請求ソフトウェアの選び方と提案依頼書のテンプレート

このガイドでは、プロバイダーの評価方法と、RFP に盛り込む内容準をご紹介します。

  1. はじめに
  2. 販売と受注
    1. 営業チームのためのカスタマイズ
    2. セルフサービスビジネス向けに最適化された決済フロー
    3. SaaS プラットフォーム向けの埋め込み型請求
    4. すべてのビジネスモデルに適したグローバルコンプライアンス
    5. 質問事項
  3. 請求、サブスクリプション、プロビジョニングの管理
    1. 柔軟性
    2. 自動化
    3. 使いやすさ
    4. 質問事項
  4. 支払い回収とコスト削減
    1. 決済代行業者
    2. コスト削減
    3. 質問事項
  5. 顧客の維持と収入の増大
    1. 意図しない解約の低減
    2. 故意の解約の低減
    3. 質問事項
  6. レポート機能と、収入の消し込み
    1. 業績レポート
    2. 収益レポート
    3. 質問事項
  7. Stripe が大企業に提供可能なサポート

効果的な請求システムとは、拡張を考慮して設計されたものです。新たな市場への参入を支援し、複雑な財務レポートの作成やコンプライアンスの準拠をサポートしてくれるものでもあります。企業各社では、ビジネスの成長にともなって新しい料金体系モデルの導入を試みたり、さまざまな決済手段に対応したり、請求システムにより高度な柔軟性を求めるようになります。

事業拡張の過程において、自社のニーズを満たす請求ソフトウェアプロバイダーを見つけるためのプロセスを開始することになるでしょう。提案依頼書 (RFP) を作成する場合、プロバイダー各社の能力や強みを把握し、各社を容易に比較できるようにするため、何が請求システムに必要なのかを定義しておく必要があります。

このガイドでは、プロバイダーの評価方法と、RFP に盛り込む内容準をご紹介します。万能なアプローチはありませんが、最も重要な質問事項とともに、MoonClerk、Slack、Noom、Figma などの企業の事例も取り上げています。すぐに始めたい場合は、検討すべき最も重要な次の 5 つの分野に対応した質問を記載した RFP テンプレートをダウンロードしてご活用ください。

1.販売と受注

  1. 請求、サブスクリプション、プロビジョニングの管理

  2. 支払い回収とコスト削減

  3. 顧客維持と売上拡大

  4. レポート機能と、収入の消し込み

販売と受注

適正な請求ソフトウェアプロバイダーには、現在の営業チームの動きや、将来的な市場開拓戦略に対応していることが求められます。営業チームを設けているのか、Web サイトで自動化されたセルフサービスの登録フローを採用しているのかによって、異なる請求機能を優先させることになります。両方を使用している場合は、営業チームが取引を成立させた際に新規ユーザー登録できるだけでなく、同じ顧客が自らアップグレードまたはダウングレードをした際に比例配分 (日割り / 秒割り計算) を管理できる、連携型の請求システムを持つことが極めて重要です。

営業チームのためのカスタマイズ

取引の成立と顧客への請求を 1 カ所で容易に行えるようにする請求ソフトウェアプロバイダーを探しましょう。たとえば、CRM システムに直接組み込まれている請求ソフトウェアであれば、営業チームが契約した案件から自動的にインボイスを作成したり、サブスクリプションを設定したり、契約更新があった場合にはそれを管理したりすることができます。商談には交渉がつきものですので、カスタム契約を扱える請求システムであることも重要です。年間契約の前半の 6 カ月は 100 シート分を前払いし、後半の 6 カ月は 200 シート分を前払いしたいと望む顧客がいるかもしれません。現在使用中の請求システムで、この商談を勝ち取れますか?

