Stripe、Enhanced Issuer Network の立ち上げで、企業が不正使用を減らし、オーソリ率を高めることを可能に
- Enhanced Issuer Network の特徴は、Capital One やディスカバーなどのアメリカの主要カード発行会社とのパートナーシップです。
- パートナーは、Stripe Radar のスコアを使用して不正使用や誤った支払い拒否を減らし、企業の売上を数百万ドルも回復させています。
- 平均では、不正使用が 8% 減少し、オーソリ率が 1 ~ 2%上昇しています。
サンフランシスコ—企業向けの金融インフラプラットフォームであるStripe は本日、アメリカの主要カード発行会社とのパートナーシップである Enhanced Issuer Network の立ち上げを発表しました。Stripe は、暗号化された経路を通じて、自社の不正防止ソリューションである Stripe Radar から得た取引の不正使用スコアを Capital One やディスカバーなどのカード発行会社が安全に利用できるようにします。Enhanced Issuer Network は、カード発行会社が不正使用を削減することを支援し、決済時の顧客の負担を減らし、企業の決済オーソリ率を向上させます。
Radar がカード発行会社の不正使用検出モデルを強化する方法
Stripe は毎年、世界中の数百万の企業のために数千億ドルもの取引を取り扱っています。Radar はこうした取引データでトレーニングをした独自の機械学習技術を使用し、リスクの度合いに基づいて各取引に 0 ~ 99 のスコアを割り当てます。最も低いリスクは 0 で、最も高いリスクは 99 です。
業界の調査によると、誤った支払い拒否 (正当な取引なのに不正使用の疑いで拒否された支払い) により、アメリカの企業は2021 年に 110 億ドル以上もの売上を失っています。これは顧客の不満にもつながっており、33% の顧客は、誤って購入が拒否された店舗で再び買い物をすることはありません。
カード発行会社の不正使用検出モデルは、取引情報の一部に基づくものです。一方、Radar のアルゴリズムは、数百万ものグローバルビジネスから得たデータと、決済フローデータから銀行情報まであらゆる層の財務処理情報を使用してトレーニングを行っています。特定の企業では初めて使われるカードであっても、Stripe には 91% の確率で履歴情報があります。Radar の不正使用スコアとカード発行会社の既存の情報を併用すれば、カード発行会社は独自のプロセスの精度を高め、正当な取引を確実に承認できます。
Enhanced Issuer Network を利用すると、カード発行会社は独自の認証ツールに Radar の不正使用スコアを取り入れることができます。Capital One は 同社の Enhanced Decisioning Data API でこれを実現しています。
Capital One のカスタマーサービスおよび戦略責任者である Sarah Strauss 氏は次のように述べています。「Stripe の Enhanced Issuer Network の立ち上げパートナーになれたことを嬉しく思います。Capital One の Enhanced Decisioning Data API により、当社は Stripe Radar から不正使用スコアを安全に受け取り、取引の認証プロセスの精度を向上させることができます。具体的には、正当な取引が承認される可能性が高まりました。このパートナーシップにより、企業の売上がすでに数億ドルも回復しています」
Enhanced Issuer Network がオーソリ率の向上と不正使用の削減につながる仕組み
Stripe を利用して事業運営する企業は、追加の導入作業を行わなくても、Enhanced Issuer Network の恩恵を受けることができます。平均すると、Capital One やディスカバーなどのアメリカの主要カード発行会社での決済額で、不正使用が 8% 減少し、オーソリ率が 1 ~ 2% 上昇しています。大企業の場合、オーソリ率がわずかに改善されるだけでも、年間売上が数百万ドル増加する可能性があります。
Stripe のカードアクワイアリング製品責任者である Tom Holman は次のように述べています。「Stripe の Enhanced Issuer Network は、企業が一切の手間を掛けることなく、企業の売上を増加させます。消費者にとっては、不正使用の被害を受ける可能性が低くなるとともに、カード会社に正当な購入を拒否されることで不満を感じるという経験も少なくなります」
Stripe を利用する出版プラットフォームの Substack は、すでに Enhanced Issuer Network の恩恵を受けています。
Substack の共同創業者で最高技術責任者である Jairaj Sethi 氏は次のように述べています。「数千もの作家やポッドキャスト配信者が Substack で生計を立てています。Stripe は Enhanced Issuer Network で、できるだけ多くの正当な取引が承認されるようにしてくれます。おかげで読者はお気に入りの独立系出版物を定期購読でき、作家は支払いを受け取ることができます」
Enhanced Issuer Network は、Adaptive Acceptance、Smart Retries、ネットワークトークン、自動カード更新機能などが含まれる Stripe の決済最適化ツール製品群の一部です。これらのツールを組み合わせることで、企業はオーソリ率を向上させ、誤った支払い拒否を削減できます。
Enhanced Issuer Network について詳しくは、こちらをご覧ください。