オンライン請求処理の基本ガイド

このガイドでは、請求処理の仕組み、オンライン請求処理を通じて時間とリソースを有効活用する方法、ビジネスに適したオンラインソリューションの見つけ方をご紹介します。

  1. はじめに
  2. 請求書のあり方と請求処理の仕組み
    1. 請求書への記載が必要な情報
  3. オンライン請求管理のメリット
  4. オンライン請求管理システムを選ぶポイント
  5. Stripe が提供する請求書管理のためのサポート

請求処理や請求書管理は、多くのビジネスにとって不可欠な業務です。請求書を発行することで支払いがより確実に行われるようになるだけでなく、取引の正式な記録にもなります。また、レポートや税金処理の際に請求書の参照が必要になる場合もあります。

請求業務はビジネスにおいて非常に重要であるにもかかわらず、いまだに手作業による昔ながらのプロセスで行っている企業が多く、それによって支払いが遅れ、収入の損失につながることもあります。その例として、支払い済みの請求書と未払いの請求書を確認するためのワークフローが一元化されておらず、請求の詳細の追跡に無駄な時間を費やしている企業が多いのが現状です。さらに、最大 40% の企業が依然として紙の小切手を郵送しており、請求書を送るビジネスオーナーにとっては手作業が増え、支払いに時間がかかる原因になっています。

最適な請求管理環境を確保することは、ビジネスの成長、キャッシュフローの管理、顧客体験向上の鍵です。理想的な請求処理システムは 100% オンラインで管理され、関連するすべての詳細情報を 1 カ所に保存でき、反復的なプロセスを自動化して、より多くの売上を回収できるものです。

このガイドでは、オンラインで請求に関する一連の業務を管理することで時間とリソースを有効に活用し、迅速に支払いを受ける方法をご紹介します。請求処理の仕組み、ビジネスに適したオンライン請求処理・請求管理ソリューションの探し方、Stripe が提供するサポートを見ていきましょう。

請求書のあり方と請求処理の仕組み

請求書とは、企業と顧客の間の取引を項目別に記録した文書です。請求金額と支払い条件が記載され、支払いのリクエストとしての役割を果たします。また、税務申告に必要な書類でもあります。企業は売上金額と徴収した税金の金額を証明するために、各請求書の写しを保管しなければなりません。

請求書は、平均注文金額が高く、顧客とのカスタム契約が必要な B2B の SaaS 企業やプロフェッショナルサービス企業でよく使用されています。実際、リサーチ会社 MoffettNathanson の調査によると、B2B の取引の 85% は、請求書発行のワークフローを伴います。しかし、本格的な請求書はどのようなタイプの企業でも、顧客に支払いを求める際に使用できます。

請求書への記載が必要な情報

ほとんどの国では、請求書を発行するときに請求書番号、販売した商品と金額、支払い条件、税金の詳細、連絡先といった一定の情報の記載が義務付けられています。

事業を展開する国によって、従わなければならない請求書要件が異なる場合もあります。たとえば、顧客レベルまたはアカウントレベルで請求書番号を連番にしたり、一定のプレフィックスを使用したりすることが求められるかもしれません。それぞれのユースケースについては、専門家にご相談ください。

請求書が発行されると、そのステータスは「未払い」から「支払い済み」まで、さまざまな状態を遷移します。「回収不能 (支払いが見込めない状態)」や「無効 (取引のキャンセル)」になることもあります。

請求処理のワークフロー

オンライン請求管理のメリット

支払い処理の円滑化はあらゆる企業にとって重要ですが、大きな取引においてはその重要性がさらに高まります。顧客は高速で便利な支払いプロセスを期待しています。たとえば、請求書の詳細をすべて確認して、支払いの方法とタイミングを選べるようなプロセスです。こうした請求処理は、顧客に柔軟性を提供するだけでなく、発行する側にとっても業務の効率化とコスト削減につながります。では、具体的にそのメリットを見てみましょう。

  • 顧客体験が向上する: 従来の紙の請求書は単なる書類であり、支払い機能を顧客に提供するものではありません。オンライン請求書にはオンラインでの支払いが導入されており、顧客はその場ですぐ、または後日、簡単に支払うことができます。企業側は支払い期限 (即時、7 日以内、30 日以内など) と決済手段 (クレジットカードや銀行振込など) を選択して柔軟性を提供し、顧客がキャッシュフローを適切に管理できるようにサポートできます。