セルフサービスビジネス向けに最適化された決済フロー

オンライン販売のビジネスでは、スムーズな決済体験を提供することが、コンバージョンを最大化する上で極めて重要です。決済フローは、オンライン、対面、モバイルデバイスであっても簡単に注文を完了でき、カート放棄を減らし、支払い成功率を最適化し、カード情報を安全に保管し、不正使用による支払いを適切に識別してブロックするものでなければなりません。

SaaS プラットフォーム向けの埋め込み型請求

請求システムは、単に顧客への請求を行うインフラストラクチャーとして機能するだけのものではありません。ビジネスモデルによっては、提供製品の不可欠な部分にもなり得ます。SaaS プラットフォームであれば、請求機能をコア製品に直接組み込むことで、ユーザーが継続支払いとインボイス作成を使用してエンドユーザーに請求できるようにすることも考えられます。

2012 年、MoonClerk では、同社の基盤としての役割を果たすオンライン決済プラットフォームを探していました。同チームでは、小規模ビジネスがオンライン決済を受け付け、管理する仕組みを簡素化したいと考えていましたが、独自のプラットフォームをゼロから構築するほどの余力はありませんでした。

RFP 基準: 技術的な負担を増やすことなく、請求ツールの包括的なスイート (オンライン決済体験、グローバルなインボイス作成、サブスクリプション管理など) を顧客に容易に提供できるホワイトラベルソリューションであること。

すべてのビジネスモデルに適したグローバルコンプライアンス

ビジネスモデルに関係なく、最初の注文の受け付けを左右する規制要件の変化に追随しておくことが、極めて重要です。これは、顧客の居住地がどこで、どの支払い方法が使用されるかによって異なります。たとえば、ACH デビットで支払うアメリカの顧客は、少額入金や直接銀行と連携することで、アカウントを確認する必要があります。ヨーロッパの多くのオンライン購入では、強力な顧客認証 (SCA) で、3D セキュアなどの 2 段階認証を使用して取引を認証することがビジネスに義務付けられています。また、ヨーロッパの B2B 購入では、法規制に準拠するために請求書に含めるべき必須フィールドがあります。

質問事項

営業チームに関して

  • その請求プロバイダーは既存の CRM システムと連携できますか?
  • 営業チームは製品カタログや請求ロジックに基づいて見積もりを作成できますか?
  • 承認された見積もりを別の新しいインボイスやサブスクリプションに変換できますか?契約が修正された場合に、承認された見積もりに合わせて既存のサブスクリプションを更新できますか?
  • 見積もりは、高度な請求シナリオ (分割払い、前払い、スケジュール済みの使用量増加など) に対応するように設計されていますか?

決済フローに関して

  • その決済フローを使用した場合、顧客は対面でも、モバイルデバイス上でも、サブスクリプションをオンラインで開始できますか?
  • その決済フローには、リアルタイムのカード検証、住所のオートコンプリート、地域に合わせたフォーマットの変更など、コンバージョンを最適化する機能が組み込まれていますか?
  • その決済フローは、支払いのコンバージョンを向上させる機能を提供しますか?どの程度成功していますか?
  • 不正な支払いを検出してブロックする、不正使用のロジックは組み込まれていますか?
  • 顧客の支払い情報を安全に保管し、その支払い情報に対して定期的に、正確に請求できますか?

SaaS プラットフォームに関して

  • プロバイダーの請求機能 (継続支払いやインボイス作成など) を自社の提供製品に組み込んで、顧客に販売できますか?

グローバルコンプライアンスに関して

  • ヨーロッパでのオンライン購入の際や、カード保有者の銀行が要求する場合に、3D セキュアのような 2 段階認証をサポートしていますか?
  • ACH で支払うアメリカの顧客のために、少額入金や銀行との直接の連携に対応できますか?
  • カナダでのプレオーソリデビットや、SEPA ダイレクトデビットのような、口座引き落としでの支払いの場合に、顧客の口座引き落としのオーソリを要求できますか?
  • インド準備銀行の認証要件に準拠し、インドのカード保有者に請求する前に、委任登録を処理し、自動的に事前引き落とし通知を送信しますか?
  • インドの取引データのインド国内での保管を律するデータローカライゼーション規制に準拠していますか?
  • ドイツの顧客がログインせずに既存のサブスクリプションをキャンセルできるように、クリック 1 回でのキャンセルを提供できますか?
  • 請求書のテンプレートは新たな規制要件に合わせて定期的に更新され、顧客の居住地に応じてカスタマイズが可能ですか?

請求、サブスクリプション、プロビジョニングの管理

継続データモデル、つまり継続データアーキテクチャーは、請求システムの中央に位置するものです。これにより、請求、サブスクリプションのライフサイクル、およびサービスの管理を可能にします。このアーキテクチャーには、顧客がいつどのように請求されるか、各種機能へのアクセスがどのタイミングで顧客に付与されるか、または付与が取り消されるか、他の内部システム (CRM システム、ERP システム、税金プロバイダー、または注文管理ソリューションなど) との間で情報がどのように送受信されるか、といったことの背後にあるロジックが組み込まれます。新しい製品ラインの導入、さまざまな料金体系のテスト、新たな市場への参入にも対応できる、柔軟で、自動化された、使いやすい継続データモデルを持つプロバイダーを探しましょう。

柔軟性

請求ソフトウェアを選ぶためのプロセスを開始する前に、顧客への請求方法を検討することが重要です。そうすることにより、さまざまな請求システムが現在の料金体系のニーズを満たすかどうかを評価することができます。そうは言っても、オンラインビジネスの大半はシンプルでも静的でもありません。継続ビジネスでは、競合状況、顧客の支払い意欲の変化、提供製品への投資額に応じて、パッケージと料金体系を定期的に変更します。理想的な請求ソリューションの条件として、使用量ベースの料金体系などのさまざまな料金体系モデルを試行できる柔軟性を備えていることが挙げられます。使用量ベースの料金体系とは、顧客のストレージ使用量 (ギガバイト単位) や毎月のアクティブユーザー数に基づいて請求が行われる料金体系のことです。また、顧客が選択する機能のパッケージによって料金が変わる、段階的な価格設定も可能です。

プロモーション戦略 (割引やクーポンの提供など) のカスタマイズを容易にし、(前金の徴収あり / なしで) 無料トライアルを提供できるようにし、さまざまな請求シナリオ (製品の使用量に基づいて顧客に請求する、将来の開始日でサブスクリプションをスケジュールする、サブスクリプションの日付をさかのぼる、分割払いで請求するなど) に対処する、請求システムを見つけましょう。

Slack では、この数年にわたり、Amazon、IBM、HSBC といった大規模企業へのサービス展開を拡大してきました。そのため同社では、膨大なエンジニアリングリソースをコア製品から振り向けることなく、成長支援を実施できるパワフルで柔軟性のある請求プロバイダーを探していました。

RFP 基準: ACH やクレジットカードによる支払いをグローバルにサポートしていること。顧客ごとの使用量ベースのカスタム請求書 (複数の決済手段に対応) を自動化できること。請求プランと請求頻度を顧客が調整できるようにし、適切な税率や VAT をグローバルに適用できること。

自動化

税金の計算や徴収 (顧客の居住地がどこであるかによって大幅に異なります) などの複雑なタスクを自動化することで、人為的エラーを削減します。ビジネスの規模が拡大するにつれ、自動化が重要となります。その理由は、顧客がサブスクリプションを一時停止、アップグレード、ダウングレード、キャンセルした場合に、売上を正確に計上し、請求書を比例配分 (日割り / 秒割り計算) するのが面倒で時間がかかるようになるためです。また、顧客が購入した機能に確実にアクセスできるようにするために、サービスの管理においても継続データモデルが不可欠な役割を担います。

