課題

モリサワは、日本で No.1 シェアを誇るデジタルフォントメーカーです。2005 年以来、フォントライセンス製品「MORISAWA PASSPORT」を提供しており、2022 年には、新たなクラウド型のフォントサブスクリプションサービスとして「Morisawa Fonts」をリリースしました。このサービスでは、1,500 種類以上の書体を 1 アカウントにつき PC 2 台までで使うことができ、自動継続もウェブ上の手続きで簡単に実行できます。

「テレワークの浸透などによりフォントサービスも変化が求められるようになりました。管理や契約手続きをオンラインで完結できることや、デバイスにとらわれないライセンスで、利用場所を選ばないワークスタイルを実現するために、クラウド型での提供を始めました」(モリサワ システム開発部門 シニアマネージャー 小室貴史氏)

Morisawa Fonts のサービスを実現するために、モリサワは社内組織を変革し、開発を進めやすい環境を形成するところから着手しました。

「ウォーターフォール型の委託開発ではこの先、チャレンジングな取り組みをしていくことが困難です。そこで SaaS を極力活用し、スピード感をもって開発を進めていける体制を築きました。迅速に導入可能な決済プラットフォームとして Stripe にも初期から注目しており、ぜひ利用したいと社内で掛け合って、採用に至りました」(小室氏)

ソリューション

これまでの開発体験で感じていた課題から、自社の決済ニーズに素早く対応できるソリューションを求めていたモリサワは、信頼できる決済できるソリューションとして Stripe を選ぶことを決めました。

「国内の決済会社の場合、モジュールが物理媒体での納品で、届くまで 2 週間かかることもありました。これではスピーディーな開発は不可能です。さらに、海外法人を設立した際の決済サービスも、ドキュメントが英語だけだったり、現地に行かなければ開発ができなかったりと、多くの苦労がありました。Stripe のソリューションは何もかもが開発者フレンドリーなので、開発のリードタイムには圧倒的な差がありました」(小室氏)

モリサワのフォントは多くの場合、法人が利用しています。銀行振込を始め、さまざまな決済手段に対応できるようにする必要がありますが、Stripe を利用することで、決済ソリューションを本番環境に移行する前から銀行振込の機能を実装でき、顧客が求める決済手段を最初から提供することができたのです。

結果

Stripe Billing によって、Morisawa Fonts のサブスクリプション管理が簡単になり、クーポン割引や数量割引といったさまざまな価格設定を、ノーコードで実装することが可能です。また、Stripe Elements を使って、決済フローのページをカスタマイズできます。クレジットカード情報を Stripe に保存できるため、モリサワが機密情報の管理に頭を悩ませることはなくなりました。そして、Stripe を利用した決済システムで、24 時間 365日、システムが停止することなく決済機能を利用することができています。

モリサワにはアメリカや台湾、韓国に現地法人があり、米ドルをはじめとした現地通貨での決済や国際ブランドのクレジットカードに Stripe が対応していることも、今後のグローバル展開を見据えると大きなメリットでした。

「将来的に Morisawa Fonts のグローバル化を検討する際も、Stripe は重要な選択肢となるでしょう」(小室氏)

開発リードタイムが短縮され、モリサワは顧客体験の改善に集中できるようになりました。そして Stripe 導入後は、経理部門の負担が軽減されています。詳細なレポートを得ることができ、すべての顧客取引を把握できるようになりました。

「いくら売れていて、いつ入金されるのか、従来は手作業で消し込みをしていましたが、Stripe はそれを自動化してくれました。イレギュラーケースにも素早く対応できるようになり、さらに、詳細なレポートも財務管理を助けてくれています」(モリサワ システム開発部門 開発サービス部 開発サービス１課 エキスパート 山田大輔氏)