事業成長と共に CO₂ 除去に貢献

Stripe Climate は、有望で永続的な炭素除去テクノロジーの立ち上げと拡大を支援する最も簡単な方法です。炭素除去の将来を変えようとする、大きな抱負と高い目標を持つ成長中のビジネスの一員になりましょう。

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ビジネスに適したソリューションを選ぶ

Stripe Climate で炭素除去の早期購入者になるには、2 つの方法があります。すべての購入は、2030 年までに最初の 10 億ドル以上の恒久的な炭素除去を購入するという事前買い取り保証に取り組む Frontier を通じて行われます。

Climate の取り組み

Frontier のポートフォリオのもっとも初期段階にある炭素除去企業がラボでの研究を実践に移せるよう支援するために、数回クリックするだけで、「売上の一定の割合を割り当てる」ことができます。この方法が適しているのは、(i) 主にフィールドでの技術推進に関心がある、(ii) 気候に関する目標を達成するために特定のトン数を購入する必要がないビジネスです。

Climate Orders

Stripe Dashboard または API を使用して、「特定のトン数を事前に注文」することができます。 注文されたトン数は、Frontier のオフテイクポートフォリオから供給されます。この方法が適しているのは、(i) 気候に関する目標を達成するために特定のトン数を購入する必要があるか、(ii) 自社の顧客に炭素除去に貢献する機会を提供したいと考えているビジネスです。

長い年月にわたって、炭素除去の購入に数百万ドル規模で取り組むことができる場合、Frontier にメンバーとして参加することをご検討ください。このほか、1 回限りの寄付を行うことも可能です。

炭素除去の資金調達事例

気候変動対策には炭素除去が重要

気候変動による壊滅的な影響を避けるためには、産業革命前と比較して世界全体の平均気温の上昇を 1.5°C 以内に抑え込む必要があります。これは全世界の CO₂ 排出量を 2018 年の年間 40 ギガトンから 2050 年までに実質的にゼロに削減する必要があるということです。

この目的を達するために私たちは大気中への新たな排出量を大幅に削減し、またすでに大気中に含まれている炭素を除去する必要があります。

世界の気温上昇を 1.5°C 以下までに抑える道すじ
世界の気温上昇を次のように抑える:
これまでの排出量 2°C 以下の道すじ 1.5°C 以下の道すじ 現在の道すじ
世界の気温上昇を 1.5°C 以下に抑えるために必要な炭素除去
グローバルカーボンプロジェクトを介したこれまでの排出量、1 「現在の道すじ」は SSP4-6.0,2,3 の CICERO から採用した除去の軌道を示しています。4モデル化されたシナリオには、削減が必要なその他の温室効果ガスの排出量も含まれますが、簡潔にするためこのチャートでは CO₂ のみを表示しています。

しかし、炭素の除去は進んでいません

森林再生や土壌での炭素貯留といった既存の炭素除去ソリューションは必要ですが、それだけではこの拡大しつつある問題に対応できません。このテクノロジーは 2050 年までに、(まだ成熟していなかったとしても) コストを抑えて幅広く利用できる可能性を持つものでなければなりません。

現在、炭素除去のためのソリューションはジレンマに直面しています。早期テクノロジーであるため、これらのソリューションは高価であり、顧客のクリティカルマスの獲得に至っていません。もっと幅広く利用されなければ、製造量を増やして価格を下げることはできません。

早期支援者は炭素除去のゆくえを変えられます

早期支援者は炭素除去の新たなテクノロジーについて、コストの低減と採用量の増加のスピードアップに貢献することができます。製造業における学習曲線と経験曲線を見ると、製品の導入と利用の拡大が改善をもたらすことが繰り返し示されています。これは DNA 塩基配列決定、ハードドライブの容量、太陽光パネルの経験曲線に共通して見られる現象です。

こうした考え方が Stripe の最初の購入を具現化し、ひいては炭素除去を購入するためのアドバンスマーケットコミットメント (AMC) である Frontier の立ち上げにつながりました。目標は、研究者、起業家、投資家に対して、炭素除去技術の市場が拡大しているという強い需要シグナルを送ることです。こうすることで、産業界の軌道を修正し、気候変動による壊滅的な影響の抑え込みに必要な一連の解決策を手に入れられる可能性が高まります。