使いやすさ

請求およびサブスクリプションのキーとなる詳細をダッシュボードに表示することで、技術な専門知識を持たないチームメンバーが、必要に応じて手動でサブスクリプションやインボイスを作成または更新できます。サブスクリプションの管理、未払いのインボイスへの支払い、決済の詳細表示など、専用ポータル 1 カ所で顧客自身が操作できるようにすることも必要です。

質問事項

柔軟性

  • 請求ソフトウェアのプロバイダーは、使用量ベースの料金体系、適正・最良の料金設定、定額料金 + 超過料金など、さまざまな料金モデルをサポートしていますか?
  • 特定の明細項目や特定の注文に割引を適用できますか?
  • 顧客は支払いの詳細を追加して / 追加せずに、無料トライアルを開始できますか?
  • 顧客はサブスクリプションの開始前に前払いできますか?
  • 将来の開始日でサブスクリプションをスケジュールできますか?
  • 過去のサービスに対して請求するために、サブスクリプションの日付をさかのぼることはできますか?
  • 顧客に分割払いの請求を行えますか?
  • カスタムの取引について 1 回限りのインボイスを作成できますか?
  • 顧客はインボイスの支払いを直接行えますか?

自動化

  • サブスクリプションやインボイスについて、消費税や VAT は自動的に計算され徴収されますか?
  • その請求プロバイダーは、アップグレード、ダウングレード、キャンセルについて、比例配分 (日割り / 秒割り計算) をサポートしていますか?
  • その請求システムは、どの顧客がどの機能にいつアクセスしたかを特定するための情報源として使用できますか?

使いやすさ

  • 技術な専門知識を持たないチームメンバーがサブスクリプションやインボイスを作成および管理できる内部ダッシュボードはありますか?
  • 顧客が自身のサブスクリプションやインボイスを管理したり、支払いの詳細を更新したりできる、専用ポータルはありますか?

支払い回収とコスト削減

同一のプロバイダーを利用して支払い処理や請求を行うことは、登録者のロイヤルティを高め、売上拡大やコスト削減につながります。それだけにとどまらず、決済関連の主要な要素がすぐに使える状態かつ連結されていることにより、新しい決済手段が利用可能になった場合も、自社の請求管理システムと連携され、安心して使い続けることができます。

決済代行業者

支払いの詳細を安全にキャプチャーするためには、決済代行業者に接続する必要があります。代行業者は多くの場合トークン化を使用して支払い詳細を匿名化し、機密情報を自社のシステムに保存しないようにします。これにより、PCI 標準と呼ばれる業界全体にわたるセキュリティガイドラインに準拠できるようになります。

効果的な決済代行業者なら、決済手段を顧客の好みに基づいてカスタマイズできるようにするはずです。たとえば、中国ではオンライン取引の 54% に Alipay や WeChat Pay などのウォレットが使用され、20% に現地のカードネットワーク China Union Pay (中国銀聯) が使用されています。これらの決済手段に対応しなければ、中国の消費者の成長を続ける膨大な購買力を逃してしまう可能性があります。

Noom では、デジタルヘルスプラットフォームを世界規模で拡大するための準備を進めており、より柔軟性の高い決済機能を世界中の顧客に提供できるような請求システムを必要としていました。

RFP 基準: 人気の高い決済手段を受け付け、さまざまな支払いオプションをテストし、顧客の好みに基づいて通貨や決済手段をカスタマイズする能力。

コスト削減

請求ソフトウェアのプロバイダーには、支払い処理に関連したコストの削減をサポートできることも求められます。それは以下のような内容が挙げられます。

  • 現地での処理: ビジネスがグローバルに拡大し、国際的な決済手段で処理する取引が増えるにつれ、ネットワークコストが増大します。国外で発行されたカードは、異なるインターチェンジフィーが課され、国境を越えたブランドフィーが追加で請求されます。一方、顧客の居住地で処理する場合、国内レートで受け付けて、国境を越える手数料を避けることができるため、コストが低くなります。

