背景
決済に関する規制の目的は、マネーロンダリング、不正使用、脱税などの違法行為を防止し、より安全でセキュアな金融エコシステムを構築することです。各国の金融規制機関は顧客確認 (KYC) の要件を制度化することで、特定のタイプのビジネスやその社内担当者から本人確認情報を確実に収集、確認できるようにしています。このような情報収集の要件は、金融サービスを取り締まる規制当局や、カードネットワーク、その他の金融機関によって頻繁に変更されます。最近では、アメリカで要求される身元確認情報が変更されています。最新の要件は、必要な確認情報のページでご確認いただけます。
この絶えず変化する複雑さを管理することが、運用面でも技術面でもプラットフォームにとって負担となっています。この問題を解決するために、Stripe の API を更新し、今後の要件の変更を簡単に確認、監視できるようにして、ユーザーに影響が及ぶ前に対応できるようにしました。
Connect の変更点
金融パートナーや規制当局の要件は時間と共に変化し続けるものです。このような現実を踏まえ、Stripe とお客様のビジネスがクラス最高のコンプライアンスプログラムを維持しつつ、必要な変更を可能な限りスムーズに行えるようにしたいと考えています。新たな API 機能として、Future Requirements を導入し、進化し続けるコンプライアンス要件への適合をよりスムーズに行えるようにしました。連結アカウントのユーザー体験も最適化されます。
今回の変更を適用するには、Stripe の組み込みのアップグレードが必要になります。
簡単に最新状況を把握
新しい Future Requirements API 機能では、連結アカウントに対して適用されることが予定されている新たな要件を、十分な時間的余裕を持って事前にプレビューできます。これにより、新たなユーザーをプラットフォームに登録する場合、アカウント登録にどのような変更が必要になるか、既存のユーザーに追加情報を通知する必要があるかの判断がしやすくなります。
Future Requirements には、Account、Person、Capabilities の各オブジェクトに次のフィールドが新たに導入されています。
future_requirements
既存の requirements ハッシュの形状を複製した新たな API フィールドです。このフィールドには、連結アカウントに対する今後の要件が表示されます。
Stripe の組み込みへの影響
Custom アカウントを登録する場合、組み込みに変更を適用する必要があります。
具体的には、追加情報の収集、確認のたまに、アカウント登録フローを更新する必要があります。また、Future Requirements を組み込んで、変化し続ける要件に対応できるようにする必要もあります。一方、既にアカウント登録が済んでいるユーザーについては、アメリカの Stripe アカウントに必要な本人確認情報についての変更点に対応するために、追加情報の収集が必要になる場合があります。
これに代わる方法として、コンバージョンのために最適化されたアカウント登録ツールを使用すると、本人確認フローを独自に設計する必要がなく、複数の市場での個々のコンプライアンス要件に動的に適合します。この構築済みのアカウント登録フローを使用することをお勧めします。ツールを使って、必要な本人確認情報を収集し、アカウント登録をスピーディーに行えます。独自のフローを構築したり保守したりする必要はありません。
デスクトップとモバイル対応のデザインは、複数の言語と国に対応しています。各国のコンプライアンス要件が変わったときは、自動的に更新されます。フォームは会社のブランディングに合わせてカスタマイズ可能で、既存のユーザー登録フローに組み込んで、終始一貫したユーザー体験を提供できます。

サポートを受ける方法
Stripe 組み込みの更新は重要なステップです。以下の方法でサポートを受けることができます。
- アカウント向けにカスタマイズされた Stripe ダッシュボードを確認する
- 365 日 24 時間対応のチャット、電話、メールでのサポートで問い合わせる
- 新しい Connect 機能の詳細について、開発者チャットを参照する