サンタフェ研究所による経験曲線の定型化された表現。5

プロジェクトの特定と投資

Stripe のポートフォリオと科学分野のレビューア陣

すべての購入は、2030 年までに最初の 10 億ドル以上の恒久的な炭素除去を購入するという事前買い取り保証に取り組む Frontier を通じて行われます。Frontier 内部の科学と商業の専門家が、60 名を超える外部の技術的な審査担当者のサポートを受けながら、最も有望な炭素除去テクノロジーを選定して評価します。プロジェクトのポートフォリオを参照して、Stripe が選択するテクノロジーの基準を確認し、オープンソースによるプロジェクトの適用例をご覧ください。

対象の基準

Stripe がプロジェクトを評価する際に考慮するポイントをご紹介します。

プロジェクトの適用例

Stripe のオープンソースプロジェクトの適用例をご覧ください。

Stripe のポートフォリオ

Lithos は、超微粉砕した玄武岩を農地に散布することで、岩の CO₂ を吸収する生来の能力を促進し、実証的に除去を測定します。風化の促進によって永続的に除去される炭素をより正確に数値化する斬新な測定技術を推進しています。

地質学的な時代区分を重ねる中で、CO₂ は化学的に結合して鉱物になり、完全に石になります。Heirloom は何年もかかるこのプロセスを促進し、大気から CO₂ を吸収してその CO₂ を恒久的に地下に貯留するまでを数日で完了できる直接空気回収ソリューションを開発しています。

大気中から直接 CO₂ を回収する技術を用いた CarbonCapture の機械は、大気中の CO₂ を吸収し、加熱されると濃縮 CO₂ を放出する固体吸着剤を使用します。CarbonCapture の最も重要なイノベーションは、キャプチャーシステムをモジュラー化し、アップグレードを可能にしたことです。このため、クラス最高の吸着剤を利用できるようになると、既存の吸着剤と交換することができます。その後、キャプチャーされた CO₂ ストリームは永久に地下に貯蔵されます。

Charm Industrial Image

Charm Industrial はバイオオイルを地質学的な貯蔵場所に注入するまったく新しい方法を生み出しました。バイオオイルはバイオマスから生成され、植物が自然に取り込んだ炭素の多くを保持しています。これを安全な地質学的な貯蔵場所に注入することで、炭素は恒久的に貯蔵されます。

44.01 は、自然の石化の力を利用して CO₂ を岩石に変えます。同社の技術は、CO₂ をかんらん岩という豊富に存在する岩石に注入し、そこで永久に貯蔵します。この貯蔵方法は、さまざまな回収技術と組み合わせることができます。

Airhive は、安価で豊富に手に入る鉱物で作られた吸着剤を用いて、大気中から CO₂ を直接回収する地球化学的システムを構築しています。この吸着剤は、Airhive の流動層反応機で空気と混合すると、大気中の CO₂ と急速に反応します。CO₂ を回収し、地中に貯留する電気を使った再生プロセスと組み合わせることで、DAC の低コスト化を実現すると期待されています。

Alkali Earth は、工業生産過程で生じるアルカリ性の副産物を、炭素を除去する砂利として道路で使用しています。砂利は道路を舗装する役割を担う一方で、大気中の CO₂ を吸収し、永久的に保存します。砂利内の CO₂ 含有鉱物の形成は直接測定でき、CO₂ の除去効果が高いことが分かっています。

Arbor は、バイオマス廃棄物を電力などの製品に変換し、CO₂ を地下に永久に貯蔵することで炭素を除去するプロセスである、バイオマス炭素除去・貯蔵 (BiCRS) へのモジュール式でコンパクトなアプローチを開発しています。この技術は、すべてのバイオマスタイプで柔軟に機能するガス化装置と、電気効率を最大化する先進タービンを組み合わせたものです。Arbor のモジュラー式システムは、スピーディーな配置が可能であり、かなりの低コストで製造できるように設計されています。

Arca は大気から CO₂ を捕獲し、それを岩石に鉱化します。同社はクリティカルメタルの生産者と連携し、鉱山廃棄物を大量の炭素吸収源に変えています。自律ローバーを使用したアプローチにより、CO₂ を永久に炭酸塩鉱物として貯蔵するための自然なプロセスとして、炭素鉱化を加速させています。鉱山現場で直接機能するシステムを構築することで、Arca は原料を処理施設に移動するためのコストと排出を回避しています。

AspiraDAC は、モジュール式の太陽光発電を用いた直接空気回収システム (モジュールにエネルギー供給機能を搭載) を構築しています。同社の金属有機構造体 (MOF) 吸着剤の必要熱量は低温であり、安価な材料費につながります。また、モジュール式のアプローチによって、より分散された規模の拡大が可能になります。

Banyu Carbon は太陽光を使用して、海水から CO₂ を回収しています。光に当たると酸性になる再利用可能な光活性化分子により、海水に溶けた炭素を CO₂ として放出し、永久保存します。化学反応を起こすのに必要な可視光スペクトルの一部だけを使用するため、海洋から CO₂ を直接除去できるエネルギー効率の高い方法です。

このプロジェクトは、8 Rivers' CalciteOrigen が共同で開発したものであり、高反応性消石灰を周囲の空気と接触させて CO₂ を回収し、炭素鉱物化の自然のプロセスを加速します。結果として生成される炭酸塩鉱物は、地中への貯留に向けて濃縮 CO₂ 流を作成するために焼成され、その後プロセスが繰り返し継続されます。これは、安価な材料と高速のサイクルタイムによって、低価格で大規模な回収を実現できる有望なアプローチとなっています。

Captura は海洋を利用して拡張可能な除去を実現するために、海水から酸や塩基を分離する電気化学プロセスを設計しています。酸は海水中の CO₂ 除去に使用され、永久的な地質学的貯蔵のために注入されます。塩基は残りの海水を処理して安全に海に戻すために使用され、その後、海洋は大気からさらに CO₂ を吸収します。Captura は、電気効率を向上させ、除去コストを削減するために最適化された皮膜を開発しています。

CarbonBlue は、閉ループサイクルでカルシウムを用いて、水から溶存 CO₂ を鉱化、分離、除去しています。この方法では、純粋な CO₂ を永続的に隔離できます。また、淡水と海水の両方に対応しており、再生プロセスには廃熱を利用できます。チームは、海水淡水化プラントやその他の取水事業と連携し、使用エネルギーとコストの削減に取り組む予定です。

CarbonBuilt のプロセスでは、低濃度の CO₂ をただちに炭酸カルシウムに変えて、従来のコンクリートの代替となる「妥協のない」低炭素の選択肢を生み出します。CarbonBuilt の技術基盤は恒久的に CO₂ を貯留するための収益化および大規模化が可能なソリューションであるため、直接空気回収技術を利用する今後の炭素除去システムにおいて重要な要素となる可能性があります。

CarbonRun は、安価で豊富に手に入る石灰岩を風化させることで、河川の酸性を弱め、河川の持つ自浄作用を高める試みをしています。この試みは、河川の生態系に局所的な恵みをもたらし、大気から CO₂ を回収する河川の働きを向上させます。自然の炭素輸送システムである河川によって、CO₂ は海洋まで運ばれ、重炭酸塩の形で永久保存されます。

CarbonCure は CO₂ を生コンクリートに注入します。コンクリートの中で CO₂ は無機化され、永久的に格納され、同時にコンクリートの圧縮強度は高まります。同社は現在は廃棄物である CO₂ を利用していますが、今後の炭素除去システムの主要コンポーネントである CO₂ の永続的な貯蔵のための高い将来性を持つプラットフォームテクノロジーを提示しています。

Carbon Atlantis は、電気化学的 pH スイングとして知られるプロセスを用いています。このプロセスでは溶媒を使って CO₂ を捕獲し、酸を使って CO₂ を放出します。この手法は、固体高分子形燃料電池と電解槽に関する近年のイノベーションに着想を得たものであり、費用対効果とエネルギー効率に優れたプロセスです。CO₂ はその後、Paebbl の鉱物化処理を経て、建築資材に永久保存されます。

