CrowdFarming: Stripe を利用して農家への支払い時間を 89% 短縮

CrowdFarming は、農家が消費者に直接販売するのを支援するプラットフォームであり、より持続可能なサプライチェーンを作り出しています。ヨーロッパ全土の消費者が CrowdFarming を利用して、季節の有機生産物を産地から直接購入し、食品の輸送と保管による環境への影響を減らし、食品廃棄物を減らしています。CrowdFarming はこれを「win-win-winner」経済モデルと呼び、農家、消費者、環境にとってよいモデルとしています。

使用製品

    Connect
    Billing
    Payments
    Radar
ヨーロッパ
スタートアップ

課題

2009 年に Gonzalo Úrculo 氏は家族が放棄した農場に戻り、農家としてのキャリアを始めようと決意しました。この新しいビジネスをオンライン化するチャンスだと捉え、兄弟の Gabriel 氏と共に、この農場の生産物を直接購入できるオンラインストア Naranjas del Carmen を開設しました。それからまもなくして、他の農家からビジネスをデジタル化する手助けをしてほしいと頼まれるようになり、このデジタル化の取り組みが発展して最終的に CrowdFarming へと進化しました。CrowdFarming は非効率なサプライチェーンの問題を農家を中心として解決する仕組みです。消費者は栽培者から直接、有機栽培の農作物を購入することができます (樹木との「養子縁組」も可能です)。

従来のフードサプライチェーンモデルには、スーパーマーケットなどさまざまな仲介業者が関わるため、通常は農家が農作物の代金を受け取るまでに最大 120 日ほどかかります。代金が支払われる前に、農地の耕作と収穫にかかる 1 年分の費用を調達する必要がありました。農家が代金を早期に受け取れるように、CrowdFarming は資金を簡単に管理できる方法を求めていました。

さらに、同社はスペインに強く根ざしていたため、新しい決済オプションに対応して国際市場にもスピーディーに進出したいとも考えていました。Úrculo 兄弟はまず、Naranjas del Carmen の決済プラットフォームとして Stripe を選びました。そして、事業拡大の可能性が見えてきた頃に、Stripe をCrowdFarming の決済の基盤として再び採用したのです。

解決策

CrowdFarming はデジタルテクノロジーに精通している農家が設立した会社であるため、すべてをゼロから構築しなくても、既存のテクノロジーの恩恵を受けられる部分があることを知っていました。CrowdFarming の CEO 兼共同創業者である Gonzalo Úrculo 氏は次のように述べています。「当社はデジタル製品を扱う会社であるため、全部を自社で開発する必要はないこと知っていました。金融関連の法令遵守対応や、農家と消費者に必要なツールを提供することは Stripe にお任せできたので、私たちは購入者向けのプラットフォームを改善することに集中できました」

消費者向け青果販売市場において CrowdFarming の最大の競合会社は従来の食料品店ですが、そのようなテクノロジー中心のアプローチは会社の重要な差別化要因にもなりました。Úrculo 氏は次のように述べています。「大企業でないと顧客を獲得するのは難しいものです。そこで、スーパーマーケットのサイトよりも効果的なウェブサイトを作りたいと思いました。すっきりとした UX で多様な決済オプションと通貨に対応できれば、幅広いオーディエンスを引きつけることができます」

Stripe Payments を導入したことで、CrowdFarming は PayPalSEPA (単一ユーロ決済圏) など、対応する通貨と決済手段を簡単に拡大でき、消費者に柔軟な選択肢を提供できるようになりました。会社も新市場にリーチしやすくなりました。

それと同時に Stripe Connect も組み合わせ、農家が世界各国の購入者から決済を受け付けることができるようにしました。さらに、Stripe Connect Express を契約して Stripe が農家への入金を直接管理するようにしたため、決済は Stripe に任せて、CrowdFarming は事業に集中できました。Úrculo 氏は次のように述べています。「イギリスの消費者がスペインの農家から英ポンドで購入する場合は、Stripe がインターチェンジを処理してくれます。決済はすぐにユーロに切り替えられるので、農家にも簡単です。農家の売上を当社が扱う必要がないため、金融関連のさまざまな法令を一貫して遵守できます」

新たな決済システムの基盤が整ってから、CrowdFarming は今後も農家に新たな販売オプションを提供していきたいと考え、Stripe Billing を採用して、定期配達に関心がある消費者に農家が月額サブスクリプションを提供できるようにしました。農産物を注文する方法をプラットフォームに追加していったことで、CrowdFarming は農家にも消費者にも幅広い選択肢と柔軟性を提供できるようになりました。

結果

300 戸を超える農家で入金までの期間が 89% 短縮

CrowdFarming が登場したことで、数百戸の農家が消費者に直接販売し、14 日で売上を受け取れるようになりました。従来のサプライチェーンの決済プロセスと比べると 89% もの短縮です。農家は Stripe Connect アカウントを使用して入金を管理できます。他のサードパーティを利用する必要はなく、売上がアカウントに直接送金されます。

消費者と直接やり取りできるため、南欧で干ばつが発生して収穫高が最大 70% 減少したときも、農家は事業を破綻させずに継続できました。このように収穫高の減少があったにもかかわらず、CrowdFarming は影響を受けた農家がなんとか育てた農作物を、消費者にリーチして効果的に販売できるように支援したため、事業が 25% も成長しました。

決済オプションを拡大したことで顧客獲得コストを平均 8% 削減

CrowdFarming のドイツ市場に PayPal や SEPA などの決済手段を導入して以来、同社は顧客獲得コストを 8% 削減できました。また、スウェーデンでも、Klarna を導入してから顧客獲得コストが 5% 削減されました。同社はこのような変更と Stripe Payments が提供する手厚いカスタマーサポートとの相乗効果だと考えています。

Úrculo 氏は次のように述べています。「購入者が誤ったカード番号や有効期限切れのカード番号を入力した場合は Stripe から直接メッセージが届き、そのメッセージには問題を解決するために行うべき手順が具体的に書かれています。メッセージはユーザーに合わせて自動翻訳されるため、ユーザー体験がスムーズで、当社のウェブサイトの信頼感がいっそう高まります」

3 カ月足らずで定期購入サービスの提供を開始

Stripe Billing を導入したことで、CrowdFarming は農家と消費者に Discovery Fruit Box という定期購入サービスを提供できるようになりました。このサービスでは、消費者が毎月、ヨーロッパ全域のフルーツを詰め合わせたボックスを注文できます。Úrculo 氏は次のように述べています。「Discovery Fruit Box のアイデアが浮かんだのは 5 月で、それから 3 カ月足らずで立ち上げることができました。Billing のおかげで継続支払いをとても簡単に設定できたので、すぐに実現できました」

このような定期購入で農家は有機栽培の農作物の D2C 販売をヨーロッパ全域に効果的に拡大できるようになりました。しかし、そこで終わりではありません。CrowdFarming はヨーロッパの各国で事業拡大を続け、さらにはアメリカにも進出して、世界中の農家を支援し続けていく計画を立てています。

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます