Chatwork、サービスの顧客価値向上とさらなる成長のため内製化した決済基盤を Stripe へ移行

国内最大級のビジネスチャットサービス「Chatwork(チャットワーク)」を展開する株式会社 kubell (旧 Chatwork 株式会社) は、2024年までの目標に中小企業向け No.1 ビジネスチャットになることを掲げています。また、長期的な事業戦略である「ビジネスプロセス全体をクラウドサービスとして提供すること」を見据え、既存サービスの決済基盤を Stripe へ移行しました。それまで半年程度かかっていた料金やプラン変更の実装対応を、わずか 1 カ月で実現するなど、Stripe が提供する「収益・財務オートメーション」ソリューションを通じて、決済基盤の再構築と開発の大幅な効率改善を実現しています。

使用製品

    Payments
    Billing
アジア太平洋
大企業

課題

2011 年にサービスを開始した Chatwork は、導入企業数 43.1 万社以上、登録 ID 数 664 万以上、1 日あたりのサービス利用者数 (DAU) が 110 万人を超える、国内最大級のビジネスチャット・プラットフォームに成長しました。サービスの特徴は、利用者の約 9 割が従業員数 300 人以下の中小企業の従業員であることです。中期の事業目標として、2024 年までに中小企業向けビジネスチャットで No.1 のポジションを獲得し、日本の 99% 以上を占める中小企業の DX 推進を支えるコミュニケーションのインフラとなることをあげています。

利用者のさらなる拡大を目指すにあたり、Chatwork のサブスクリプションの基盤である請求、決済業務に課題を抱えていました。Stripe を導入する以前、課金管理や機能管理、ユーザー管理のほとんどを内製化で行っていました。決済関連の処理をサービス提供者側で持ちすぎることによって、料金やプラン内容の変更、イレギュラーな対応を行う場合は、開発チームのリソースで対応しなければならないという課題があった、と語るのは同社の技術基盤戦略室室長としてプロダクト開発を統括する春日重俊氏です。

「SaaS サービスを提供する企業の本質的な価値は、サービス自体の品質を高め顧客満足度を向上し、多くのユーザーに利用していただくことです。本来、サービスの新たな機能開発やユーザビリティの向上に割くべきエンジニアのリソースを、決済や請求など、裏側の業務やシステムにあてることになり、サービスの拡大やビジネスの成長において大きな課題でした」(Chatwork 株式会社 春日氏)

2023 年 7 月、Chatwork はこれまで内製で行っていた、サブスクリプションの課金管理を Stripe Billing へ移行します。
「Chatwork のサービス全体を俯瞰すると、課金管理と請求管理は外部の専門サービスを利用することで、柔軟性を担保できることが検証の結果わかりました。機能管理とユーザー管理の部分は内製で行い、課金管理はすべて Stripe 側で実装することで、自社で管理するメンテナンス範囲が絞られ、大幅な工数削減につながっています」(Chatwork 株式会社 春日氏)

Stripe を決済基盤として選択した理由は大きく分けて 3 つあると、春日氏はいいます。
「1 つは性能・拡張性です。ビジネスプロセスには、さまざまなサービスが連携しています。Stripe は他のサービスと連携できるカバー範囲が広く、拡張性の高さがあります。特に、見積もり・請求管理、決済や課金機能がワンプラットフォームで提供されていることから、スーパーアプリ構想に適していました。2 つ目は運用保守性です。導入企業が増加するなか、サービスを 24 時間 365 日安定稼働させることがますます重要となります。データモデルや API のインターフェースなど開発者向け機能が充実しており、システム内のイベントも細かく記録されるため、問題発生時に調査がしやすいのは利点です。最後が移行性です。定額、数量、ティアード、従量課金などの柔軟な価格体系のみならず、 契約毎のトライアル期間の設定や詳細な割引適用、プロモーションコードなどの機能等の細やかな設定が可能な点は、サービスをスケールさせるうえで欠かせません。Stripe は開発者向けの機能やドキュメントがとても充実しています。何か問題が発生したときでもリカバリーしやすいことが強みです」

結果

Stripe へ移行した成果はすでに見え始めていると、春日氏は語ります。「2023 年 7 月に価格改定を行ったのですが、これまでだと実装に半年程度かかっていた工数が、Stripe を利用することで約 1 カ月の期間で完了できました。決済周りの管理は可能な限り Stripe に任せる構成にすることで、エンジニアのリソースをサービス向上に集中させることが可能になります。より良いサービスをユーザーに提供できる環境が整ってきたと感じています」

利用者の増加に伴うリスク管理にも、春日氏は目を向けています。
「サービスのスケールに伴い、決済リスクも増大します。今後は、豊富なデータ量による機械学習で不正を防止する Radar の導入を検討しています。日本の 99% を占めるのは、中小企業です。その DX 推進を支えるコミュニケーションのインフラとして、誰もが簡単に使えてシームレスな決済基盤を Stripe と一緒に実現していきたいと考えています」

導入社社数

43.1 万社以上、登録 ID 数:664 万、DAU:110.8 万 (2023 年 12 月末日時点)

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます