WordPress.com は、インターネットで Web サイト、ブログ、ビジネスを簡単に構築できるようにするパブリッシングプラットフォームです。WordPress エコシステムは Web で 34% のシェアを誇り、世界中で約 200 万のユーザーが利用しています。WordPress.com は、クリエイターと Web サイト運営者向けにサブスクリプション機能を追加して、支援者、読者、ファン、顧客から継続支払いを回収できるようにしたいと考えていました。WordPress.com は Stripe と提携してこの機能を開発し、WordPress.com の数百万のユーザーと、Jetpack を使用した数百万のセルフホスティング WordPress サイトがこの機能を利用できるようにしました。

継続支払いにより WordPress.com の顧客がビジネスに

WordPress.com のエンジニア、Artur Piszek 氏は、ユーザーが「グローバル E-コマースの世界に足を踏み入れ、すぐに販売を始め、アイデアがどのように展開するかを確認できるようにする」製品を開発したいと考えていたと語ります。WordPress.com は Stripe と提携してこの新機能を開発し、現在では WordPress.com のサイト運営者は、わずか数分で顧客の継続支払いプランを設定できるようになりました。これにより、プレミアムニュースレターへの請求、月次の寄付の受け付け、会費の回収などが簡単に行えるようになりました。

「このプロジェクトの複雑な点の 1 つは、ユーザーがこの機能をどのように利用するのかまったく見当がつかないことです」(Piszek 氏)。ユーザーはサブスクリプションプランを可能な限り柔軟にする必要がありました。複数の通貨、さまざまな支払い頻度やサブスクリプションの段階に対応することは、WordPress.com のユーザーにあらゆる新しいビジネスモデルを試してもらうための重要な要素です。

Automatic (WordPress.com の Web 開発企業) の決済責任者である Bob Ralian 氏は、ユーザーからのフィードバックに基づいてこの機能を開発した経緯を次のように説明します。「ユーザーからこの機能を求める声が長らく上がっていました。当社のデータから、ユーザーが求める機能であることはわかっていましたが、実際にこの機能を提供して、ユーザーがこの機能をどのように利用するかを確認してみたいと考えていました。素晴らしいユースケースを実際にユーザーの皆さんに示してもらうことにしました」

Stripe Connect でサイト運営者と買い手をつなぐ

インターネットで買い手とサイト運営者をつなぐために、売り手が可能な限り簡単に銀行口座を開設して資金を受け取れるようにする、という課題が生じました。Artur 氏は、開始前に抱えていた懸念について「膨大なリサーチが必要なのではないか、どこからか魔法のように資金を得なければならなくなるのではないか、と懸念していました」と話します。

実際には懸念していたよりもはるかに簡単でした。WordPress.com のチームは、資金を受け付け、世界中のサイト運営者に入金できるプラットフォームを Stripe Connect 上に構築しました。Stripe Connect は、売上の流れを管理することにより、複雑な処理に対応し、コンプライアンスにかかわる負担を軽減しました。

同じ目的を持ち信頼できるグローバル規模の商取引パートナー

毎月 4 億 900 万人以上の利用者が WordPress.comプラットフォームの 200 億以上のページを閲覧しており、また毎月のサイト管理者による新規投稿数は約 7,000 万にのぼります。WordPress.com は Stripe と密接に協力してその大規模なプラットフォームに商取引を導入し、あらゆるユーザーがサイト運営と起業のための機能を利用できるようにしています。

Web をより素晴らしい場所にするための取り組みに意欲的な Automatic は、Stripe とのパートナーシップを WordPress.com の他に WooCommerce と Jetpack にも拡大しました。WordPress は従来の決済設定から、Stripe による最新の統一された決済スタックへと徐々に移行しました。このパートナーシップについて Bob Ralian 氏は「Stripe とのパートナーシップの大きな目的は、顧客に最良の収益化機能を提供し、オンラインでできる限りの成功を収めてもらうことです。ビジネスの決済面で Stripe が適切に対処してくれると確信しているため、同社との連携は非常に重要です。Stripe は、当社にとって最良の信頼のできるパートナーであると考えています」と述べています。