  • カード発行会社により多くの取引データの提供: カード発行会社に渡せるカード保有者のデータはどれもが貴重であり、正当な取引かどうかをカード発行会社が検証する上で役立ち、コストの相殺につながります。特に郵便番号と、レベル 2 またはレベル 3 データは、コスト削減に多大な影響を及ぼします。

  • より低コストの決済手段の提供: アメリカの ACH デビット、ヨーロッパの SEPA ダイレクトデビット、オーストラリアの BECS ダイレクトデビットなど、カードネットワークを介さない支払い方法を受け付けることで、コスト削減のメリットを享受できます。カードネットワークを通す方法でも、低コストの決済手段を提供することで、コストを抑える機会が得られる可能性もあります。Apple Pay や Google Pay のようなデジタルウォレットの場合、取引の料金体系はカードと同じですが、これらの決済手段は多段階の顧客認証が必須であり、チャージバックの減少や、不審請求の申請の減少 (関連コストの減少) につながります。

質問事項

各地域に適応した、最適化された決済

  • その請求ソフトウェアプロバイダーはペイメントプロバイダーと直接連携していますか?それが難しい場合は、主要なクレジットカードやデビットカードに対応するために、希望する決済ゲートウェイに接続していますか?
  • ウォレット、口座引き落とし、送金、銀行へのリダイレクトのような、多様な決済手段をサポートしていますか?
  • グローバルな支払いや通貨をサポートしていますか?

コスト削減

  • 請求ソフトウェアのプロバイダーは、現地アクワイアリングによる決済処理に対応していますか?(通常、現地アクワイアリングにより、ビジネスはコンバージョン率を高め、カード取引のコストを削減できるようになります)
  • 郵便番号データをカード発行会社に渡せますか?
  • レベル 2 とレベル 3 のデータ (購入された品物の説明、購入された数量単位、総額、単価など) をカード発行会社に渡せますか?
  • 口座引き落としやデジタルウォレットのような、より低コストの決済手段を提供できますか?

顧客の維持と収入の増大

経常収益ビジネスでは、意図しない解約 (顧客は支払う意思があるものの、支払いが失敗すること) と、故意の解約 (顧客が意図的にサブスクリプションをキャンセルすること) の両方を管理する必要があります。請求ソフトウェアプロバイダーは、両方のタイプの解約のリスクを最小化するための、拡張性のあるソリューションを提供することが理想的です。結局のところ、新規顧客を獲得することは、既存顧客を維持することよりもはるかに困難で、コストもかかります。

意図しない解約の低減

解約のほぼ 1/4 は意図しないものであり、未払いや、カードの拒否によるものです。しかし、強力な支払い再試行システムなら、失敗した支払いの 1/3 以上を回収できます。支払いの自動再試行を可能にする請求ソフトウェアプロバイダーを探しましょう。そうすることで、独自の再試行スケジュールを設定することや、再試行ロジックのための機械学習アルゴリズムを使用することが可能になります。また、失敗した支払いについて顧客に自動的に通知する、支払い情報を簡単に更新する、有効期限が切れないうちにカード情報の更新を促す積極的なリマインダーを送信する、といったことが必要になることもあるでしょう。一部の請求プロバイダーでは、カードネットワークと直接連携して、紛失したカードや、期限切れになった、盗難にあった、破損したカードなどの自動更新にも対応しています。

Postmates では、業界での顧客獲得コストが非常に高いことから、決済からサブスクリプションの更新まで、顧客がたどる各ステップを最適化して収益増加につなげられる決済プラットフォームを探していました。

RFP 基準: ネットワークによる支払いの不承認をリアルタイムで再試行することで初回のサブスクリプション決済のオーソリ成功率を向上させるとともに、カードネットワークとの既存の関係を向上させて、期限切れになった、または再発行された保存済みカードの認証情報を更新するシステムであること。さらには、失敗したサブスクリプション決済を再試行するタイミングを機械学習アルゴリズムによって最適化できるツールであること。