Carbon To Stone は、CO₂ を空気中から直接回収するダイレクト・エア・キャプチャー (DAC) の新しい方法を開発しています。この方法では、CO₂ を結合する溶剤をアルカリ廃液と反応させて再生します。従来の熱や圧力による溶剤の再生に代わって、製鋼スラグのような低コストのアルカリ廃液を直接無機化することで、チームは必要なエネルギー、ひいてはコストも大幅に削減できます。この CO₂ は固形の炭化物質として永久に貯蔵し、セメントの代わりとして使用できます。

Cella は無機化によって炭素を安全かつ確実に貯蔵するための選択肢を増やしています。CO₂ を塩水と地熱ブライン廃棄物とともに火山岩層に注入することで、CO₂ を固体鉱物の形状に変える自然プロセスを加速化させます。このアプローチでは、コストを下げ、環境への影響を最小限に抑えることができます。Cella の技術は低炭素の地熱を取り込んだものであり、さまざまな捕獲方法と組み合わせることが可能です。

Climeworks は Carbfix とともに、再生可能な地熱エネルギーと廃熱を使用して、大気中の CO₂ を直接回収、濃縮し、地下の玄武岩質の地層に永久的に隔離します。まだ事業拡大の初期にありますが、永続性があり、計測しやすいこのアプローチの潜在能力は論理的にはほぼ無限です。

CREW は、自然風化を強化するための特殊な反応装置を建設中です。このコンテナ型のシステムでは、アルカリ性鉱物の風化をスピードアップするための最適な条件を作り出し、排出された水は廃水からの CO₂ を重炭酸イオンとして安全かつ永久に海洋に保存します。CREW のシステムにより、 除去された CO₂ の測定が容易になり、大気からの直接回収やバイオマスシステムなど、さまざまな発生源からの CO₂ と反応し、規模を最大化することができます。

EDAC Labs は電気化学プロセスを用いて、酸と塩基を生成しています。生成された酸は鉱業廃棄物から希少金属を再資源化する際に使われ、塩基は空気から CO₂ を回収する際に使われます。さらに、酸と塩基の流れを組み合わせることで、電池などの用途に販売される金属や、CO₂ を永久保存できる固体炭酸塩が生産されます。

Ebb Carbon は CO₂ を回収しながら海洋の酸性化を緩和します。薄膜と電気化学を使用して、Ebb は海から酸を除去し、空気中の CO₂ を海洋重炭酸塩として貯蔵する自然の能力を高めます。

Eion は、ケイ酸塩岩を土壌に混ぜることで鉱物風化を促進しています。同社のペレット状の製品は、農家や牧場で土壌中の炭素を増加させるために使用され、時間の経過とともに海に流れ込み、重炭酸塩として永久に貯蔵されることになります。Eion は技術開発と並行して、CO₂ の吸収量を測定するフィールドを改善するための新しい土壌調査を行っています。

Equatic は世界中の海のエネルギーと規模を活用して、炭素を除去します。Equatic の実験的な電気化学プロセスでは、海水中の CO₂ を炭酸塩として隔離します。炭酸塩は貝殻に匹敵する不活性物質であるため、エネルギー効率がよく、恒久的に CO₂ が除去されます。

Holocene は、低コストで生産可能な有機分子を使用して空気中の CO₂ を回収します。このプロセスでは、まず、空気中の CO₂ を水溶液に通して回収します。次に、化学反応でこの物質を固体として結晶化します。この固体を加熱して CO₂ を放出させることで、水を加熱する際のエネルギー消費を最小限に抑えます。Holocene のプロセスは低温で実行されるため、必要エネルギーの削減、エネルギーの柔軟性、全体的なコスト低下がさらに促進されます。

Inplanet は CO₂ を永久に隔離し、熱帯土壌を再生するために、自然鉱物の風化を促進しています。農業従事者と協力し、より暖かく湿った環境下で安全なケイ酸塩岩石粉末を散布します。こうすることで、風化速度と CO₂ の削減を早めることができます。チームは観測施設を開発中であり、ここでは公共のフィールドトライアルデータを生成し、ブラジル全土の熱帯土壌と気象条件において風化率がどのように変化するかについてフィールドの理解を深めていく予定です。

KodamaYale Carbon Containment Lab は、木くずバイオマスを地下の無酸素チャンバーに埋めて分解を防ぐという概念実証メソッドを展開しています。チームは、チャンバーの状態と地表の撹乱が耐性とリバーサルリスクにどのように影響するかを調査する予定です。

Living Carbon は、藻類を操作して、高耐久性バイオポリマーであるスポロポレニンを短時間で生成することを目指しています。スポロポレニンは、乾燥させて収穫し、貯留することができます。初期の研究では、スポロポレニンの耐久性と、短時間で生成するために最適な藻類の株について、この分野での考え方をより適切に理解することを目標にしています。改良された耐久性のある炭素回収のために、合成生物学の手法を適用して自然体系を設計することは、低コストで拡張性の高い炭素除去の進路となる可能性があります。

Mati は、農地にケイ酸岩の粉末をまくという手法をまず、インドの稲田から開始します。この岩石が水と CO₂ とに反応して溶存無機炭素を生成し、これがその地域の流域に貯蔵され、最終的には海洋に貯蔵されます。Mati は、水田と亜熱帯の高温を利用して風化を促進させるというこの手法で除去測定のための広範なサンプリングと土壌および河川のモデリングを行い、小規模農家にコベネフィットをもたらします。

Mission Zero は大気中から電気化学反応を使って CO₂ を除去し、それを濃縮してさまざまな隔離方法を実現します。常温で利用できる実験的なプロセスはクリーンな電力を動力源にすることができ、モジュラー型の市販の機器を使用することで低コストで大量処理を実現できる可能性があります。

Nitricity は、炭素除去を、クリーンな肥料を電化生産するための新しいプロセスに統合する可能性を探っています。 このプロセスでは、カーボンニュートラルな窒素化合物、リン鉱石、および CO₂ を組み合わせ、肥料産業向けにニトロリン酸塩を生成し、CO₂ を石灰岩として永続的に貯蔵します。 この新しい経路は、希薄な CO₂ ストリームに低コストの貯蔵ソリューションを提供するだけでなく、肥料産業にとっても化石燃料への依存から脱却できるという相乗利益をもたらす可能性があります。

Planetary は、測定可能な炭素除去のために海洋を利用します。排水処理施設や発電所の冷却ループなどの既存の海洋排出口にアルカリ性物質を投入することで、海洋中の重炭酸イオンとしての CO₂ の隔離を安全かつ恒久的に加速させます。Planetary はさらに、高度な測定とモデリング技術を通じて炭素除去を検証します。

Project Vesta は自然界に豊富に存在する、かんらん石と呼ばれる鉱石を利用して CO₂ を回収します。かんらん石は海洋の波によって摩耗し、その結果、表面積が増します。かんらん石は砕けると、海洋における大気中の CO₂ を回収し、海底の石灰石として固定します。

RepAir は、新しい電気化学電池によるクリーンな電気を使って大気中の CO₂ を回収しています。回収した CO₂ は、Carbfix の協力を得て地下に注入し、鉱物化されます。RepAir が実証する回収ステップのエネルギー効率はすでに注目すべきものであり、進化し続けています。このアプローチによって、配電網への負荷を最小限に抑えた低コストの炭素除去を実現できる可能性があります。

Running Tide は外洋で炭素除去を行うためのプロセスを拡大しています。同社の浮標は炭素を多く含む森林副産物から作られており、炭酸塩物質でコーティングされ、大型藻類が植えられています。浮標は海洋のアルカリ度を高め、大型藻類を成長させたあとで、バイオマスを深海に沈めます。この拡張可能なアプローチでは、光合成、海流、重力を利用しています。

Spiritus は、市販の材料から作られた吸着剤と、CO₂ を回収するのにほとんどエネルギーを必要としないパッシブエアコンタクターを使用しています。CO₂ が浸透した吸着剤は、新たな脱着プロセスを使用して再生されます。この新プロセスでは、CO₂ を回収し、DAC (Direct Air Capture) 手法で通常使用される高温真空チャンバーよりも少ないエネルギーで吸着剤を再利用できるようにします。高性能で低コストの吸着剤と再生エネルギーの低さが、低コストへの道を開きます。

Sustaera はセラミックモノリスエアコンタクターを使用して、空気中から直接 CO₂ を回収し、地下に永久貯蔵します。同社の直接空気回収システムは、無炭素の電力で作動します。モジュラーコンポーネントで構築されており、スピーディーな製造と大規模な回収に対応できるように設計されています。

Travertine は、炭素除去を目的とした化学製品製造のリエンジニアリングを行っています。電気化学を利用して硫酸を生成することで、超苦鉄質鉱くずの風化を加速化させ、大気中の CO₂ を地質学的なタイムスケールで安定性のある炭酸塩鉱物に変換する、反応性が高い元素を放出させます。このプロセスにより、鉱山廃棄物は炭素除去の資源となるだけではなく、バッテリーなど、他のクリーンエネルギーへの移行技術の原材料に変わります。

UNDO は粉砕した玄武岩を農地に散布し、岩石を風化させるための自然プロセスを加速させています。雨水に溶解した CO₂ は岩石と反応して鉱化し、重炭酸塩として地質学的なタイムスケールで安全に保存されます。チームは、炭素除去のための永続的で拡張可能な、自然対応型の技術として、向上した岩石風化の証拠をさらに築くために、ラボとフィールドでの試験を実施しています。

Vaulted Deep は、有機廃棄物を耐久性のある縦穴に注入します。この中で、廃棄物中の炭素が分解されながら隔離されます。このプロセスでは、特殊なスラリー注入技術を使用することにより、最小限のエネルギーと前処理で幅広い有機炭素源を処理できます。このシステムは、大規模かつスピーディーな導入を実現する可能性を備えています。

Arbon は「湿度スイング」と呼ばれるプロセスを用いて、大気中から CO₂ を回収しています。このプロセスで使われる吸着剤は、乾燥しているときに CO₂ を吸着し、湿っているときに CO₂ を脱着します。温度と圧力を使って CO₂ 脱着する方法よりも使用エネルギーが少なく、また、数千サイクルを繰り返しても吸着剤は安定的に CO₂ を吸着できることが分かっています。このプロセスによるイノベーションは、DAC コストを削減できる可能性があります。

Vycarb は、リアクターを使って石灰岩のアルカリ性を沿岸海水に加え、これにより大気中の CO₂ の減少と貯蔵を実現します。この分解システムに備わっている新型の感知装置によって、水質の基準検査を行い、炭酸カルシウムを溶解し、制御された量でアルカリを沿岸海水に投与します。このクローズドシステムにより、加えられた溶解アルカリ性と除去された CO₂ の量を測定しやすくます。

Carboniferous は、サトウキビの残り繊維やトウモロコシの茎葉を束状にして、メキシコ湾にある塩分濃度が高く酸素の少ない、深い海盆に沈めています。酸素が足りなく、動物やほとんどの微生物が生息できない環境ゆえ、バイオマスの分解速度が遅くなります。そのため、海洋堆積物にバイオマスが効率的に保存され、永続的に蓄積されます。チームは、沈没したバイオマスの機能面の安定性と、海洋生物地球化学との相互作用を調べる実験を行う予定です。

Rewind は、地球上で最大の無酸素水域である黒海の無酸素底水に、船からクレーンを使って農業残渣と森林残渣を沈めます。無酸素水はバイオマス分解を劇的に遅らせます。黒海には生物がいないため、潜在的な生態系リスクが抑えられます。このプロセスにより、手頃な価格で環境に安全な炭素除去が可能になります。

