン率を向上させる Delegated Authentication 機能の提供を開始したことを発表しました。Stripe を利用する企業は、決済フロー内で顧客に購入を認証してもらうことができます。
Wise は、この機能を実装した初のカード発行会社です。そのため、カード保有者は、Stripe を利用する数百万の企業からの商品の購入を認証する際に、Wise のアプリにリダイレクトされずに済みます。カード保有者は決済フローから一度も離れることなく、使用中のデバイスでサポートされている生体認証方法を使えるようになります。
Wise の顧客がこの新しいテクノロジーのメリットを最初に活かせることになるので、大変嬉しく思っています。このテクノロジーのおかげで、持ち帰りの注文であろうと、TikTok でのショッピングであろうと、オンライン購入がずっと簡単になります。Stripe と協力してこの複雑な問題を共に解決できることを、誇りに思っています。」( Erik Kaju 氏、Wise のプラットフォーム・支出担当ディレクター)
SCA に伴う操作の負担が原因で決済の失敗が多発
強力な顧客認証 (SCA) は、不正支払いを減らすために今年から本格的に施行された EU の規制です。カード発行会社は、購入者が本人であることを証明するために、2 段階認証を使用しなければならなくなりました。不正使用が発生した場合、その責任を負うのはカード発行会社側であり、企業側ではありません。
SCA によって不正使用は減少しましたが、正当な経済活動も減少させています。Visa は、SCA に準拠した取引の場合、購入者が決済時に別々のアプリ間を行き来する必要があるため、コンバージョン率が 11% 低下したと推定しています。
Delegated Authentication の導入で決済コンバージョンが増加
Delegated Authentication 機能では、生体認証を加盟店の決済フローに組み込むことで、取引に対する認証責任をカード発行会社から Stripe に移すことができます。バックエンドでは、Stripe により、購入者の環境設定とデバイスの機能に応じて、2 段階認証の方法が動的に調整されます。たとえば、iPhone のユーザーは、Face ID を使った認証を選択できることになります。
そのため、購入者は購入手続きの途中で決済フローページとは別のサイトに移動されることがなくなると同時に、加盟店はオンラインでの不正決済から引き続き保護されます。
「1 ポンドであろうと、1 ユーロであろうと重要なことに変わりはなく、Stripe はユーザーの利益の最大化に特に力を注いでいます。Delegated Authentication 機能は、Stripe を利用する加盟店の決済コンバージョン率を向上させる強力な手段です。これにより、加盟店は何か特別な対応をせずとも、獲得できる売上を増やすことができます。このため、SCA が適用される取引全体で、毎年数十億ドルを確保できる可能性があるのです。」 (Matt Henderson、Stripe ヨーロッパ・中東・アフリカ担当ビジネスリード)
TikTok、Nando's、Deliveroo などの企業は、Wise カード保有者の購入の際にすでに Stripe の Delegated Authentication を利用しています。SCA 関連決済では、決済コンバージョン率が 7% 上昇し、さらには、購入者が銀行取引アプリにリダイレクトされたり、ワンタイムパスコードを送信されたりする場合と比較して、認証プロセスを 4 倍速く完了できるようになりました。
Stripe の Delegated Authentication の詳細は、こちらをご覧ください。