顧客
Customer (顧客) リソースは、Stripe の主なエンティティです。これを使用して、サブスクリプションおよび 1 回限りのインボイスを顧客に請求するために必要な、すべてのプロファイル、請求、および税務に関する情報を保存します。
顧客を管理する
請求するすべての新規ユーザーまたはビジネス向けに顧客を作成します。新しい顧客を作成するときは、最小限の顧客プロフィールを設定して、有用なインボイスを作成し、Smart Retries (督促) を有効にします。顧客を作成して設定したら、それを使用してサブスクリプションを作成し、1 回限りのインボイスを発行します。
使用できるプロパティとユーザ
顧客リソースには、請求体験をカスタマイズするために設定できる多くの便利なプロパティがあります。このセクションでは、顧客に保存できるプロパティと、それぞれの効果について説明します。
顧客プロフィール
基本的な顧客プロフィールは、インボイスや領収書の生成に利用でき、おおまかに言えば、アプリケーションでの簡略なカスタマリレーションシップ管理システム (CRM) として機能できます。
最小限の顧客プロフィール
顧客を作成する際には、以下のプロパティを設定します。
- メールアドレス
- 顧客の氏名
- アプリケーションの内部顧客 ID への参照が設定されたメタデータ
Stripe は、自動請求プロセスの一環として、Email address (メールアドレス) を使用し、支払いが失敗した場合や、支払いを完了するために追加アクションが必要な場合に顧客に通知することができます。
アプリケーションの内部顧客 ID をメタデータ属性に格納します。ほとんどの Stripe リソースと同様に、顧客リソースには Metadata (メタデータ) オブジェクトハッシュが含まれ、コンテキストに応じたキーと値の情報を柔軟に格納できます。監査とサポートに利用できるように、内部顧客 ID をキーと値のペアとして顧客リソースに保存します。これにより、内部参照 ID を使用して顧客を検索できます。逆に、アプリケーションの内部顧客モデルと対照させて Stripe 顧客 ID を保存することをお勧めします。
請求先住所と配送先住所
請求 (インボイス、クレジットノートなど) に使用される住所、および (物品の) 配送先住所を設定するには住所プロパティーを使用します。
配送先住所は物品を配送するビジネスに最も深く関係しますが、請求先住所は、税務コンプライアンスの一般的な要件でもある、インボイス、クレジットノート、および領収書に表示されるため、こちらも重要とされます。
メールと PDF 言語のローカリゼーション
preferred_locales
プロパティを設定して、Stripe が生成したメールと PDF をローカライズします。このプロパティは、使用言語の順序付きリストを優先順に並べ替えて受け入れます。これらの優先ロケール値は、RFC-4646 に基づいています。 たとえば、英語の場合は “en”、カナダフランス語の場合は “fr-CA” となります。詳細については、インボイスのカスタマイズページをご覧ください。
顧客ごとのインボイス設定
顧客ごとのインボイスの内容をカスタマイズする方法については、インボイスのカスタマイズページをご覧ください。このページには、カスタムフィールド、インボイスのフッターの内容、およびインボイス番号のカスタマイズ方法が記載されています。
支払い
すべての支払いは顧客に関連付けられた支払い詳細から収集され、顧客は以下を含む複数の方法で支払いできます。
顧客に設定できるのは、単通貨です。このため、通貨の割り当て、顧客へのインボイス送信、顧客のクレジット残高の設定などを行った後は、通貨を変更できなくなります。通貨が変更できない状態になったことは、ダッシュボードで通貨ドロップダウンが無効になることから把握できます。
多通貨で 1 つのエンティティに請求する必要がある場合は、通貨ごとに新しい顧客を作成します。
請求処理
請求処理関連のリソースは、請求対象の顧客に関連付けられています。これらのリソースには以下が含まれます。
税金情報
税務管轄地域の要件を満たすため、インボイスに顧客の納税者番号とその他の情報の記載が必要になる場合があります。顧客のインボイスに正しい情報が記載されていることを確認することは、最終的にお客様の責任となります。確認事項には、納税者番号、非課税ステータス、所在地が含まれます。
納税番号を使用することで、インボイスに 1 つ以上の納税番号を保存して表示することができます。非課税ステータスは、そのエンティティが課税対象かどうかを示します。デフォルトでは、顧客の tax_exempt
ステータスは none
に設定されており、これは課税対象のエンティティであることを意味します。ただし、tax_exempt
プロパティを reverse
に設定して顧客にインボイスの税金を支払う責任があると指定したり、ステータスを exempt
に設定することで、顧客が非課税であることを指定することができます。tax_exempt
と reverse
の使用に関する詳細は、税率ページをご覧ください。
一般的なタスク
このセクションでは、顧客リソースで行う一般的なタスクの一部を説明します。
サブスクリプションを作成する
新しいサブスクリプションを作成する前に、請求目的のために顧客を作成する必要があります。
- 顧客を作成します。
- 商品カタログと価格を定義します。
- ステップ 1 で作成した顧客とステップ 2 で作成した価格 (または複数の価格) を使用してサブスクリプションを作成します。
サブスクリプションを作成した後でも、インボイスが確定されるまでは顧客の詳細を更新し続けることができます。変更内容はすべて、サブスクリプションの次回の請求サイクルで適用され、PDF、メール、オンライン請求書ページをレンダリングする際に顧客の最新ステータスを使用して新しいインボイスが生成されます。詳細については、サブスクリプションの仕組みページをご覧ください。
顧客に 1 回限りの (手動) インボイスを送信する
サブスクリプションのインボイスとは異なり、1 回限りのインボイスは手動で発行され、自動スケジュールに従いません。このため、セットアップやインストールの手数料、コンサルティング料金、物品の 1 回の注文など、1 回限りの注文や作業の請求に利用できます。
- 顧客を作成します。
- 説明、数量、単価、税率のインボイスラインアイテムを追加し、新しい下書きインボイスを作成します。
- インボイスの支払い方法を設定します。インボイスの支払いを回収するには、登録されている支払い方法に自動的に請求するか、またはメールでインボイスを顧客に送信します。
- インボイスを確定します。
1 回限りのインボイスの作成方法と支払いの回収方法の詳細については、1 回限りのインボイスに関するドキュメントをご覧ください。
顧客のクレジット残高を保存する
顧客のクレジット残高機能を使用すると、特定の顧客にクレジットとデビットの調整を割り当てることができます。ここで生じた残高は、その顧客の将来のインボイスに適用されます。
納税者番号を追加および検証する
インボイスドキュメントに顧客の納税者番号を表示することは、一般的な要件です。 Stripe では、1 人の顧客に 1 つまたは複数の納税者番号を追加できます。顧客の納税者番号は、インボイスおよびクレジットノート PDF のヘッダーに表示されます。詳細については、納税者番号をご覧ください。
顧客にクーポンを追加する
クーポンには、割引率または割引額の情報が含まれます。Stripe Billing では顧客にクーポンを関連付けることができ、請求されるすべてのインボイスに割引が適用されます。
インボイスを作成すると (手動でも、サブスクリプションで生成された場合でも)、クーポンが使用され、課税前の金額から割引額が差し引かれることで該当する割引が請求額に適用されます。この情報は、インボイスフッターのサマリーテーブルで確認できます。
顧客の通貨を設定する
currency
プロパティは 3 文字の通貨 ISO コードで、顧客への継続請求プロセスに使用します。通貨は、ダッシュボードで顧客 > 詳細ページに移動し、詳細情報の更新をクリックすることで設定できます。