企業にステーブルコイン戦略が必要な理由: Stripe のデータから判明した新たなインサイト

  1. はじめに
  2. ステーブルコインは、地域やセクターに関係なく、グローバルビジネスの成長を牽引
  3. ステーブルコインの使用により、新たな種類のグローバル対応製品を構築
  4. 次のステップ

テクノロジーに関するニュースをフォローしていると、ステーブルコインという、インターネットに接続している人なら誰でも同じように、より速く、より安く、世界に資金を移動させる斬新な方法について耳にしたことがあるでしょう。ステーブルコインの使用は発展途上国で爆発的に増加しており、サハラ砂漠以南のアフリカの取引額の 43% を占め、最先端の AI 企業が標準的な決済オプションとして提供し始めています。

しかし、これは本当に顧客と自社のビジネスに適しているのか、という疑問を払拭できないでいる企業がほとんどです。Stripe は、世界における 1 兆ドルの取引額を調べて、現在、ステーブルコインが実際にはどのように使用されているかに関するデータを幅広く得ることができます。ステーブルコイン決済は、企業の顧客基盤と収入の拡大に有益であること、また、企業がステーブルコインのインフラストラクチャーで苦労なく世界に展開する新製品を構築していることがわかりました。

ステーブルコインの能力は現実のものです。ここでは、Stripe の全ネットワークで観察された展開、また、企業がこれらのトレンドをどのように解釈してステーブルコイン主導の成長戦略を策定できるかについて、そのあらましをご紹介します。

ステーブルコインの概要

USDC などのステーブルコインは、アメリカドルやユーロなどの安定した法定通貨との兌換が可能で、それと交換可能な価値を持つ仮想通貨の一種です。価格変動がなく、仮想通貨のスピード、取引コストの低さ、グローバルな可用性があることから、世界的な資金移動に理想的です。

ステーブルコインは、地域やセクターに関係なく、グローバルビジネスの成長を牽引

Stripe は現在、Stripe 決済ソリューション内の決済オプションとしてステーブルコインに対応しています。これにより、企業はステーブルコインを有効にして 100 を超える国からの決済を処理することができます。ステーブルコインを検討している企業から最もよく耳にする懸念、すなわち、使用する顧客がいないのではないか、ニッチなユースケースにしか使えないのでないかといった懸念を払拭するパターンがデータからわかってきました。

1. ステーブルコインによる決済の拡大が加速していることは、顧客の強い欲求を暗示するものです
2025 年 1 月以降、Stripe におけるステーブルコインの取引額は着実に前月比で 30% の成長を見せています。これは、ステーブルコインの取引が、2024 年の 1 年間における Stripe 全体の取引の増加のほぼ 38% 匹敵する増加を毎月遂げていることに相当します。この増加は、顧客 (多くは従来の銀行との取引にアクセスできない顧客や、国際的な小売業者がサポートしていない手段で支払う人々) が、ステーブルコインでの支払いを強く望んでいることを示唆しています。

2.ステーブルコイン決済によって新たな客層を開拓できます
既存の顧客はこれからもお気に入りの決済手段の使用を続けるだろうと考えることは間違いではありません。しかし、Stripe の取引データは、ステーブルコインによる決済に対応することで新たな顧客を引き寄せられることを示しています。Stripe を利用する企業全体で、ステーブルコインで支払う顧客は、他の手段で支払う顧客よりもまったくの新規顧客である確率がほぼ 2 倍高くなっています。このデータは、多くの企業に、その製品を欲しがっているが、ステーブルコインでの決済が可能になるまで手を出さない潜在顧客が存在することを示唆しています。

3. 世界中のあらゆるタイプの事業者が、ステーブルコインを使用して越境資金移動を簡素化しています
確かに、ステーブルコインへの対応を早期に開始した最も著名な企業は、為替変動が大きいなどの市場で事業を行っているか、仮想通貨での支払いを強く望む技術に対する意識が高い顧客に販売しているなど、非常に特殊なユースケースや顧客にサービスを提供しています。しかし、Stripe の調査によると、ビジネスのタイプや地域にかかわりなく、月間越境取引額が 100 万ドルを超える企業は、他の企業よりもステーブルコインを使用する確率が 92% 高いことがわかりました。これは、ステーブルコインの使用が、より主流のビジネスの間で静かに拡大しており、越境資金移動のコストと手間を減らしたいという動機に後押しされていることを示唆しています。

ステーブルコインの使用により、新たな種類のグローバル対応製品を構築

ステーブルコインの潜在的な影響は、売買にとどまりません。Stripe が 2025 年初頭にステーブルコインのオーケストレーションプラットフォームであるBridge を買収したときに、Bridge の API を使用して企業がすでに構築している多様なユースケースに衝撃を受けました。それ以来、このような行動は増加の一途をたどっています。Stripeと Bridge を通じてステーブルコインを使用して、誰もがグローバル経済に参加できるボーダーレスな金融ソリューションを構築している企業がますます増えています。

1. 世界のどこからでもドルの利用が可能
Dakotaは、ステーブルコインのインフラストラクチャーを基盤にして金融サービスプラットフォームを構築し、高額な手数料なしで世界中の顧客がドル建ての資金を保管し、即座にお金を移動できるようにしました。Bridge を使用して、自社財源に裏打ちされたステーブルコインを立ち上げ、顧客残高を保管し報酬を獲得しています。

2. ステーブルコインの裏付によるカードの発行
コーポレートカードと経費管理を提供する財務管理プラットフォームである Ramp は、Stripe Issuing と Bridge のステーブルコインインフラストラクチャーを組み合わせ、クレジットカード発行ビジネスをまもなく世界に展開する予定です。Ramp は、越境の発行費用や手間を必要とすることなく、現地通貨で現地のカードとして現地企業にカードを発行できます。

3. ボーダーレスの請負業者の決済
グローバルな人事管理プラットフォームである Remote は、企業から 68 カ国に広がる請負業者への支払いを直接ステーブルコインで決済できるようにサポートしています。これにより Remote のクライアント企業は、アクセスできる人材プールを拡大することができます。また、雇用される請負業者は、インフレのない通貨で安定した支払いを敏速に受けることができます。

次のステップ

自社でステーブルコイン戦略を立てる際には、以下のリソースをご確認ください。

  • Stripe、Bridge、Ramp、Ripple、Airtm による世界標準のステーブルコインを地域経済と連携させる方法とユースケースに関するディスカッションで、リーダーたちの意見をご覧ください
  • Bridge のステーブルコインインフラストラクチャーによるグローバルな製品開発に関する詳細をご覧ください
  • 101 カ国の起業家および企業がドル建てのステーブルコイン残高を保管し、仮想通貨と従来の手段の両方の取引に対応できるプロダクト、ステーブルコイン対応口座の詳細をご覧ください

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