故意の解約の低減

請求ソフトウェアプロバイダーは、顧客の詳細を管理および維持して、顧客との継続的な関係を促進します。結果として、顧客の解約の大多数を占める故意の解約を減らすための重要なポジションに立つことになります。顧客がキャンセルの兆候を示した場合、自動化された解約防止ロジック (キャンセル理由に基づいてカスタマイズされた割引を提供するなど) により、キャンセルを思いとどまるよう促すことができます。キャンセルの可能性がある顧客がいることを営業チームやサポートチームに知らせて個別に対応することで、問題や懸念に対処することも必要でしょう。

質問事項

意図しない解約の低減

  • その請求ソフトウェアプロバイダーは紛失した、期限切れになった、盗難にあった、破損したカードを自動的に更新しますか?
  • 顧客の支払いが失敗したときや、カードの期限が切れそうなとき、サブスクリプションの更新前に、メールやショートメッセージが自動的に送信されますか?メールやショートメッセージをカスタマイズして応答率を向上できますか?
  • 失敗した取引を自動的に、カスタマイズしたスケジュールで再試行するための、組み込みの督促エンジンは提供されますか?その督促エンジンは機械学習アルゴリズムを利用していますか?どのような決済手段に対応していますか?

故意の解約の低減

  • キャンセルフローの中で顧客に対してアンケートを行い、解約の理由を把握できますか?
  • キャンセルしようとしている顧客に対して、カスタマイズされたメッセージや特別なオファーを提供するなど、解約防止のためのロジックを構築できますか?
  • 解約を防ぐための細やかなサービスを提供するために、営業やサポートのシステムと統合できますか?

レポート機能と、収入の消し込み

請求ソフトウェアは、顧客のアクティビティやビジネスの健全性についての、極めて重要なインサイトです。こうしたインサイトをレポートとしてまとめ、業績の理解や、会計・財務上の目的での収入の消し込み、収益認識を助けるものでなければなりません。

業績レポート

レポート機能やコンプライアンスについてのニーズを満たすには、いかなる請求システムも、MRR、LTV、解約、コホートのサブスクリプション維持率、回収の有効性、AR 売掛金年齢などの指標について、現況を示すダッシュボードを提供すべきです。データを掘り下げ、区分化し、分析することで、業績の背後に内在する原動力を把握できることが必要です。場合によってはより複雑な分析のために、データを外部のデータウェアハウスに送信する可能性があることも念頭に置いておきましょう。

Figma の財務チームでは、同社の成長と歩調を合わせるため、主要目標に対して各部門がどのように実践しているかを理解し、うまくいっていること、そうでないことを特定し、必要な場合は軌道修正したいと考えていました。

RFP 基準: セルフサービスの顧客に対しても、大規模企業に対しても、サブスクリプションの支払いとインボイス作成の両方を受け付ける機能。支払いデータに関するほぼリアルタイムのレポート機能を提供していること。追加の、構造化された情報を保管するための、メタデータパラメータを使用した柔軟なレポート機能により、すべての記録体系にわたるデータの一貫性を保証していること。

収益レポート

継続的なサブスクリプション、利用状況に基づく請求、またはフルフィルメントベースの請求モデルを使用するビジネスの場合、ASC 606 や IFRS 15 に従ってインボイスごとの収益を手動で認識することは、特にビジネスが拡大するにつれ、面倒で時間のかかる作業になります。収益認識や消し込み用のソフトウェアを使用すれば、手動プロセスの簡素化を促し、ビジネスの収益や財務実績について包括的な視点が得られます。財務レポート作成ソリューションは、自動的に契約を処理し、アップグレード、ダウングレード、返金、回収不能金、不審請求の申請などにも対処することができるため、財務チームは監査に対応した財務諸表を作成することができます。

質問事項

業績レポート

  • 請求ソフトウェアのプロバイダーは、データ (MRR、トライアルからのコンバージョン、新規 / アクティブサブスクリプション、成長率、解約率、回収効率、キャンセル防止率など) に対する完全な可視性を持つ、自動化されたレポートやダッシュボードを提供しますか?
  • データのセグメント化、監査、分析を行えますか?
  • 請求データにさまざまな方法でアクセスできますか?たとえば、請求に関する主要な指標を、ダッシュボードで確認できますか?指標をダウンロードできますか?また、外部のデータウェアハウスを使用する場合、データを簡単にエクスポートできますか?