  • 大きな取引や複雑な取引を管理できる: プロフェッショナルサービスや卸売商品を提供している場合は、支払いが 1 度失敗しただけで、多大な収益損失につながる可能性があります。高額の支払いを安全に問題なく受け付けられること、言い換えると複数のラインアイテムを 1 件の請求書で管理することができれば、ビジネスを守れます。また、顧客に柔軟性を提供することでも、ある程度解決できます。たとえば資金に余裕があるときは支払い期限を 30 日にするなどの対応が考えられます。

  • 承認プロセスと社内プロセスの効率化: 経費の支払いの多くは、経理財務部門と法務部門の承認を経て行われます。このプロセスにおいて、請求書は購入の正式な記録となり、各部署で参照可能となります。また、会計チームは企業の収益と支出の追跡に利用でき、未払いの検出と管理が容易になります。

  • 取引コストを削減: 一般的に少額かつ即時の取引はクレジットカードで支払われますが、請求書ではコストの低い銀行振込や引き落としなどの方法で処理されるため、コスト削減が期待できます。

オンライン請求管理システムを選ぶポイント

請求処理・請求管理の複雑さを甘く見ている企業は多数存在します。たとえば高額請求の際、コスト削減を図るために銀行振込など別の決済手段を受け付けることにしたとします。このような支払いの回収は、適切なツールを利用しなければ、面倒でミスが起きやすくなります。また、請求書の送付先が世界各地に広がる場合は、顧客の所在地ごとに異なる請求処理に関する規制に対応しなくてはなりません。

オンライン請求処理・請求管理のための適切なソフトウェアやシステムが見つかれば、このような反復的な手作業の負担を減らして業務を効率化できるため、時間短縮とリソースの節約につながります。それだけに留まらず、すべての請求書と支払いをデジタルで 1 カ所に保存でき、会計チーム、財務チーム、法務チームにとって信頼できる唯一の情報源となります。ビジネスが成長して管理する顧客ベースが拡大すればするほど、ますますその恩恵が得られます。

ほとんどのオンライン請求管理ソリューションでは請求書のカスタマイズ、クレジットカード支払いの受け付け、基本的なレポートの表示が可能ですが、最適なソリューションは高度な機能を備え、支払い受け取りまでの時間の短縮、顧客の支払い体験の向上、既存ワークフローへの組み込みが可能になります。

オンライン請求管理システムを選ぶときに注目すべき 4 つのポイントをご紹介します。

1.使いやすいさ

請求書の新規作成と既存の請求書の編集が容易なソリューションを見つけましょう。自社のブランディングに沿って請求書にロゴとコーポレートカラーを追加し、デザインをカスタマイズできることは重要です。また、請求書番号、商品の詳細、支払い条件、顧客情報、税率、ラインアイテムを更新でき、割引、クーポン、法定のフッター、注記を追加できる機能も必要です。理想を言えば、このような詳細をすべて保存できれば、請求書を毎回ゼロから作り直さずにすみます。

顧客の要望や社内のプロセスに合わせ、ブランド名の入った請求書の共有方法を各種用意したいと思うこともあるでしょう。たとえば、一部の顧客に請求書へのリンクをテキストメッセージで送信し、他の顧客に PDF バージョンをメールで送付する場合などです。理想的なオンライン請求処理システムでは、このプロセスを自動化します。請求書の準備ができた時点で顧客にメール送信し、支払い期限に従ってリマインドメールを送信することができます。

2.各種決済手段と消し込みツールのサポート

顧客は適切で親しみのある支払い体験を期待しています。請求処理プロセスが簡単かつ快適になればなるほど、早く支払いを受けられるようになります。カード、ACH クレジット、ACH デビット、小切手、銀行振込など、さまざまな決済手段に対応できるオンライン請求処理システムを利用すると、支払いを受けるまでの時間を短縮できます。たとえば、Apple Pay や Google Pay などのデジタルウォレットを使用した場合、クレジットカード情報を手入力する場合と比べて、顧客が支払いを完了するまでの時間が 3 倍早くなります。

一方で、電信送金や ACH など一部の支払い方法では、支払いと請求書を照合する (消し込みとも呼ばれる) ことが難しくなります。たとえば、請求書の支払いを毎月受けているとすると、銀行口座では金額しか見ることができず、入金がどの請求書に関連するものなのかがわかりません。理想的なオンライン請求処理システムは、送付した請求書と受け取った支払いを自動的に照合します。会計チームや財務チームによる手作業での照合は不要です。