技術的な審査担当者

Brentan Alexander 博士

Tuatara Advisory
Tech to Market

Stephanie Arcusa 博士

アリゾナ州立大学
ガバナンス

Habib Azarabadi 博士

アリゾナ州立大学
大気からの直接回収

Damian Brady 博士

Darling Marine Center University of Maine
海洋

Robert Brown 博士

アイオワ州立大学
バイオ炭

Holly Jean Buck 博士

ニューヨーク州立大学バッファロー校
ガバナンス

Liam Bullock 博士

Geosciences Barcelona
地球化学

Wil Burns 博士

ノースウエスタン大学
ガバナンス

Micaela Taborga Claure 博士

Repsol
大気からの直接回収

Struan Coleman 氏

Darling Marine Center University of Maine
海洋

Niall Mac Dowell 博士

インペリアル・カレッジ・ロンドン
バイオマス / バイオエネルギー

Anna Dubowik 氏

ネガティブエミッションプラットフォーム
ガバナンス

Petrissa Eckle 博士

スイス連邦工科大学チューリッヒ校
エネルギーシステム

Erika Foster 博士

Point Blue Conservation Science
エコシステムエコロジー

Matteo Gazzani 博士

ユトレヒト大学、コペルニクス持続的開発研究所
大気からの直接回収

Lauren Gifford 博士

アリゾナ大学、地理・開発・環境学部
ガバナンス

Sophie Gill

オックスフォード大学地球科学部
海洋

Emily Grubert 博士

ノートルダム大学
ガバナンス

Steve Hamburg 博士

Environmental Defense Fund
エコシステムエコロジー

Booz Allen Hamilton

エネルギーテクノロジーチーム
バイオマス / 大気からの直接回収

Jens Hartmann 博士

ハンブルク大学
地球化学

Anna-Maria Hubert 博士

カルガリー大学法学部
ガバナンス

Lennart Joos 博士

Out of the Blue
海洋

Marc von Keitz 博士

Grantham Foundation for the Protection of the Environment
海洋 / バイオマス

Yayuan Liu 博士

ジョンズ・ホプキンズ大学
電気化学

Matthew Long 博士

アメリカ大気研究センター
海洋

Susana García López 博士

ヘリオット・ワット大学
大気からの直接回収

Kate Maher 博士

スタンフォードウッズ環境研究所
地球化学

John Marano 博士

JM Energy Consulting
Tech to Market

Dan Maxbauer 博士

カールトン大学
地球化学

Alexander Muroyama 博士

Paul Scherrer Institut
電気化学

Sara Nawaz 博士

オックスフォード大学
ガバナンス

Rebecca Neumann 博士

ワシントン大学
バイオ炭 / 地球化学

NexantECA

エネルギーテクノロジーチーム
バイオマス / 大気からの直接回収

Daniel Nothaft 博士

ペンシルベニア大学
無機化

Simon Pang 博士

ローレンス・リバモア国立研究所
大気からの直接回収

Teagen Quilichini 博士

カナダ国立研究評議会
生物学

Zach Quinlan 氏

スクリップス海洋研究所
海洋

Mim Rahimi 博士

University of Houston
電気化学

Vikram Rao 博士

Research Triangle Energy Consortium
無機化

Paul Reginato 博士

UC バークレー、Innovative Genomics Institute
バイオテクノロジー

Debra Reinhart 博士

セントラルフロリダ大学
廃棄物管理

Phil Renforth 博士

ヘリオット・ワット大学
無機化

Sarah Saltzer 博士

Stanford Center for Carbon Storage
地質学的貯蔵

Saran Sohi 博士

エジンバラ大学
バイオ炭

Minjdert van der Spek 博士

ヘリオット・ワット大学
大気からの直接回収

Max Tuttman 氏

AdHoc グループ
Tech to Market

Shannon Valley 博士

ウッズホール海洋研究所
海洋

Jayme Walenta 博士

テキサス大学オースティン校
ガバナンス

Frances Wang 氏

ClimateWorks 財団
ガバナンス

Fabiano Ximenes 博士

ニューサウスウェールズ州一次産業省
バイオマス / バイオエネルギー

よくあるご質問

Climate Commitments に関する一般的な質問への回答をご覧ください。