収益認識と消し込み

  • その請求プロバイダーは、自社の CRM と連携して販売契約の認識やレポート作成を行いますか?
  • ERP や会計システムと連携できますか?
  • 収益認識の表およびグラフ (収益ウォーターフォールなど) や、会計レポート (貸借対照表や損益計算書など) は、自動化されたものが提供されますか?
  • 収益の認識や繰り延べの方法やタイミングを、ビジネスモデルに応じてカスタマイズできますか?
  • 売掛金、返金、不審請求の申請、アップグレード、ダウングレードを追跡できますか?
  • 社外の監査者に提出するための準備として、レポートを迅速かつ簡単に監査できますか?
  • さまざまなソースから収入をキャプチャーして一元管理し、1 つのシステムでレポート作成を実行できますか?

Stripe が大企業に提供可能なサポート

Slack や Atlassian のような大規模企業を含め、15 万社以上のビジネスが Stripe Billing を使用して 1 回限りの支払いまたは継続支払いを、カード、ACH、およびその他の人気の決済手段を通して全世界で回収しています。Billing API は、既存のウェブサイト、モバイルアプリ、および CRM システムと簡単に連携し、開発者はカスタマイズしたサブスクリプションロジックや料金体系モデルを素早く設計してテストし、開始することができます。

  • 新たな収入源の立ち上げ: 新たなビジネスモデルを導入することで、顧客の好みや業界の変化を先取りします。Billing は、ユーザー毎の価格設定、従量課金、カスタム料金体系など、数多くの料金体系モデルに対するサポートを、そのまますぐに利用できる形で提供します。

  • 新規市場への参入: 単一の API 連携を使用することで展開をスピードアップし、顧客がどこにいてもリーチできます。Stripe Billing と Invoicing も、新たな規制に基づいて定期的に更新されますので、国の要件に応じたインボイステンプレートのカスタマイズも簡単に行えます。

  • より多くの収入を得る: Stripe では、Stripe ネットワーク全体から取得した数百万のデータシグナルを使用して、支払いが成功しやすいタイミングで、失敗した支払いを再試行します。2021 年には、Stripe Billing の使用により、失敗した請求の平均 38% が回収されました。Stripe がカードネットワークと直接やり取りし、新しいカード番号や有効期限などの支払いの詳細を更新します。

  • 会計エラーやレポートの見落としの最小化: 統合されたレポート機能や正確な会計管理を実現する単一プラットフォームにより、コストとリスクを削減します。Revenue Recognition (収益認識)消し込み税額計算と回収、および強力な分析機能が、Stripe Billing にネイティブに組み込まれています。

  • 既存システムとの連携:Salesforce のような CRM システム、NetSuite ような ERP や会計システム、およびその他のシステムに接続することで Stripe Billing は注文から収入までのワークフローの中央でその役割を果たします。

詳細については、Stripe のサブスクリプションに関するドキュメントおよび請求書の作成に関するドキュメントをご覧ください。顧客への請求と決済の受け付けを Stripe で開始するには、アカウント登録をするか、営業チームへお問い合わせください。

今すぐ始めましょう

アカウントを作成し、支払いの受け付けを開始しましょう。契約や、銀行情報の提出などの手続きは不要です。貴社ビジネスに合わせたカスタムパッケージのご提案については、営業担当にお問い合わせください。