日本での 3D セキュア普及率と今後の動向について解説

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  1. はじめに
  2. 日本での 3D セキュアの普及率
  3. EC サイトへの 3D セキュア 2.0 の導入が義務化
  4. 日本で 3D セキュアの普及が進まない原因
    1. 3D セキュア 2.0 にかかるコスト負担
    2. リスク判定のカスタマイズができない
    3. 不正のすり抜けが発生するおそれ
    4. カゴ落ちが発生するリスク
  5. 3D セキュアの普及率は今後さらに向上する

近年、実店舗での買い物だけでなく EC サイトを利用する人が増えています。特に、2020 年 (令和 2 年) に始まったコロナ禍では、それまで EC サイトをほとんど利用することがなかった消費者についてもオンラインで買い物をするようになり、EC サイトの需要が急増しました。日本国内においてもその勢いは留まるところを知らず、現在数多くの EC サイトが存在する中、これらのサイトを利用することは、より一般的な購入手段となっています。

しかし、EC サイト市場が急速な拡大傾向にあると同時に、クレジットカードの不正利用被害も年々増加しています。中でも、非対面でクレジットカード決済が行われる EC サイトについては、安全性が問題視されるケースがあるため、セキュリティの強化と不正利用被害の防止は、非常に重要な課題です。そんな中で注目されているのが、日本政府による 3D セキュア認証導入の義務化です。

本記事では、日本における 3D セキュア認証の普及率の現状や普及が進まない原因について、経済産業省が発表した 3D セキュア 2.0 の義務化の背景も交えながら解説します。

目次

  • 日本での 3D セキュアの普及率
  • EC サイトへの 3D セキュア 2.0 の導入が義務化
  • 日本で 3D セキュアの普及が進まない原因
  • 3D セキュアの普及率は今後さらに向上する

日本での 3D セキュアの普及率

経済産業省『クレジットカード番号等不正利用対策の強化 (P29)』によると、EU 圏内では現在、ほぼすべての EC 加盟店で 3D セキュア 2.0 が導入されてることがわかります。しかし、日本では EU 圏内に比べると普及が遅れているのが現状です。

3D セキュアの普及率については、現在のところ、確実なデータが公開されていないため詳細は不明ですが、3D セキュア認証に対応済みの EC サイトを実際に目にしたことがない消費者も多く、なかなか普及がスムーズに進んでいない状況であることがうかがえます。

EC サイトへの 3D セキュア 2.0 の導入が義務化

非対面のクレジットカード決済による不正利用が年々急増し、安全対策の重要性が高まりつつある中、経済産業省は、すべての EC 加盟店に対し 3D セキュア 2.0 の導入を義務化することを発表しました。導入の期限については 2025 年 (令和 7 年) 3 月末を目処としており、クレジットカード決済に関わる事業者を対象に、早急な 3D セキュアの導入が求められます。

この義務化に伴い、すべての EC サイトに 3D セキュアが導入されることで、今後の不正利用の発生を最小限に抑えられることが期待されています。

日本で 3D セキュアの普及が進まない原因

3D セキュアがなかなか普及しない原因には、以下のような事業者側が抱く懸念点が挙げられます。

3D セキュア 2.0 にかかるコスト負担

3D セキュア 2.0 は、場合によって有償でのサービス提供となるため、事業者側が負担しなければならない各種料金などの負担が懸念されます。たとえば、導入時の初期費用や月額利用料金は無料な場合でも、決済処理ごとに一定の手数料が発生する可能性があります。

リスク判定のカスタマイズができない

3D セキュア 2.0 は、クレジットカード番号や有効期限だけでなく、利用者の端末情報やアクセス地域など、さまざまな情報から不正利用のリスクを検証します (リスクベース認証)。また、検証結果としてリスク度が高い場合のみ、ワンタイムパスワードなどの追加認証を行う仕組みとなっています 。

すなわち、各事業者側で商品単価や商材を考慮したうえでリスク判定の詳細を自由に変更できるというわけではないため、場合によって、カード名義人本人による正規の取引であったとしても、何かしらの事情で本人認証の実行を毎回求められるケースが発生する可能性があります。

不正のすり抜けが発生するおそれ

3D セキュアは、すべての不正利用を見抜けられるものではありません。不正手口は年々巧妙化しているため、3D セキュア 2.0 のリスクベース認証を通過してしまう場合があるのです。したがって、たとえ従来の 3D セキュア 1.0 から改善された 3D セキュア 2.0 でも、すり抜けが発生するリスクがあることを理解しておきましょう。

カゴ落ちが発生するリスク

オンラインショッピングを楽しみたい、欲しい商品を手軽に購入したいと考える EC サイトの利用者側としては、決済時に見慣れない 3D セキュアの本人認証を手間に感じたり、3D セキュア認証に失敗したことで購入を諦めてしまうことがあります。こうした 3D セキュアによるカゴ落ちを懸念する事業者も多く、なかなか導入に踏み出せないという状況にあります。

3D セキュアの普及率は今後さらに向上する

3D セキュア 2.0の義務化が発表されて以来、日本国内でも少しずつ 3D セキュアが導入され始めています。すべての EC 加盟店はこの義務化に応じる必要があるため、導入期限の 2025 年 3 月末には、普及率はさらに向上していると予想されています。

しかし、普及率は着実に向上してはいるものの、まだまだすべての EC サイトでの導入が完了しているわけではありません。そのため、今後さらなる普及に向けた各社での積極的な対応が求められます。また、顧客に安心してクレジットカードでの買い物を楽しんでもらうためには、3D セキュア 2.0 をはじめ、自社で独自のルールを設定できる不正検知システムなどの適切なセキュリティ対策を講じ、利便性と安全性を兼ね備えた決済環境を構築することも大切です。

Stripe では 3D セキュアの義務化にあたって、導入期限に準じた段階的な対応を進めており、データ暗号化 (SSL/TLS 技術) による不正アクセス防止など、徹底した個人情報・取引データのセキュリティ対策を実施しています。

また、これから EC サイトの立ち上げおよび決済システムの導入を検討中の方は、EC サイトの決済ニーズに幅広く対応可能な Stripe Payments によって、独自にシステム開発を行うことなく事業スタイルに合った決済環境を整えることができます。このように Stripe は、決済手段の導入をはじめとする、情報処理や収益管理など、決済業務の効率化を実現させることができる機能を各種ご用意しています。

この記事の内容は、一般的な情報および教育のみを目的としており、法律上または税務上のアドバイスとして解釈されるべきではありません。Stripe は、記事内の情報の正確性、完全性、妥当性、または最新性を保証または請け合うものではありません。特定の状況については、管轄区域で活動する資格のある有能な弁護士または会計士に助言を求める必要があります。

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