Stripe Climate、炭素除去技術への投資を 1,500 万ドルに拡大 対象ポートフォリオに新たに 4 社を追加

・Stripe Climate の一環として、新たに 4 社を対象に 600 万ドルを投資
・多様化する技術に対応するため、アドバイザーチームを拡大
・40 カ国以上、15,000 以上の企業が Stripe Climate を通じて炭素除去技術に投資

サンフランシスコ ‐ 本日、Stripe は新たに 4 社の炭素除去技術へ 600 万ドルを投資すると発表しました。13名の気候科学の専門家によって評価されたこれらの新規投資先は、永久的な地中貯留、海洋のアルカリ化促進、風化促進、大気からの直接回収など、CO2 除去を目的とした幅広い技術を網羅しています。Stripe Climate は、この 1 年半で 3 度目となる炭素除去に対する投資を実施しました。

IPCC (国連気候変動に関する政府間パネル) のモデルによると、2050 年までに排出量ゼロという目標を達成するためには、急激な排出量の削減と、毎年何ギガトンもの炭素を大気中から永久に除去することの両方が必要となります。しかし、この規模の炭素の除去を可能にする技術のパイプラインは、現状では十分ではありません。

今回の投資により、Stripe は、スケールアップの可能性が高い 4 つの新技術をポートフォリオに追加しました。Stripe は、これらの技術を市場に投入するために 200 万ドルを先行投資しました。また、これらの企業が一連の技術的なマイルストーンに到達した場合には、さらに 400 万ドル相当を追加購入し、さらなる技術の拡大を支援します。これら 4 つの新規プロジェクトのうち、3 つに関しては Stripe が最初の顧客となります。

【Stripe が新たにポートフォリオに追加した、炭素除去に取り組む新興企業】
44.01 社は、CO2 を岩石に変える自然界の鉱石化の力を利用しています。44.01 の技術はクリーンエネルギーを利用して CO2 を地下に注入し、豊富に存在する橄欖岩 (らんかん石) との反応を速めて、CO2 の永久貯蔵を可能にします。
Ebb Carbon 社は、独自の電気化学システムを用いて海洋から酸を除去しています。大気中の CO2 を吸引して海洋重炭酸塩として貯蔵する、海が持つ自然の力を高めます。
Eion 社は、ケイ酸塩岩を土壌に混ぜることで鉱物の風化を促進します。ペレット状の製品を農家や牧場主が土壌中の炭素を増加させるために使用し、時間の経過とともに海に流れ込み、重炭酸塩として永久に保存されます。技術開発と並行して、Eion は CO2 吸収量の測定方法を改善するための新しい土壌調査も行っています。
Sustaera 社は、再生可能エネルギーとセラミックのモノリス式エアーコンタクターを用いて空気中から直接 CO2 を回収し、地下に永久貯蔵します。Sustaera 社の直接大気回収システム (DAC) は、カーボンフリーの電力で作動し、モジュール式のコンポーネントで構成されており、製造の迅速化とそれに伴う大規模な回収ができるように設計されています。

Ebb Carbon 社の CEO である ベン・ターベル氏 は、次のように述べています。
「Stripe Climate プログラムは当社にとって触媒的な役割を果たしています。Stripe による投資により、CO2 を安全に貯蔵し、大規模に海洋の酸性化を抑制するための有意義な手段をより迅速に構築することができます」

Stripe Climate は、企業や事業者が Stripe のサービスを利用して得た収益の一部を、自動的に炭素除去技術への投資に貢献することを可能にする仕組みです。現在までに、40 カ国、15,000 以上の企業や事業者がこの活動に参加し、炭素除去を目的とした新技術への取り組みをサポートしています。Stripe Climate は、Climeworks 社の新しい直接大気回収 (DAC) プラントの約 10% に資金を提供し、現在では 5,000 トン以上の炭素を隔離している Charm Industrial 社の炭素を含む液体を地下に恒久的に注入する新しいプロセスの最初の顧客となっています。

Stripe で Stripe Climate を統括するナン・ランソホフは、次のように述べています。
「2050 年までにギガトン級の炭素除去を実現するためには、さらに多くの目標を達成する必要があります。4 社の有望な新興企業の炭素除去事業に投資できること、そしてそのうち 3 社の最初の顧客になれることを大変嬉しく思います。私たちの目標は、有望な取り組みを行う企業がスタートラインに立ち、その後、迅速にスケールアップできるよう支援していくことです」

Stripe Climate では、今回の購入の背景にある新技術を精査するために、技術専門家による有識者チームを拡充しました。アリゾナ州立大学の炭素排出センターのハビブ・アザルバディ博士は大気の直接回収について、スタンフォード・ウッズ環境研究所のケイト・マーハー博士は地球化学について、ポール・シェラー研究所のアレクサンダー・ムロヤマ博士は電気化学について、それぞれ調査を行いました。

すべてのプロジェクトの申請書、買い戻しのための更新基準などの具体的な内容は、GitHub に公開しています。