課題

この数年で、多くの個人や企業が Zoom が提供する信頼性の高いビデオ会議テクノロジーを利用するようになりました。しかし、世界規模での急成長には大きな課題も伴います。その課題の 1 つが、国際的な事業拡大に対応できる、より強固な決済システムの導入でした。

Zoom は急速な成長を維持しながら、増加する世界中の顧客にサービスを提供するために、さらに多くの決済オプションに対応したいと考えていました。

同社のデジタル決済担当プロダクトマネージャーである Deepti Padiyar 氏は、「国際市場での展開拡大に引き続き注力するうえで、現地市場に関する専門知識があり、現地顧客が希望する決済手段を利用できるようサポートしてくれるパートナーを求めていました」と話し、「すでにサービス提供をしている市場での成長に加えて、新市場への進出を実現するには、地域に合わせた決済手段への対応も必要でした」と当時の課題を説明します。

顧客との関係維持と継続的な製品改善に注力する Zoom では、以下の要望を叶えてくれる決済プロバイダーを探していました。

• 既存のビジネスプラットフォームと簡単に連携できる
  
• 国際的な事業拡大に合わせた新たな決済手段を導入できる
  
• 顧客の意図しない解約を減らせる
  

ソリューション

Zoom と Stripe の連携は Payment Element をベースに構築されました。Stripe の機能豊富な UI コンポーネントを使用することで、コンバージョン率を高める安全な決済体験を提供しています。Stripe Payments の使用により、簡単に新たな決済方法を追加できるほか、Adaptive Acceptance のような高度な機能を利用して支払い成功率を向上させています。

一方で、Sigma を活用してデータに基づくインサイトと自動生成されたレポートを入手し、事業成長を把握したり、決済インフラを改善したりする際に役立てています。また、グローバルな規模で請求書や支払いのデータを照合するうえでも、Sigma は重要な役割を果たしています。さらに、新規および既存の市場で安全かつ確実に事業成長を続けられるよう、機械学習による Radar の高レベルな不正防止機能を利用しています。

「Stripe を Zoom の決済エコシステムの中核に据えたことで、長期的にだけでなく、日常的にも顧客のニーズに合ったスピーディーで最先端のソリューションを提供できるようになりました」(Alex Doroftei 氏、Zoom のグローバル決済および不正使用責任者)

結果

世界各地の豊富な決済手段の導入を、Payment Element がサポート

Payment Element を利用することで、Zoom は自社のプラットフォームに新たな決済手段を効率的に導入し、地域やグローバル市場でこれまでよりも短期間に事業を拡大できるようになりました。Stripe サポートチームの協力のもと、各決済手段を素早く把握、追加、実装でき、必要に応じて毎月 1 つずつ新たな決済手段を展開することも可能です。

「Zoom が各市場に参入し、直接サポートできない国々で決済手段を提供するうえで、Payment Element は不可欠な存在です」(Deepti Padiyar 氏)

新たな決済手段でグローバルな収入源が拡大

顧客にとって最適な支払い方法を提供することは、売上高の最大化にもつながります。同社では先日、受付可能な決済手段に銀行振込を追加しました。日本の顧客は Zoom のプラットフォームから直接、銀行振込で支払いができるようになりました。さらに、サブスクリプションの決済プロセスをより効率化する方法として、銀行振込による継続支払いを設定することもできます。

また、同社ではヨーロッパ 6 カ国で Sofort の提供を開始しました。Sofort は特にドイツとオーストリアでの利用が多く、現在のグローバルウォレットソリューションに取って代わりつつあります。同様に、オランダでは iDEAL による銀行振込が広く利用され、提供開始以降以降、国際クレジットカードによる取引の 20% に取って代わりました。同社はより高額な取引と導入率の増加を実現しつつ、クレジットカードの紛失や期限切れによる意図しない解約を減らしています。

「Zoom の目標は人と人とのつながりを無限に広げる 1 つのプラットフォームを提供することです。当社が新しい製品を提供し、ビジネスを飛躍的に拡大できるよう、Stripe はサポートしてくれます」(Deepti Padiyar 氏)

Sigma の使用で強力な KPI のデータが向上

Zoom は Stripe のデータサービス Sigma を戦略的に活用することで、レポートを自動化し、適切な KPI を評価し、決済額を維持しています。Sigma が提供する収益認識、照会、レポートのための重要な情報を活用することで、問題点を解決し、スムーズな決済体験を顧客に提供しています。