Stripe と OpenAI が戦略的協業: OpenAI の主力製品を収益化し、GPT-4 で Stripe を強化
- OpenAI は、DALL·E と ChatGPT Plus の決済パートナーとして Stripe を選択
- Stripe は OpenAI の新しい GPT-4 でツールを構築
企業向け経済インフラプラットフォームを構築する Stripe は本日、OpenAI が画期的な ChatGPT および DALL·E 生成 AI 技術の商用化を進めるにあたり、 決済に Stripe を採用したことを発表しました。また Stripe は、OpenAI の新しい自然言語技術である GPT-4 を製品やサービスに導入しています。
OpenAI の製品およびパートナーシップ担当バイスプレジデントであるピーター・ウェリンダー (Peter Welinder) 氏は、次のように述べています。「Stripe と協力し、当社の主力製品から収益を得られることをうれしく思います。Stripe は決済だけでなく、定期課金から税務対応、財務業務の自動化など、あらゆる面で私たちを支援してくれています」
OpenAI の主力製品を Stripe で強化
OpenAI は、Stripe と協力して AI 生成技術を商品化しており、Stripe の一連の製品を使用することで、複数の製品ラインを対象としたグローバルな決済システムを数週間で立ち上げることができました。現時点における提携実績は次のとおりです。
- OpenAI が提供する ChatGPT のプレミアム サブスクリプション サービスである ChatGPT Plus に Stripe Billing と Stripe Checkout を採用。OpenAI は、Checkout の事前構築された決済ページを活用し、25 以上の決済手段の他、単発購入、月額課金、都度利用などの購買オプションを、世界中の顧客に提供します。
- Stripe Billing は、新しい画像を生成できる DALL·E クレジットを購入するための柔軟な従量制のオプションを DALL·E のユーザーに提供します。
- カゴ落ち防止対策の一環として開発された Stripe の「Remember Me」製品の進化形である Link は、OpenAI のユーザーの決済情報を保存して自動入力することで、支払いにかかる時間を平均で約 4 割短縮。 OpenAI が Link のネットワークの一部になったことにより、何十万もの企業によって保存されネットワーク化された支払い情報を数千万人のユーザーが使用でき、より速く決済することができます。
- Stripe Tax は、OpenAI のグローバル展開拡大に際し、各国での税務コンプライアンス維持をサポートします。
- Revenue Recognition は、OpenAI の財務管理 (不審請求の申請や払い戻しの管理など) を容易にし、毎月の帳簿を正確に処理できるようにします。
OpenAI、Runway、Diagram、Moonbeam など、主要な生成 AI 企業 の 75% が Stripe を導入してスピーディーに新規市場に参入し、法規制に準拠しながら事業を拡張させ、世界中のより多くのユーザーに製品を提供しています。
Stripe の CTO (最高技術責任者) である デビッド・シングルトン (David Singleton) は次のように述べています。「これらの新しい AI テクノロジー企業が急増するのに合わせ、製品をより多くの人に届けるためのスマートな収益化戦略を提供し、企業が成長を維持できるよう支援しています。個人的には、DALL·E クレジットを買い足して、さらに AI 画像生成の世界を模索するのが楽しみです」
GPT-4 による Stripe の強化
Stripe は、以前からユーザーの不正管理やコンバージョン率の向上など、AI を利用して製品やユーザー体験を進化させてきました。昨年、Stripe は Microsoft の Azure OpenAI チームと協力して Stripe Support に GPT-3 を実装し、担当者が毎週接する多くのユーザーに対してより迅速に解決方法を特定できるようにしました。
今年 1 月に GPT-4 ベータ版を導入した後、Stripe はこの AI 技術を活用する様々な方法を特定し、業務を効率化させ、ユーザーが必要な情報をより迅速に取得できるようにしました。この取り組みの最初の成果の 1 つとして、Stripe が開発者用に提供している、GPT を利用したドキュメント「Stripe Docs」があります。
このドキュメント強化により、開発者は Stripe Docs 内で自然言語クエリを GPT-4 に提示できるようになり、GPT-4 はドキュメントの関連部分の要約を作成したり特定の情報を抽出したりして回答することが可能になります。これにより、開発者は開発ドキュメントを読むことに使っていた時間を減らし、システム構築にあてる時間を増やすことができます。
Stripe の応用機械学習のプロダクトリードである ユージン・マン (Eugene Mann) は次のように述べています。「電子メール、スマートフォン、ビデオ会議の登場と同様に、GPT-4 にはビジネスのあり方を、根本から再構築し改善する可能性を秘めています。GPT-4 を統合することで、Stripe は最先端のツールをユーザーに提供し、オンラインでのビジネス構築と成長を支援します」