3.回収の効率化

未払いの請求書が適切に管理されていない場合、キャッシュフローとビジネスの全体的な健全性が損なわれるおそれがあります。請求書を支払った顧客と支払っていない顧客を手作業で追跡して個別にリマインドメールを送るのではなく、支払い期限が近付いた場合や期限が過ぎた場合にリマインドメールを自動送信するオンライン請求処理システムを探しましょう。また、未払いの請求書をモニタリングして回収の優先順位を設定できるように、詳細なレポートと売掛金年齢表を生成できることも望ましい機能です。

期日を超過した請求書を管理するだけではなく、支払いの失敗も管理できるソリューションが必要です。たとえば、顧客に支払いの意図があっても、カードの有効期限切れや資金不足、カードの詳細情報が古いために支払いが失敗することがあります。オンライン請求処理システムは、有効期限切れのカードの更新、カスタマイズしたスケジュール (7 日ごとなど) による失敗取引の再試行の自動化ができるため、支払い成功率が高まります。

4.レポートと消し込み

理想的なオンライン請求処理・請求管理ソリューションは、請求業務の効率化に役立つ詳細なレポートとダッシュボードを自動的に生成します。備えたい機能として、送信したすべての請求書とその状態を一覧できる機能や、未払い、期日超過、支払い済みの請求書のフィルタリング機能のほか、請求書の無効化、複製、返金、支払い済みとしてマークする処理を自動的に行い、各ステータスを必要に応じて手動で変更できる機能が挙げられます。また、請求処理システムの外部で行われた取引 (顧客が小切手の郵送や現金払いを希望した場合など) についても、請求書を支払い済みとしてマークできることが重要です。

さらに、Xero、QuickBooks といった他の会計管理システムや ERP ソリューションなどの既存のワークフローと連携できることも肝心です。請求データを運用中のシステムに直接インポートできるソリューションであれば好都合です。

Stripe が提供する請求書管理のためのサポート

Stripe Invoicing は、請求業務に費やす時間の短縮と支払いの受け取りのスピードアップを実現するために構築されたグローバル請求処理プラットフォームです。Stripe がオンラインで提供する請求書をダッシュボードから数分で作成して送信できます。また、the Invoicing API と高度な機能を使って、支払いの回収と消し込みを自動化することもできます。

Invoicing は Stripe の決済スタックに導入されているため、 ユーザーは初日から Smart Retries、リマインドメール自動カード更新機能を使用して自動的に請求書の支払いを回収できるほか、ACH または電信送金の消し込みや、グローバルな請求処理にも対応できます。

  • 導入が簡単:Stripe のオンライン請求書をわずか数分で作成、カスタマイズ、送信できます。すべてダッシュボードから実行でき、コードを作成する必要はありません。ブラウザーの URL バーに「invoice.new」と入力すると、請求書エディターに直接移動できます。

  • 支払い受け取りまでの時間を短縮:Stripe のオンライン請求書は、モバイル、タブレット、デスクトップ向けに最適化された機能を提供し、25 を超える言語と 135 を超える通貨に対応しています。オンライン請求書ページでは、顧客の所在地に応じて決済手段が動的に表示されるため、支払いを受け取るまでの時間を短縮できます。実際、Stripe の請求書のほとんどは 3 日以内に支払われています。

  • あらゆるユースケースに対応した設定が可能:クレジットカード、ACH、その他の決済手段による 1 回限りの支払いまたは継続的な支払いに対応。商品名、割引、税率を、請求書に直接追加できます。

  • ビジネスに応じたスケーリングが可能:Stripe の API を活用すると、請求処理ワークフローを自動化できます。自動リマインドメールと売掛金年齢表を使用することで、未払いの請求書の支払いを回収し、失敗した支払いは Smart Retries を活用して最適なタイミングで再試行できます。

Stripe Invoicing の詳細については、Stripe ドキュメントに関する Stripe ドキュメントをご覧ください。顧客への請求と決済の受け付けを今すぐ開始するには、アカウントを作成してください。

Stripe では、オンライン決済の回収に関する情報をガイドとしてまとめています。ビジネスにお役立ていただければ幸いです。

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