グーテンベルクの印刷術とブロックチェーンの融合:集英社が世界中の漫画ファンのための新時代を切り拓く

日本最大の漫画出版社が、Stripe を利用して、有名漫画の高品質限定プリントを世界に届ける新プロジェクトを推進

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ベストセラー漫画を多数出版している集英社は 2021 年 3 月 、世界中に「マンガアート」を提供する越境 EC 事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」(以下、SMAH)を立ち上げました。SMAHでは伝統的な技術と最新の技術を融合させ、「ワンピース」、「ドラゴンボール」、「NARUTO-ナルト-」などの人気マンガ作品を美術館収蔵作品のようなクオリティで、ブロックチェーン証明書と共に、ハイアートとして世界中のファンにお届けしています。
集英社は、低価格で販売されている大衆向けのアート作品であるマンガを、ハイエンドのファンやコレクターの好みに合わせてその価値を再定義しました。このプロジェクトでは、「生産」のための伝統的な印刷技術と、「証明」のためのブロックチェーン技術を融合させています。カラーのシリーズでは、耐光性のあるインクを用い、保存性の高いコットン 100% の用紙「ベルベット・ファイン・アート・ペーパー」にプリントを行っています。またモノクロでは、現在では希少になった大型の「活版平台印刷機」を用いたシリーズなども展開します。作品の品質を担保するため、各プリント作品のエディションは 20 枚以内に限定して抽選販売しているほか、ブロックチェーン証明書発行サービスを採用し、正規品であることの証明や来歴を追うことを可能にしました。

世界中でアートを販売する越境 EC 運営の複雑性は 8,000以上!

世界的に有名なキャラクターを含む集英社の作品は、100 ヶ国以上 20 言語でライセンス化されています。これらの限定品に対する世界的な需要に対応するため、複数の外国通貨での支払いを処理できる信頼性のあるパートナーを探していたところ、Stripeに出会いました。Stripeを採用したことで 130 以上の通貨でさまざまな決済手段を安全に提供できるようになったほか、使いやすいダッシュボードのおかげで即座に世界規模のオペレーションを開始することができました。

集英社がグローバル展開を開始しようとした際、オペレーションのハードルは非常に高く、当初は作品の価格設定や当選者へのメールでの送金依頼を手作業で行おうとしていました。初めは難易度の高いミッションに思えましたが、解決策は「パソコンに任せる」という非常にシンプルなものでした。決済を全自動化することで、スタッフの作業時間を大幅に短縮し、コストのかかるミスを削減できたほか、Stripe のシンプルで迅速な API とカスタマーサポートによりプロセス全体を自動化し、開発期間を大幅に短縮することができました。

集英社デジタル事業ディレクターの岡本正史氏は、「Stripe のおかげで手作業によるミスを削減し、全体的なコスト削減を実現できました。また、迅速にグローバル展開することができたことで、アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国、フランス、オーストラリア、カナダなどの主要市場を含む世界中のファンやコレクターが手にしたすべてのアート作品の合計額は、現時点ですでに 100 万ドルを超えています」と述べています。

__ Stripe Dashboardはいつもユーザーの傍に__

岡本氏は、Stripe のダッシュボードは使いやすく、プロジェクトの成長を簡単に把握できるようになったと述べています。「Stripe のプラットフォームだと、入金がリアルタイムで確認できますし、視覚的に購入パターンや購入者が抱える問題が見えるため、本当に重宝しています。日々の売上高が表やグラフで見えるので、こちらの意欲やモチベーションも上がります」と語っています。

伝統を守るためにテクノロジーを活用

集英社は、ビジネスと文化の交差点に存在し、ファンに向けて毎週新しい作品を出版すると同時に、日本の文化遺産としてのマンガを管理する役割を担っています。集英社は、文化庁連携事業であるマンガ原画アーカイブセンター や、学術機関・美術館とも連携し、紙のマンガ原画の保存や利活用の方法を模索しています。また、新人作家の育成に加え、和紙などの素材や別の印刷方法を模索しているほか、美術展や映画、ゲームなどのスピンオフ作品を通じて、日本の若者文化を世界中の人々に提供しています。

今後の SMAH について岡本氏は「昔の印刷技術と、最新の決済や証明技術を用いて伝統を守るこのプロジェクトが、最も愛されている日本の芸術の一つであるマンガを通じて日本と世界を繋ぐ架け橋になれば良いと思っています」と語っています。